テリー・ギリアムのドン・キホーテのレビュー・感想・評価
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アダム・ドライバー目当てで…
スターウォーズで惚れてしまったアダム・ドライバーを観に行ってきました!
ドン・キホーテの物語は原作を読んだことはなく、バレエの演目として何度か観たことがある程度なのであまり詳しくは知りませんでした。
アダム・ドライバーは期待通りで、特に学生時代のナチュラルな感じが格好良くて気に入りました♡
大画面でたっぷり堪能できただけでも大満足です。
全体的にはドタバタで笑える所もけっこうありました。
ロッシ・デ・パルマも出ていて、先日『マダムのおかしな晩餐会』のDVDを観たばかりなので再会が嬉しかったです♪♪
ブラジルは、あまりに遠かったかな…
平日の昼間。仕事を抜け出して映画館へ。遅ればせながら、今年初めて見る映画である。
場内には僕と同世代かその上、50代後半、60-70歳代の男性客が結構来ていた。
公開5日目だから、上映館も少ないし、そこそこの客入りだったのか。
この監督の「未来世紀ブラジル」(1985年)が、自分にとっての、ザ・ベスト・オブ・ザ・ベストなので、相当期待値は高かった。いや、結局、テリー・ギリアムはその後の30年余、あの作品を超えるどころかそれに近づくような作品もないままだったから、見終わって「やっぱりね」と思うしかなかった。
積年の努力を実らせたことを評価して「4つ☆」をつけたいのはやまやまだが、ブラジルも、モンティ・パソンもリアルタイムで知らない世代には、実に退屈なファンタジーでしかないだろう。
未見の人には、内容をあれこれ言いたくはないが、ブラジルに重なる場面が多数。何といっても、ジョナサン・プライスが出ているんだからなあ。
ジョニー・デップが出ていて、ドンキ役を別の役者にして、もっとえげつない表現(セックスと暴力)を織り込めば、まだ迫力ある映画になった…かもね。
残念です。
これは賛否両論あるかなと
いやあ、なんとか完成したんですねという感じです。
正直よくわからなかった。笑
とにかく、ドン・キホーテが凄い勘違いしちゃって大変なことになってます。
この映画で、スターウォーズで、見たくもないと思ってたアダム・ドライバーを好きになりました。かなり頑張ってました。
ぐちゃぐちゃなのに端正。自己投影奇作
呪われた題材、それこそがドン・キホーテ。オーソン・ウェルズも完成させられなかったドン・キホーテ。正直この映画が完成して日本で公開されたのが奇跡感ある。ワールドプレミアである、2018年カンヌでのクロージング上映すら危ぶまれたんだぜ...。
物語を現代に移していても「ドン・キホーテ」の枠組みは健在である。「ドン・キホーテ」の中に「ドン・キホーテ」が入れ子になっている感じ。
ドン・キホーテ役はジャン・ロシュフォール、ジョン・ハートから最終的にジョナサン・プライスになり、サンチョ(に勘違いされる、この罪つくりな状況を作った男)はジョニー・デップからアダム・ドライバーになった。奇しくも今年のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートされたふたりである。
嫌なやつ感満載で登場するアダム・ドライバーが、卒業製作で撮影した映画の舞台を訪れ、映画が村人を破壊してしまったことを知る。それがドン・キホーテを演じたハビエルであり、「スターになれる」と言われたアンジェリカ。ハビエル(改め?)ドン・キホーテに「おお、サンチョ!」と言われたトビー、一旦逃げ出すもあらゆるものに見放され、結局旅に出る羽目に。
端正で冷静というイメージのアダム・ドライバー、序盤中盤と映画で何回禁止用語を叫んでいるのでしょうかというくらい弾けきっている。数えてみると面白いかも。CMディレクターとしてイけてても従者として全くイけてないのが彼の特徴である。そして一番「自意識」が強い。ジョニー・デップがやってたらもっと鼻持ちならない奴だったろうな、とは思う。
そして撮られて人生が変わってしまうハビエル=ドン・キホーテ。ジョナサン・プライスは「面白い顔」と言われつつも、やはり端正さが残っている(その上な、美声なんだ)ので、狂気に見えるようで見えない、「こいつ...まさか...?」という不思議なおじいちゃんになっている。そしてどんどん透徹化(こんな言葉ないけど)していく。
