「「R指定15??の疑問」と「池松さんのは歯抜き演技サイコー!!」」宮本から君へ 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
「R指定15??の疑問」と「池松さんのは歯抜き演技サイコー!!」
ラクビーの人気が絶好調に来ているというのにも関わらず、この作品では、ラクビー選手が不快なイメージとして出演する。真淵拓馬だ。怪力の持ち主という評判の選手だという。この男が人間としてメチャメチャにクズ野郎である。宮本が酒に酔いつぶれている最中に、靖子を拓馬が強引に犯す場面がある。この作品を場面を観る側の私としてはどう理解していいのか。もっと違う役があったろうに。靖子はなぜ彼を自分の部屋に招いたのかいう場面も具に描かれてはいない。その他、作品の要所要所に、不快に思わせる場面があるが、これもこの作品の一つの何がしかの主張なのだろうか?R15指定ではあるが、本作品の「R指定」の設定も曖昧である。
靖子が宮本の前で、中島みゆきの歌を口ずさむ場面も、私の中では、答えが判らなかった。
以外を除けば、池松さんの宮本役はハマりにハマっている。海岸で雷雨のなかでの靖子と宮本会話が若干聞き取りづらかったり、風間役の井浦新さんの出演の重要性もあるんだかないんだか。
この作品は、前半は蒼井さんの役が必要不可欠ではあるが、彼女の前作品「彼女がその名を知らない鳥たち」や「オーバーフェンス」のイメージが払拭出来ないでいる。彼女の「化ける演技」は、正直疲れる。出すカードを増やすべき。「演技している感」もろ出ている。もうそろそろ「フラガール」の紀美子のような役が欲しい。後半は、宮本役の池松さんが、完全リードする形で大変気持ちよく笑った。最後の坂での靖子へのプロポーズは、泣けたねぇ。前歯のない演技は、めっちゃ笑えた。この作品での池松さんは、前回の「万引き家族」「よこがお」を完全に超えているね。もうサイコー。前歯のない彼、両手にスーツケース、電信柱で逆立ち。拓馬への上っ面でない復讐心。もう最後の非常階段での拓馬との「真昼の決闘」ヒヤヒヤもの。靖子の職場に突入する。「僕たちの家族」では、妻夫木の存在をつぶし。今回は・・・・。スカッとさせられました。胸糞の悪い場面も多々あったが、真昼の決闘後の、雨の夜に靖子との「相合傘」に「大丈夫、大丈夫」という彼女への言葉が、いっぱしの男じゃねぇの~。内臓上げたら死んじゃうぜ!!今回は、池松さんに蒼井さんよりも軍配のあがった作品だが、何だかもう一度見たいと思わないんだよね。残念ながら。