「泣いてしまう方は劇場鑑賞注意!」ベラのワンダフル・ホーム kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
泣いてしまう方は劇場鑑賞注意!
僕のワンダフルシリーズの原作者の作品です。動物ものには感情に流されることなく、点数を差し引いて評価続けてましたが、そんなことどうでもよくなるくらいに泣いてしまった。しゃくりあげるくらい、周囲に迷惑をかけてしまうくらい泣くなんて今まであっただろうか。ただ、観客は一人。独占状態だったので思い切り泣けただけかもしれません・・・
脱走して飼い主の元へと旅して帰る犬映画の代表は『名犬ラッシー』なのでしょうけど、それに加えて色々と社会問題となっていることを盛り込んだ作品になっていました。元々人見知りしない愛嬌のあるピットブルのベラ。首輪もタグも付いているけど、それを外されたり、また付けられたりして、また脱走。そんな緊張の連続の長い旅となりました。
映像はどこまでがCG、VFXなのかわからないくらい見事なもので、犬の仕草もしっかりと研究してあったように思います。ただ、大きい猫=ピューマだけは偽物感がいっぱいだったし、わざとらしさも満載。ここだけがファンタジーとも言えるのでしょう。
動物管理局の嫌味なキャラやコロラド州デンバーだけにある法令によって規制されている犬種の問題も痛烈で、どうしてもピットブルを飼いたければ引っ越さねばならないのか。また、同性婚カップルも普通に描いていたし、退役軍人からホームレスに転じた人の末路も社会問題として描いてあったように思います。
主人公ルーカスは退役軍人病院で働いているし、母親アシュレイ・ジャドは退役軍人だが心の病を持っているため、その病院に通っている。元軍人のトラウマなども詳細に描けば社会派作品ともなっていたことでしょう。
日本語吹替えしかなかったのですが、これが大当たり。犬のベラを担当する悠木碧が上手すぎる。他の動物は劇中では喋らないのも、ある意味、ベラを人間らしく扱っていたためでしょう。また、「お家に帰るゲーム」とか「洗濯物に隠れるゲーム」とか、なんでもかんでもゲームにしてしまうところが笑えます。