展開は捻りつつも大体ドン・キホーテだし、ラストも概ね予想どおりで、ビッグ・サプライズはない(というか、原題からしても隠す気持ちないよね)。自分が生み出した狂気にどう落とし前をつけるのか、といえばこれが決着点なんだろうなあと。
面白いのは、「自分が自分が」となるサンチョ...いやトビーが(ジョナサン・プライスが "Me, Me, Me!"って言うの最高感あるよね)結局小物でしかなく、ただただ踊らされているところなのかもな、と思った。そこから抜け出した果てに見つけた"Me"もまた、ってところが面白い。
テリー・ギリアム、私は初めて観た。このぐちゃぐちゃに自己を突き詰めてしまった感じは好きである。ただ最近の発言については全く同意できず、悩ましい...。
なんとなく、監督の発言の感じを読み取ってしまったのがオルガ・キュリレンコさんの役。オルガ・キュリレンコさん、まじ怖かったです。怖いよ。あんな怖かったっけ?と思うくらい怖かった。あの描き方自体がなんかな、と思ってしまう。
それにしてもなぜ邦題を「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」にしちゃったのかしら。別にそのままで良かった気がするけどね...。
ドン・キホーテを殺した男
「ドン・キホーテは死なない」
そう、彼はこうして生き続けるのだ!!
なんて狂おしく愛おしく哀れで面白い物語なの。
テリー・ギリアム初体験の為、セルフオマージュやらギリアム節やらは分からなかったけれど、まっさらな状態でストレートに受け取っても非常に楽しい映画だった。
学生時代、スペインの小さな村で撮った小さな自主映画。
あれから10年、CM監督として再び訪れたあの村で突き付けられた、とある因果。
地味な靴職人の老人は自らをドン・キホーテだと信じ込み、酒場の娘はスターを目指すも上手くいかずに権力者の愛人へ。
自分の映画が人の人生を決定的に変えてしまった。
ズキッと痛む胸を押さえ、キホーテじじいと共にあちらこちらを転がり走り回る奇妙な旅道中。
どうしてそうなる!?を連発し、奔放に展開していくストーリーが楽しくて楽しくて、ずっとニヤニヤしながら観ていた。
狂気と正気、幻想と現実、夢と目覚め、それらを行ったり来たりする描写が面白い。
目覚めたらヤギ!のキスシーンが好き。
移民の集落で見る夢が好き。同じ夢を見ていたのは後々への伏線だったのかもしれない。
グロテスクでファンタジー要素盛り沢山のモチーフも大好き。
生々しい動物の死骸が頻繁に出てきたのは、死と生をがっつりと対比させるためなのかなと思った。
確実に流れゆく時間の先には必ず死が在ることを示し、その中でドン・キホーテがどう生きていくのか、作品がどう残っていくのか。そんなことも描いているのかなと思った。
「あの頃」を眺めるトビーがあまりにもエモーショナルでうっかり泣いてしまったので。
支離滅裂に見せつつきちんとストーリーを組み立ててくれていて、思っていたよりもかなり観やすい。
何が起きているのか混乱する部分も若干あれど、すぐに持ち直して巻き込んでくれる力がある。
謎すぎる現地の青年の、ストーリーテラー的な案内人的な立ち位置が面白かった。
演者も製作陣もすごく楽しみながら撮影していたのでは!?なんてことを思える映画だった。
私のアダム・ドライバーの好きなところもたくさん詰まっていて、大満足である。
テリー・ギリアムだからこその世界観
テリー・ギリアムもマストな監督の一人です。今作は構想から30年を経て完成させたという渾身の一作。あまり話題になっていないようだが必見の傑作だった。
CM監督のトビー(アダム・ドライバー)は学生時代に映画「ドン・キホーテを殺した男」を撮影したスペインの田舎の村を10年ぶりに訪れ、映画撮影が村の人々に大きな影響を与えていたことを知る。
自分を本物のドン・キホーテと信じ込んだ靴職人の老人ハビエル(ジョナサン・プライス)、スターを夢見て町へ出たが娼婦に堕ちた酒場の娘アンジェリカ(ジョアナ・リベイロ)。
トビーとハビエルの道行はおかしくもあり、厳しくもあり。観る我々もありえない世界に迷い込む。
これは上級者向けのファンタジー。さすがテリー・ギリアムとしか言いようがない逸品だ。
思った以上にB級だった。今の時代にあえてドンキホーテをやるなら、も...
