劇場公開日 2020年1月10日

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「実は企業映画」フォードvsフェラーリ andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0実は企業映画

2020年1月10日
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鑑賞方法:映画館

グランドシネマサンシャインのBESTIAにて。
こんだけ車ぶんぶん走る映画...酔うかも...と思ったが全然だいじょうぶだった。迫力は凄いが視点がブレないので酔わない。だいじょうぶ。
「フォードvsフェラーリ」と銘打ってはいるが、実際フェラーリが存在感見せて絡んでくるのは買収を蹴ったところが最大で、どっちかといえば「旧弊vsベンチャー」というか「経営vs技術」「管理職vs現場」という感じの物語である。
社会の教科書にも載っている(今は知らないが)フォードは、自動車を大衆に普及させるという意味で多大な貢献をした巨大企業。この物語は1960年代の話なので、社長は創業者の孫、ヘンリー・フォード二世。ブランド力の強化のため、フェラーリを買収しようとしたフォードが土壇場でひっくり返されて、「打倒フェラーリ!」に乗り出す....。というわけで呼ばれたのがマット・デイモン演じるキャロル・シェルビーであり、シェルビーが呼んだのがクリスチャン・ベイル演じるケン・マイルズ。
マット・デイモンとクリスチャン・ベイルがそれぞれ実在の人物を演じるわけだが、特にクリスチャン・ベイルは本当に変幻自在だね...。あなたこないだ超太って米国副大統領演じてなかった?一筋縄ではいかないレーサー、車と家族を愛して止まない男を演じるのにこれほど適任がいるでしょうか、って感じ。
マット・デイモンの破天荒だけど中間管理職的なあの感じも良いですね。すごく才能あるけど上司に潰されちゃうマネージャータイプ。こういう人には技術的な仕事だけさせといて有能なマネジメントできる人が居れば良かったのにねえ。
旧弊たるフォード側は割と散々な描かれ様ですよ。良さげに描かれているのが社長だったリー・アイアコッカかあ(でも彼、解雇されてクライスラーの社長になったんだけどね)。レオ・ビーブとか物語の為に典型的悪役化してますが...(実際は良い奴だって英語の記事があった)。まあそこは物語の妙というか、配置か....。
実話ベース故の人物の扱い方とか、終盤が重いわりに拙速というのが難点ではあるんですが、旧弊と闘うビジネス映画、そして同じ夢を見る者同士、妥協できない者同士の絆映画としては素晴らしい。
あとはこの映画のもうひとつの顔、車。音が最高なので、やはり音の良いところで観てほしい。あと大画面で感じるスピード感。手に汗握るレース展開。観終わる頃には汗だくよ。迫力は凄いのだけど、とにかく画面のブレがなくて観る人に優しいのがよかったです。感想がおかしいけど、私マリオカートで酔うんで...重要です...。
ちなみに、これ結果的にはフォード勝利!映画なので、フェラーリ側に立つとこのタイトルは微妙なのか、イタリアではタイトルが "Le Mans '66" だそうな。興味深い。

andhyphen
ゆうさんのコメント
2020年1月14日

クリスチャンベイル今度はガリガリになってるので私も驚きました あの調子なら運転(なんてレベルじゃないですが)も自分でやってそう

ゆう
Kayoさんのコメント
2020年1月13日

実在した人達の話!特にフォード社達の、あの方達の遺族の了解とかとるんでしょうかね?(見た人に嫌われるのに)

Kayo