「「フォードvsフェラーリ」熱くなって一喜一憂してしまった」フォードvsフェラーリ 裕二さんの映画レビュー(感想・評価)
「フォードvsフェラーリ」熱くなって一喜一憂してしまった
大衆車では圧倒的なフォードだが、若者には受けていなかった。一言で言うとダサい。経営不振だったフェラーリを買収してルマン24時間レースで参戦しようとしたら、「醜い車を作ってろ!」とコケにされてブチギレ。フェラーリをぶち倒すべく、レースに勝利をもたらすパートナー(実質は下請け)を選んだのが主人公のシェルビー(マット・デイモン)とマイルズ(クリスチャン・ベール)。
フォードのあくまで「セールスありき」の発想(勝つ気があるのか?)、大企業病まるだしの意思疎通や意思決定の鈍さに邪魔され、思うような車づくりやレース運びができずに苦労しながらも、ようやくル・マン24時間レースが始まる。
ビジネスドラマとして、ヒューマンドラマとして、感じるところ学ぶべき場面が多いことと、単純にレース(カーレースに興味はない自分だったが)に熱くなってしまい、153分という長い上映時間があっという間だった。
「ビジネス視点で学んだ点」
リーダーはチームを信頼して、任せて、全力でやるべきことに打ち込めるようにしてやらなくてはならない。
(フォードの圧力によりリーダーのシェルビーが何度かブレてしまい、マイルスを失望させてしまう。シェルビーの葛藤はわかるなー。でも、ここの判断軸、決断力が大事)
トップは現場を見て感じなければならない。
邪魔ばっかりするフォードだったが、トップのフォード2世が一度だけシェルビー&マイルズの作ったマシンに試乗する。その走りに衝撃をうけ、彼らに任せることを決断。これが歴史に残る「フォード1、2、3フィニッシュ」をもたらすことに。
「ヒューマンドラマとして感じた点」
男たるもの、家族に見せる姿は「生活のためにしょんぼり働く姿」ではなく、「誇りを持てる仕事に打ち込む姿」でなければならない。
奥さんはそういう旦那に惚れるし、息子は憧れるもんだ。といっても、女性目線から見たら、異論あるかもしれない。「夢でご飯は食べられないのよ!マイホームは絶対守ってよね!」って。マイルズは奥さんのモリーから背中を押してもらうものの、報酬の話を聞くと目の色変わってたもん・・・。
「俳優陣もとっても良かった」
マット・デイモンとクリスチャン・ベールは相変わらずのうまさだが、嫌な役のフォード2世会長(トレイシー・レッツ)やビーブ副社長(ジョシュ・ルーカス)の鬱陶しさも感情移入できる。ほんまにシバきたかった。
一番前のめりになってしまったのはマイルズの奥さんモリー役のカトリーナ・バルフ。美人顔じゃないと思うが、スタイル抜群でスレンダー・セクシー。マイルズやシェルビーを信頼して見守る姿がとってもよかった。
大企業vs下請け企業という構図は、「下町ロケット」のようで、タイトルは「シェルビーvフォード」とか「下町モーターズ」とかのほうが当たっているのでは♪( ´θ`)ノ