ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たちのレビュー・感想・評価
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レモン農家はトンネルの入口ではない
一部の人、一部の考え方として一番上はウォール街で、一番下はレモン農家だ。
トンネルの先というのは出口のことであり、出口とはゴール、ゴールは、一部の人にとっては金銭的に豊かに暮らすことだ。
つまり、競争相手に先んじ金銭的に豊かになることを目指す者たちのドラマなのだが、作品の中ではアメリカに暮らす様々な人を捉えながら、トンネルの先にあるゴールとは人それぞれ違うのだということを描く。
余命が僅かと知った主人公は、落胆しながらもプロジェクトの進行を止めない。もはや彼が金銭的に豊かになることはないわけで、ではなんのためにプロジェクトを進めるのかという話になる。
トンネルの先を目指すことこそが彼の望んだゴールであり、ゴールにたどり着いた結果が競争相手より劣っていたとしても、そんなことは関係ないんだ。
当然金銭的に豊かとはいえないアーミッシュの村の人々はゴールを目指さず無気力で不幸なのか?もちろんそうではない。
人が目指すものはそれぞれ違う。豊かだと感じる基準も違う。
作中には一度も登場しなかったレモン農家が不幸で可哀想な人々なのかは、当人たちに聞いてみないとわからないのである。
妻がジェシー・アイゼンバーグが好きなので観たけれど、そこまで面白いわけではなかった。
演出のテンションが重めで、やってることのテンションとイマイチ噛み合ってない感じがした。
病気が発覚する前から余命僅かのテンションで進んでるような感じ。
つまり、なんかすごいことをしてるんだけど、その「スゴさ」がイマイチ伝わってこないんだよね。
作品のテーマ的には問題ないのだろうけれど、観る側が観るための推進力にする娯楽性はもう少し担保してほしかった。
壮大なプロジェクトに真っ直ぐ…
命懸けで、捕まってでも、がむしゃらに取り組む従兄弟同士のストーリー。株取引の儲けの為にはどこよりも速い回線が必要ということで、カンザスからNYまで直線で地下にケーブル敷くっていうスケールの大きさと、そんな話があるんだと驚いた。決して難解で退屈な話ではなく、ジェシー・アイゼンバーグ得意の早口捲し立てが炸裂、アレクサンダー・スカルスガルドの剥げっぷりには一瞬目を疑い、図体でかいのに飛行機嫌いという神経質には笑った。グラサン掛けてプレッシャー掛けてくる元の会社のボス、サルマ・ハエックは怖い。結局戦いには負けたけど、アーミッシュの小屋で二人が雨を見ながら座っているスローモーションのシーン=やることやったと安堵している姿は良かった。山だろうが川だろうが、岩盤突き抜く直線的なケーブルのように、仕事へ突き進む真っ直ぐな姿勢は美しい。
ヴィンセントの行動の意義とは
予告編を観て「面白そう!!」と思っていた作品です。残念ながら私の住む地方の映画館では上映されなかったため、DVDのレンタルが始まった今のタイミングでの鑑賞になりました。
予告編を観ていたので、「1600キロメートルの直線の回線を引く実話を基にした映画」という程度の事前知識でした。
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ニューヨークで株の高速取引を進めるトレス・サッチャー社に勤めていたヴィンセント(ジェシー・アイゼンバーグ)と従兄弟のアントン(アレクサンダー・スカルスガルド)。ミリ秒単位の通信遅延が数億ドルの損害に繋がるという高速取引を行っており、アントンは少しでも早く通信できるような設備開発を任されていた。ヴィンセントはカンザスにあるデータセンターからニューヨークの株取引所までの1600キロメートルを山も川も貫いて直線の光回線で繋ぐという奇想天外な計画を練っていた。その計画は以前から不満のあった会社の社長であるエヴァ(サルマ・ハエック)ではなく他社から資金を融資してもらい、独自に計画を実行に移すのであった。
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たった0.001秒通信速度が上がるだけで、500億ドルもの大金を稼ぐことができる。1600キロという長距離を一度も曲がることなく山があろうが川があろうが直線で貫く光ケーブルを敷設する。何から何までまるでファンタジーのようで現実味がありません。でもこれ実話なんですよね。まさに「事実は小説より奇なり」。
