劇場公開日 2019年12月20日

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「アメリカナイズ&忖度が効いたハリウッドリメイク」THE UPSIDE 最強のふたり regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アメリカナイズ&忖度が効いたハリウッドリメイク

2020年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

単純

幸せ

有名なフランスのオリジナル版があるにもかかわらず、それでもハリウッドリメイクを作ったのだから、まんま同じなワケないよなとは思っていたが、要所要所でアメリカナイズされている。
オリジナル版で重きを置いていた介護人が移民という設定から(そもそもモデルとなった人物がアルジェリア移民)、スラム街の黒人というベタな設定に変えたのもそうだが、一番の変更点はニコール・キッドマン扮する秘書の描写か。
オリジナル版も小さな役どころではなかったとはいえ、わざわざオスカー女優をキャスティングするほどのものかと思っていたが、ラストでなるほどそうきたか、という感じ。まぁこのあたりは彼女への忖度だろう。
ちなみに、宣伝文句で「オリジナル版の200倍の大ヒット」とあるけど、これは北米オープニング成績の比較。裏を返せば、それだけオリジナル版を観ているアメリカ人が少ないという事。だからこそハリウッドリメイクが作られたわけだが…

大まかなあらすじはオリジナル版と同じなので、オリジナル版を未見の人はこれから観てもいいし、両作品を比較してニュアンスの違いを確認するのもいいかも。
個人的には、オリジナル版を観ていて一番テンションが上がった“あの曲”が、こちらでは流れない点で物足りなさを感じなくもない。
望みすぎなのは承知の上だが、『最強のふたり』といえばやっぱり“あの曲”でしょう!

regency