「ラスプーチンのダンス攻撃。」キングスマン ファースト・エージェント ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ラスプーチンのダンス攻撃。

2021年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「キングスマン」前2作は見ていないので、何の予備知識もなかったが、他の作品を見てみたいと思わせる面白さになっている。「誕生秘話」みたいなものは、映画の常套手段だが、スパイ組織キングスマンの誕生も実にエキサイティングである。戦争のない平和な世界を望んで秘密結社を作ったという動機も何となく伝わる。それにしても、オックスフォード公というのは何者なのか。主人公だからスーパーマンのように強いという設定は分かるが、使用人の家庭教師や執事は凄腕すぎるし、屋敷には秘密の作戦基地みたいなものまである。将軍や国王まで仲間みたいな間柄である。本物の英国紳士はこういうもんだと自慢しているのだろうか。いずれにしろスパイ活動ができる下地は既にできていたということだ。しかしそれよりも、諜報活動を始める動機というのにも興味をひかれる。戦争の理不尽さや残虐さを体験したというのがベースにあるが、妻や息子の死が彼を後押しした。非合法な方法であろうとも、戦争のない世界にするという少しかっこを付けた動機を納得させてくれる。
見せ場である、アクション面でもとても工夫されていると思った。世界史の中でしか知らない怪僧ラスプーチンとの格闘シーンは見事であった。ロシア風のダンスを踊りながら剣を振り回すラスプーチンの異常さが良く表現されており、それに正々堂々と(?)立ち向かう姿がかっこいい。
理想を秘めてスタートした「キングスマン」がその後どのような活躍をするのかは興味あるところだ。

ガバチョ