思った以上にB級だった。今の時代にあえてドンキホーテをやるなら、もっと面白くできそうなものだが。
B級映画の評価基準がわからないので、とりあえず二つ星で。素直に原作を読んだほうがよい。少年文庫とかでも。
オチが謎
ストーリーはどこかの解説を読んでもらうとして…
普通、うぬぼれ屋が変人に振り回されるのなら、変人ならではの世界観に打ちのめされて本当に大切なものに気づく…というプロットになるはずだが、どうもそうではない。
しかし途中まではそんな雰囲気を纏っていて、娯楽映画としてとても面白かった。ずっと飽きずに観ることができる。問題なのはオチにかけての最後の数十分だ。
うぬぼれ屋(あるいは自分勝手)のトビーは打ちのめされはするが、自ら世界観を変えることはなく、何とも後味の悪い目に合って終わる。
自身をドン・キホーテと勘違いした老人ハビエルは…最期に正気を取り戻したんだから元から正気だったんだかよくわからない。
ヒロインのアンジェリカも、行動原理や思考がよくわからない。
そして、オチだ。
頭を打ち、ハビエルを死なせてしまったトビーはアンジェリカとどこかへ旅立つ途中でドン・キホーテになってしまう。
風車を巨人に取り違え、アンジェリカを従者のサンチョと呼んでしまうのだ。アンジェリカはそれを微笑みながら受け入れて、それで劇終。
なんで???どういうオチ???全然わからん!!
さすがテリー・ギリアム、長年待った甲斐があった....
最高ですね、特に(往年の)モンティ・パイソン好きには堪らないテイストです。
アダム・ドライバーって(SWで知って)あんまり好きになれなかったけど、今作の演技で見直したというか、逆に可成り好きになりましたね。
このような(難しい?)役柄をこなせるなんて、素晴らしい役者です。
少し前に観た、デニス・ホッパーの「ラスト・ムービー」にどことなく通じる所もあり、興味深かった。
「ラスト・ムービー」程イッちゃってはいないけど、別の意味でイッちゃってる感あるので、この手のが苦手だったら止めといた方が良いです。
あとの展開が読めないというか、「この先、一体どうなるの?」感でドンドンいっちゃいましたね(自分的には)。
それと、映像や音楽といった全体の構成バランスも気に入りました。
別に、今作に至るまでの(長きにわたる)苦労話を知らなくとも、作品の内容を左右するものでは無いので、興味を持ったら後から見れば良いんじゃ無いかと思います。
ただ内容的に、この映像を(スケール感の無い)小劇場や、自宅のTV画面でが初見だったりしたら、ちょっとキビシイかも知れませんので、出来るだけ早めに大き目のスクリーンでの鑑賞をお薦めしておきます。
因みに私は、関東圏ではスクリーンが一番大きいと思われた、川崎チネチッタの7番で鑑賞することが出来たので幸いでした。
老いによる力の衰え、残念…
誰しも歳をとるとあらゆる"力"が衰える、それが"老い"だから仕方がない。
その衰えて行く力の中には、監督がかつて得意とした "想像力" イマジネーションも含まれるのかなと…
かつての圧倒的なビジュアル・イマジネーションを本作から感じ取れなかったのがとにかく残念、30年前に完成していたら…
唯一の誉め所は、監督の過去作品を匂わせる箇所が随所に散りばめられていた事、ギリアムファンとしては嬉しかった。
…あのスポンサー達の中に居た謎のアジア人は、多分「バロン」の制作費が尽きた時に資金を出した日本企業の方がモデルではないかと。
予備知識は必要
鑑賞前にある程度ドンキホーテというのはどういう空想の人物なのか予備知識が必要に感じた。
