キングスマン ファースト・エージェントのレビュー・感想・評価
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うまく歴史を絡めて、外れなしの面白さ
今回は秘密結社結成への説得力を持たせるためか、歴史上の人物をふんだんに採用。ラスプーチン、マタ・ハリ、レーニンなど実在の人物を絡めてうまく料理した。
米大統領の小物感も楽しく。彼が幾度となくスコッチを持ってきてくれ、というのはステイツマンを示唆しているのは言わずもがな。
しかし世界を混乱に陥れ「うまみ」をかすめとる秘密結社の存在はあながち完全な虚構とはいえない。陰謀論を唱えると陰謀論者と揶揄されることが多いが、原爆投下の決定にチャーチルが関わっていたことや、ペンタゴン・ペーパーズが明るみにしたベトナム戦争の米軍の自作自演など、のちのち明るみになる陰(かげ)の謀(はかりごと)は枚挙にいとまがない。
「政治では戦争は解決しない」、それも真理。
また、英国による植民地政策などに対して過去の贖罪のような台詞が度々あるのが印象的。それで旧植民地に生きる映画ファンのガス抜きをしたいというわけではないだろうが、キングスマン設立への動機付けとしてはよい。
第一次世界大戦を「いとこの戦争」とはよくいったもので、当時のイギリス国王、ドイツ皇帝、ロシア皇帝はいとこ同士。
歴史を遡れば、ローマ時代にハリアドヌス帝がイギリスに壁ハドリアヌスウォールを築き、その後ゲルマン人が神聖ローマ帝国を率いるようになり、壁の南に入植したときから、イギリスとドイツに対しては、似たようなルーツを持つ同士で覇権争いを何世紀続けてるんだ?と半ば呆れにも似た気持ちが湧く。それで世界を巻き込んでるんだから、ねぇ。
紳士の気品と愛国心と博愛精神を体現する初代キングスマン、オーランドにレイフ・ファインズ。ラスプーチンもぴちぴちの息子コンラッドより大人の魅力がいいらしい。レイフも足なめなめされながらも、老体にむち打って奮闘。「魔力は本当だった」じゃないよ(笑)。
007ではMI6の高官と大忙しの彼。英国の存亡は彼にかかっているね。
アクション面では漫画的な未来形アイテムは登場せず、地に足の着いた無骨さ。しかし音楽にのせたノリノリの格闘シーンは健在。世界に張り巡らされた情報網は召使いという、地味ながらもワクワクする情報戦を展開。この設定が意外と萌え要素。マーリンとのバディぶりもよい。
前回のランスロットのように、重要なキャラがあっさり途中退場するもったいなさも。キャラを出し惜しみしなさすぎる感も。
コンラッドが戦地に赴く場面は「1917」のセットを彷彿とさせる。ゲリラ戦の緊迫感は見事で、戦場の無慈悲さや悲哀がしっかり描かれるが…、彼のキングスマンも見たかった。
イングランドとは何かと因縁と確執のあるスコットランド人が黒幕。
「マナーが紳士を作る」。まさかこの台詞が敵から語られるとはね。
それにしても最期の山羊の意趣返しは、山羊頭の悪魔「バフォメット」をモチーフとして使われる悪魔崇拝や秘密結社への皮肉のようにも受け取れるが、それは考えすぎかな?
最後に過去編2が作られてもおかしくない大物が登場。それはそれで、オーランドの活躍を見たい気持ちもする。
おとなしめと思いきやしっかりキングスマン
ふマジメ?マジメ?
