「加熱するロマン、加速するストーリー」フォードvsフェラーリ ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
加熱するロマン、加速するストーリー
専門用語はありますが「頭文字D」が理解できるなら
問題ありません。
F1のようなスプリントレースではない24時間耐久レース
では色々な出来事が起きます。
1959年のル・マン24時間レースで、キャロル・シェルビーが
アストンマーティンで優勝するシーンから始まります。
キャロル・シェルビーの乗用車は、シェルビーコブラです。
1960~5年、フェラーリは、ル・マン24時間レースで優勝を
果たしますが、経営難に陥ります。
1963年、ヘンリー・フォード二世率いるフォードがフェラーリを
買収することにしますが、モータースポーツ部門を引き続き
統括したかったエンツォ・フェラーリが買収を破棄します。
車を売るためにレースをするフォードとレースをするために
車を売るフェラーリという構図になります。
キャロル・シェルビーがレーシングチームを率いて、
ケン・マイルズが開発ドライバーを務めて、フォードGT40
を作ります。
1966年のデイトナ24時間レースで、ケン・マイルズがフォード
GT40で優勝します。
1966年のル・マン24時間レースで、キャロル・シェルビーが
率いて、ケン・マイルズがフォードGT40のドライバーを務めて、
フェラーリ330P3と競います。
フォードGT40は、7.0L V8エンジン(500ps)をMRにマウントした
1,150kgのレーシングカーです。
フェラーリ330P3は、4.0L V12エンジン(325ps)をMRにマウント
した720kgのレーシングカーです。
ル・マン24時間レースが行われるサルト・サーキットは、
1周13.6kmもあるコースです。
特徴的なのはホームストレートから緩やかなダンロップ・
コーナー、複合右コーナーのテルトル・ルージュから
アクセル全開時間が1分間ほど続く「ユノディエール」と
呼ばれる6kmのストレートの後にある、右直角コーナーの
ミュルサンヌ・コーナーです。
実車を使って撮影しており、激しいレースシーンは大迫力
です。
オートマ自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車では
得ることのできない車の挙動があります。
タコメーターは、エンジンのピストンは1分間に回転する
回転数を示します。
ドライバーがアクセルを踏み込むと、回転数は上がります。
ドライバーがアクセルを戻すと、回転数は下がります。
ドライバーがシフトアップすると、回転数は下がります。
ドライバーがシフトダウンすると、回転数は上がります。
ブレーキは、ブレーキパッドをブレーキローターに押し
当てることで、運動エネルギーを熱エネルギーに変換する
ことで速度を落とします。
熱によりブレーキローターは赤くなり、ブレーキパッドが
ガス化し、ブレーキパッドとブレーキローターの間にガス膜
が発生し、ブレーキが効かなくなり、速度を落とすことが
できなくなります。
7000rpmを超えてレッドゾーンに入ると、シリンダー内で
ピストンが動くスピードにエンジンオイルの供給が間に
合わなくなり、シリンダー内でピストンが動けなくなり、
シリンダーが壊れ、エンジンオイルがエンジンから噴出し、
白煙を上げ、出火することもあります。
レッドゾーンを超えても1000回転くらいは許容するので、
必ずエンジンが壊れるわけではありません。
スピードメーターは、Km表示ではなく、マイル表示です。
200は、時速200kmではなく、時速200マイルで、Kmに換算
すると時速320kmです。
時速320kmでは、1秒間に89mも進みます。
パンフレットは、よくできているので、映画を理解したい人
にはお勧めできます。