調べてみるとかなり脚色が入っているらしいですが、それは映画化にあたって仕方のないことだと思います。「事実を基にしている」という事前情報があると無いとで、作品に対する印象は大きく変わります。デビット・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」もクリント・イーストウッド監督の「リチャード・ジュエル」も、実話を大きく脚色していることで多少批判はありましたけど、「実話」という情報があることで現実感をもって鑑賞することができ、映画自体がより面白く感じられました。
この映画、役者陣がとにかく素晴らしい。特に主演のジェシー・アイゼンバーグとアレクサンダー・スカルスガルド。
そういえば、「ソーシャル・ネットワーク」の主人公であるマーク・ザッカーバーグを演じたのも、今作の主人公ヴィンセントを演じたジェシー・アイゼンバーグでしたね。彼にはこういういけ好かないインテリ意識高い系やらせたら右に出るものはいないと思います。映画の後半でとある人に電話をかけるシーン、立て板に水とはまさにこのこと。30秒くらい息継ぎほぼ無しでラップのように放たれるマシンガントークは、シリアスな場面なんですけど思わず笑っちゃうくらい凄かったです。これはジェシーにしかできない芸当だと思います。
そしてアントン役のアレクサンダー。恥ずかしながら本作で初めてアレクサンダーの演技を拝見しましたが、髪を剃ったりする役作りも含めて非の打ち所がない完璧な演技。神経質でオタク気質な役がめちゃくちゃハマり役に感じましたが、普段の彼はパッチリした目が可愛らしい線の細い超イケメン。ギャップにやられてしまいました。
ストーリー面ですが、正直中盤くらいまでは微妙に感じてしまいましたね。1600キロメートルの直線光ケーブルを引くという奇想天外な計画、さぞかし大変なんだろうなと思いきや、些細な問題が出てきますがほとんど苦労もなくクリアしていき、トントン拍子にケーブル敷設が進んでいきます。後半に大変な事態が発生しますが、それは特に解決することもなく終わります。もうちょっと「苦労の末に完成」みたいな演出があれば良かったのにな~と思いつつ、でも実話を基にした映画なので映画の盛り上がりのために勝手な創作を入れるべきではないとも思います。ここは実話を基にした映画の難しいところです。
映画のラストは決してハッピーエンドとは言えないけれど、ヴィンセントとアントンは何か大事なものを得た終わり方になっており、これはこれで良かったと思います。素晴らしいラストでした。
個人的には非常に楽しめた良作でした。作品のテイスト的には「ソーシャル・ネットワーク」「マネー・ショート」に近いように感じましたので、そういう系の映画が楽しみたい方にはオススメです。
速さがよいこととは思わない
映画「ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち」
(キム・グエン監督)から。
作品中に「16ミリ秒って何?」「ハミングバードの一回の羽ばたき」
そんな会話があり、気になって調べてみた。
タイトルの「ハミングバード (humming bird, hummingbird) は、
ハチドリの英語名。毎秒約60回の高速ではばたき、
空中で静止するホバリング飛翔を行うことで有名な鳥だ。
1秒を60回で割ると、0.016666・・確かに、16ミリ秒、納得。
さて物語は、カンザス州とNY州、直線距離1600キロに、
光ケーブルを敷き、株取引で儲けようとしたプロジェクトの顛末。
実話を元にしたドラマだと知って、驚かされた。
ほとんどの地権者は、自分の土地の地下をケーブルが通っても気にせず、
予期せぬ臨時収入が入ることで、土地売買にサインをした。
しかし一箇所だけ、断固としてサインしない人たちがいた。
彼らは「皆さんの暮らしを向上させ、繁栄をもたらします」という
説明に「わかっているが興味がない」とバッサリ。
「我々は神に従い素朴に生きる」と理由を答えた後、
超高速など求めないし、金は争いを生む。
速さがよいこととは思わない。
新しい技術により人は疎遠になり孤立する。
だから我々の土地の下に超高速ケーブルなど望まない」と主張する。
速さがビジネスの基本の昨今、この言葉は胸に響いた。
ビジネスに並行して、生活のリズムも速くなり、人生が息苦しい。
「ゆったり」「のんびり」などの単語を耳にすることが減ったから、
私も思う。「速さがよいこととは思わない」と。
ラストシーン、雨が空から降るシーンのスローモーション映像、
そこだけ「ゆっくり」時間が流れた。なるほどなぁ。
時間の残酷さ
0.001秒なんて、私の想像もつかない神の領域です。しかも実話。