キングスマン創立に至るまでにフォーカスを当てた作品。
残念ながらタロンくんも、コリン・ファースも出てこない!しかも今までのフィクションな題材・敵ではなく戦争というリアルをベースに話が進んで行くという、今までのキングスマンとは毛色の異なる印象を受けた。
1・2のめちゃくちゃ具合を期待していた自分としては少し今回のは物足りない。
真面目なキングスマンを作りたかったのか、キングスマン風不真面目戦争映画を作りたかったのか。
英国・ドイツ?・ロシアの関係とか、キッチナー伯爵のポスターとか、第一次大戦あたりの情報を先に知ってた方が楽しめたかもしれない。そーいうの知らなくても大丈夫なようにって工夫してくれてる優しさは伝わった。
続編出るような終わり方だったので、次ので更にめちゃくちゃが増えてることに期待したいが、歴史的な史実に実はキングスマンが関わってるんだよって話なのが見えちゃったからそれをどう面白く作るかハードル上がりそうな気がした。あと史実に主人公が関わるって点で、何かフォレストガンプっぽさを彷彿とさせた。ストーリー全然関係ないんだけどね。
しかしながら、ちょっとゾワゾワするギャグや見た目も派手派手でキャラも濃い敵集団、壮大な音楽と共に繰り広げられる破茶滅茶戦闘シーンに「あ〜やっぱキングスマンだわ」と感じる要素が満々詰まっていてとても楽しい。コサックしながら戦うシーンに如何にもな曲を流すのは絶対笑わせに来てるでしょ。
舞台が英国なんだからイギリス英語なのが当たり前なんだけど、序盤から俳優方がこのイントネーションで話してるのを聴いてるだけでキングスマンの映画観てるんだって実感した。
あとは細かいところ
・途中まで息子が主人公だと思ってた。
・ラスボスのあいつ不自然な途中退場だったから意外性がなくキャラが地味。
・崖から落ちそう!危ない!ってシーンは、アジト上陸作戦から予想できるあるある展開。そしてそんな引っ張らなくてもいいんじゃないの?ってくらいに長い。
似て非なるもの。
どうやって撮影?
感動した!
キングスマン【世界史編】
ぶっちゃけ私は世界史(と言うか歴史)が苦手でして(^_^;)
この時点で一般教養の方々の半分も楽しめなかったのかなーって思うくらい“キングスマン【世界史編】”でした。
もちろんマシュー・ヴォーン監督なので
「やり過ぎじゃ!でも好き♪」なアクションは健在。
だが、過去のシリーズみたいに
「傘からもアタッシュケースからも弾が出んのかよ!」
みたいなバカバカしさを期待すると…うーむ。
なんか、添加物を変な薬で0にしました的な仕上がり。
戦争のシーンも凄い分
「これはキングスマン?キングスソルジャー?」みたいな違和感も付いてきます。
世界史は知ってて当たり前感も強く
ポップコーンムービーでは無くなったエピソード0でした。
まーでも充分に楽しいんだけどね!
イギリスの諜報活動は誇り高いのょ。
メイキング・オブ・スパイ組織!不慣れ感がリアル!!
『キック・アス』『ウォンテッド』やNetflixで製作された『ジュピターズ・レガシー』『スーパー・クルックス』に加え、今後『ハック』『アメリカン・ジーザス』なども展開される予定のマーク・ミラー原作コミック「キングスマン」の映画化作品第3弾!
キレッキレでスタイリッシュなアクション・シーンが斬新な「キングスマン」前2作とは、少し異なったテイストであって、今回はアクション映画というより、政治的駆引きがメインの作品となっているだけに、前2作の娯楽アクション要素強めに魅力を感じていたファンは意見が分かれるかもしれない。
世界的なスパイ組織「キングスマン」誕生に隠された秘密を描いているメイキング・オブ・キングスマンでもある。
極力血を流さずに、平和的に解決できると信じていたオックスフォード公の葛藤。戦争に対しての息子との意見の相違が父として、当時のイギリスという国のあり方などを考えさせる、しっかり社会派な物語としても構築されている。
いくらキングスマンだからといって、はじめから上手くいかないことも多く、チームのメンバーが、それぞれ戦闘スキルや知識がそれなりにはあるものの、それだけではカバーできない相手にどう立ち向かうのか、想像を超えてくる相手の戦闘スキルにどう対処するのか。
例えば今回登場するラスプーチンの予測不能な行動は、決して常識が通用するような、マニュアル通りの案件ではなく、どうしたらいいのかと戸惑う様子も、またリアルだ。
『キングスマン』では、ハイテクなガジェットも、今回は手作り感満載のガジェッドが頼りなく、故障や失敗も多い。ところがその手際の悪い演出が初めてのミッションであり、スパイ活動そのものが不慣れという点において、全体を通して、ファンタジー要素も強い作品にも関わらず、妙なリアリティを醸し出している。
前2作とは全く違う 3本目(再込5)
さすがの手腕
後半は年寄りのやるミッションインポッシブル
始まりと終わりで別の映画になってないかと思うほど、ストーリーが変わる映画。第一次大戦前後の歴史に沿った前半は割と真面目路線で、私はこちらのほうが好み。でも、真面目一辺倒というわけでもなく、ラスプーチンとの場面などアクションも楽しませてくれる。
戦死が判明してからは、まるでミッションインポッシブル。ハチャメチャぶり、これはこれで楽しい。でも、それなら本家ミッションインポッシブルと同じように、最初からぶっ飛んだ設定にしてほしい。まあ、ストーリーとしてキングスマンができるまでの話らしいから、真面目路線→現実離れのスパイ物で合っているのかもしれないけど。
ところで、あの時代のロシア・ドイツ・イギリスの皇帝・国王が従兄弟同士あるいは又従兄弟だったとは知らなかった。ヨーロッパの王室がこれほど近い親戚同士でできてて、近親憎悪もあったと初めて知った。アメリカの参戦きっかけのくだりは全くの作り話だろうが、帰宅してウィキペディアを見るまで、これら王室が従兄弟同士というのも脚本上の作り話だと思ってたわ。従兄弟で戦争をしていたのか。第一次大戦って大きな家庭争議、なんかスゴい戦争だわ。
マタハリ!