浅いレベルで知ってる自分にとってもさっぱりわからないシーンがちょくちょくあっただけに、全く知らない人からするともしかしたら退屈に感じてしまう作品にも思える。
一応予備知識がなくても笑える場面はそれなりにある。
ただそれでもドンキホーテとはどういう存在か分からないとポカンとしてしまうシーンは多々あるのも否めない。終始ドンキホーテネタで続く為分からないとやはり長く退屈に感じてしまうだろう。
まぁ現代社会においてドンキホーテのような存在がいたらこうなるだろうという視点では面白くできた作品かもしれないが、好みは大きく分かれる作品のように感じた。
気になる人はあまり大きな期待はせず、良くも悪くも楽な気持ちで映画館に足を運ぶ事がいいように思えた。
ちゃんとドンキホーテだった
公開中のSWでもカイロ・レンとして印象的な演技を披露した
アダム・ドライバー出演作と言うことで興味を持ち鑑賞
テリー・ギリアムはモンティ・パイソン
ドン・キホーテは人並みに知ってる程度です
未来世紀ブラジルは深夜映画で観た覚えが遠い昔に
あったかどうかと言う感じ
感想としては
まあなんともアッサリドンキホーテだったと思います
難解なイメージのある監督ですが定番古典が下敷き
なのもありすんなり理解していたと思います
英雄譚の読み過ぎで突然騎士道に目覚めてしまった
ドンキホーテと従者サンチョパンサのドタバタ大冒険ですが
懐かしの地で撮影をしている映像監督のトビーが
その学生時代に撮ったショートフィルムをふとしたきっかけ再び手にし
その地を懐かしんで訪ねると当時ドンキホーテに無理矢理仕立てて
撮影した靴職人のハビエルじいさんが未だその気になったままで
トビーを強制的にサンチョと思い込み巻き込まれます
世界観は中世感と現代感がゴチャゴチャになっていき
社長夫人とベッドインしかけたり謎の集落で捕まったり
ムスリム教徒が現れたりハビエルはギリアム作品らしい
イカれっぷりでいるのかどうかもわからんドルシネアを慕い
狂言回し的役割のトビーはだんだんまともな精神をやられていきます
ただトビーにはそのハビエルと知り合った村で知り合った
娘アンジェリカが思い出の女性と再開しるなどハビエルが
思い浮かべるドンキホーテや思い人の要素が段々集まってきます
まあこのゴチャゴチャ世界観には理由があるのですが…
結局現代社会の所属している会社の都合や上の命令で
信念を曲げに曲げられ自分らしさを失っていないか
といったメッセージ性はあるのかなぁという感じですが
やっぱりテリー・ギリアムのおふざけ感や不可思議感は
残りつつフワフワ話が進んでいく感じでした
展開はダラダラしてるんですが不思議と集中力が途切れる
事無くスクリーンを見ていられたのはやはりアダム・ドライバーや
ジョナサン・プライスの怪演でしょうか
とりわけアダムはいかんせん堅物カイロ・レンのイメージが
残っているので新たな印象が新鮮
ヒロインのアンジェリカや社長夫人のジャッキなど
女性キャラも可愛くて、ビッチで良かったです
どちらかというと完成するまでに30年かかったとか
そっちのエピソードに関心が集まりそれに対すると
作品自体はフツーになっているかもしれません
でもその30年の間に現代CGを駆使するなど
様変わりしたんじゃないでしょうか
頓挫エピソード自体も映像作品になっている今作
こんなキワモノも面白いかもしれません
ただ内容はちゃんとドンキホーテです
少し笑った。感動なし、面白くない。