マタハリという名は聞いたことはある程度で、多分、おじいさんたちの世代だとセクシーな女スパイと思われていたのだろうか。子どもの頃は「股貼り」という意味だろうと思い、どこか淫靡な響きに妄想していたものでした・・・ついでに前田美波里の名前まで思い浮かんでしまうアホな感想です。また、またぁ・・・
そんなマタ・ハリも登場するキングスマンの誕生物語。第一次世界大戦の辺りの歴史を知っているとより一層楽しめる内容となっていました。ラスプーチンが暗躍する帝政ロシア。イギリスとドイツの関係などを実在したキャラを使って戦争を起こしてしまう秘密結社。ラスプーチンなんてその黒幕の一つのコマにしか過ぎないという大胆な設定なのです。
これが大戦勃発となったサラエボ事件なのか?!とか、レーニンによるロシア革命も秘密結社の指示によるものだったのか?!とか、これがアメリカ参戦の経緯なのか?!と、ちゃんと辻褄も合うようなストーリーテリング。また、最後の最後に、見た目はスターリンなのにあの人だったとは!!と、笑っていいのかどうか困ってしまうキャスティングまで。
戦争映画とも思えるほど、凄惨な現状や運命の皮肉も描かれ、オックスフォード公(ファインズ)のアクション以外にも見どころ満載。ただ、戦争の起こし方の一部分しか見せてないことや、市民感情なんてのも描かれていないため、ちょっと不満も残る。
そんな中で最も良かったのはショーラ役のジャイモン・フンスーだったかと思います。彼がカッコいいと思えた作品は久しぶり。またラスプーチン役のリス・エバンスが不気味で印象に残りすぎ!青酸カリ飲んでも平気だからなぁ・・・凄いよ。山羊を飼ってる切り立った山も印象的だけど、他の映画にも出てたような・・・何だったか忘れた。
今年初めての映画館鑑賞。帰り道ではボニーMの「怪僧ラスプーチン」のメロディを口ずさんでしまったのは言うまでもない。
サイドストーリーでも、スピンオフでもない
一つ言わせてください。
今回も、最高でーす...
正直、今までのキングスマンシリーズを楽しんでいた者(私)からすると
「あら、今回コリンファース達出ないんかい」と観る前に少し残念に思ったけれども、
観ているうちにそんな残念な気持ち、すっかり忘れていた。
今回は、シリーズとしては3作目だけれども
エピソード的には第一章。
「これはサイドストーリーでもスピンオフでもない。」
パンフレットにも書いてあったけど、その通りだと思う。
なぜ「キングスマン」という組織が出来たのか?
世界平和のため?お国のため?
結果的にはそこに通じるのかもしれないけど、何よりも
「息子を戦争に行かせたくない」
「息子が生きて帰ってきて欲しい」
「戦争を早く終わらせたい」
親が子を思う気持ち、
そんな小さな、個の強い思いから始まっている。
それがこの映画の「芯」「軸」として
一本しっかり通ってる。
しかもこの「親子愛」という芯は、世界共通で多くの人が共感できるものである。
単に
見た目がカッコイイ
アクションが派手だ、
そんな"見た目だけ"の部分ではなく
ちゃんと心の「情」の部分もしっかりと描かれている本作は
もしかしたらキングスマンシリーズで
一番好きな作品になったかもしれない。
いつもと違う
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