名を成した人が自由に思うがままに何かを造り上げることは素晴らしいことだと思うけれど、劇場映画という形を取るならば、多くの人を魅了するものを目指してほしい。この作品は・・・面白くしようという試みは伝わってきたけれど、自分にはそれを十分に理解するには至らなかった。ひどい言い方をしてしまうと、贅沢なお遊びに見えてしまい、後半の観賞は辛過ぎた。らしいといえばらしいと思えたわけで、だからこそなおさら、テリー・ギリアム作品すべてが駄作に見えてしかねないような、ある意味結構やばい作品にも思えた。
作らせてもらえなかったものを、ようやく作らせてもらえたのでしょうか、テリー・ギリアムという名のもとに・・・まぁ自分もそれにつられて見に来たわけだから─。
作品の内容を全く記さず締めようと思うのだが、見ようかなと思っている人には、セルバンテスをよく読んで時間が余りに余っている時にこそ見るべきものかもしれないと申しておきます。無理してこの作品を観賞するよりは、原作を丁寧に読むことがよっぽど身のためになると思います。
本当のドンキホーテとは?
そもそもドンキホーテとは自分をドンキホーテと思い込んでいる狂人の話だったと思うので、彼らはまさに本当のドンキホーテと言えるでしょう。当然登場人物たちはそれを認知し得ない存在なので、そこが面白かったです。
現実と妄想がごっちゃになる映画は沢山ありますが、2人の妄想がとろけ合う様に狂っていくところが新鮮でした。
よく分からない状況がよくわからないままどんどん進んでいくので、常にさっき見た映像のことを考えなくてはならない忙しい鑑賞でした。まさに混乱、しっかりと納得できる内容のちゃんと訳わからない映画です。凄く面白かったです。
演技や映像や音楽もハイレベルで楽しめました。
たまにこういう映画を観ると凄く良く思えます。
監督自身がまた一つステージを上げた傑作の誕生
「ゼロの未来」から約6年ぶりの新作は天才、鬼才、映像の魔術師などと称される監督の新たな傑作。構想30年、企画頓挫9回という話題性なんか邪魔なだけ。寓話を借りて人の尽きぬ欲望の曼陀羅を緻密に構成。アダム・ドライバーの一皮剥けた演技、彼が夢うつつを行きつ戻りつスペインの寒村と荒野を舞台に描ききった。エンタメと芸術的映像美を高次元で見事に融合させた点も特筆すべき幻想的な紛れもない傑作誕生。こんな映画をテリー・ギリアム監督以外に一体誰が撮れる?撮れないね~😁
虚実皮膜の職人芸
テリー・ギリアムという人は、現実と幻想の世界を自由自在に行き来できる稀有の才能の持ち主だ。それは、モンティ・パイソン時代から一貫しているし、コメディだけでなく、シリアスな内容の「未来世紀ブラジル」でも、気付いたら現実と幻想の境界が溶け去ってしまう恐怖を描いた。
そんな彼が、ドン・キホーテの続編をテーマに映画を撮ったのだから、これは必見である。そもそも、ドン・キホーテ続編というのは、あの有名なドン・キホーテの物語を、セルバンテス自身がパロディにしたというユニークな作品で、登場人物は、ドン・キホーテの物語を読んで知った上で、生身のドン・キホーテをからかったり騙したりするという入れ子構造の物語である。それを、さらにテリー・ギリアムが、映画中映画という形で入れ子にするのだから、物語は二転三転、どれが現実でどれが幻想かわからなくなっていく。しかも、いつものように迷宮のような、同時に祝祭的でもあるテリー・ギリアムの独特の映像世界が全面的に展開される。そして、最後は、原作とは少し異なる希望を感じさせるエンディング。
素晴らしい傑作です。おススメ!
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