人間はテクノロジーで様々な事を解決してきましたが、死と時間をコントロールすることはまだまだできそうにありませんね。不老不死やタイムマシンは、物語の中だけ。今こうしている間も人は死に近づいています。そんな時間の残酷さと人間の無力をラストで観た気がします。
思ったほどではない
どうにも期待が大きかったのか
思ったほど起伏がなくて冗長でした
あっという間に抜かされてしまい後は残務処理
素材は良いけど…って感じでしょうか
アクターはみんな素晴らしかったです
何が大切なのかを知る為に
現在の金融市場はAIによる高速取引が一般化していて、1秒間に何万回もの売り買いで、利益を上げる取引が行われている。その為に光ファイバーをただただ真っ直ぐにひこうとした男たちの物語。
最初は金持ちになりたいという気持ちと、ただただ真っ直ぐに不可能に近い作業の果てに何があるのかを追い求めていた二人だが、様々な試練で何度も折れそうになり、壊れていく。
しかし最後には本当に大切なものを見つけ出す、今の情報社会に対するアンチテーゼが込められている。
映画を見終わったあとの余韻が心地よい。
かわいそうだが
アメリカって凄いな。こんなメチャクチャなプロジェクトにも投資するひとがいる。そして実行する。そのスピリットは見習いたい。
ただあんな大掛かりなプロジェクトでも、この日進月歩のIT業界なら、あっさり新技術にとって変わられるのは当たり前。かわいそうだが仕方がない。
悲愴で終わり、なんだかもどかしいが要点は得ている。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」を見てハミングバードプロジェクトを見ました。
作品は色々な要素(特に差別や現代テクノロジーに関する批評的思考)が強く映画を見ながら全てを理解するのは難しいと思います。なので3星。
>テクノロジーに関して
冒頭にヴェガが面談試験の際に
「ノルウェーからスペインまで海底ケーブルを引くとして最少何点で位置補正をしなければならないか?(地球の曲線も考慮するか試験してる)」という試験を受けたり、アントンが「15%の製品誤差を優位な製品のみ抽出した場合光ファイバーの再生機を減らすことが出来る」、「電波伝送で中継器にダイレクトに正弦波で伝送出来る可能性の論文を発表した直後来月までに完成させればボーナスを支給する」などテック系企業ですら頭が真っ白になる話が出てきて面白いです。理解するのに一日かかりました。面白いかは別ですが見ものではあります。
多分まだ理解しきれていないので間違ってたらごめんなさい。
>法律に関して
大手企業が主人公たちに嫌がらせをしてくる場面がいくつも出てきますが、最も興味を引くのが企業側が弁護士を使ってFBIにアントンを国家反逆罪で逮捕させ拘留させたところです。これに関してはアントンの方が上手で法律で嫌がらせする大手を翻弄する場面があり冒頭の部分から楽しめます。法律を無視する連中だと分かっていたのでバックアッププランをアントンは用意していました。アントンは拘置所から大企業を攻撃します。このシーンは法律を利用して、法律を無視する相手にアントンは理解・対応してました。
ちょっと逸れますが原作(フラッシュボーイズ:マイケル・ルイス作)にあった現実の話が数回出てきます。本当に国家反逆罪で逮捕されて8年間監獄に入れられたテクニカルエンジニアがいます。
>差別・宗教的な考えについて
現代アメリカの差別と偏見と実際ステレオタイプな人物と双極の人物が出てくるので混乱します。正直苦々しい気持ちになりますがアメリカという国が否応無しに分かるシーンが幾つも出てきます。この映画はその部分が強すぎたので星3つにした理由がこれです。まあ、初っ端に星条旗を掲げた家主の白人のおじいちゃんが「私はアメリカ人だ、君は何系かね?」とヒスパニック系のヴェガに問い詰めるというシーンがあり現実的すぎます。ちょっと、この系統のシーンがちょっと多すぎる気がしますね。
そんなにひかれるところはないのに、不思議と見入ってしまった。たぶん...
そんなにひかれるところはないのに、不思議と見入ってしまった。たぶん、主人公の焦燥感がだろう。そこがすべて。アーミッシュの登場は、リアルではどうだったのかわからないけど、落としどころとしての評価は微妙。アーミッシュ、アメリカ映画ではたまに顔を見せるり日本人ほか、アメリカ人も含めて、どういう捉え方なのだろう、素直な疑問。
志には共感できなかったが、後からじわる。
KGBに知り合いがいるというカフェの女の言葉が良かった。
世界一の超高速取引のおかげで他者(市場参加者)を出し抜き、(例えば)ジンバブエのオレンジ農園?の株を売り抜けるような薄利多売を繰り返し、左団扇の億万長者暮らしが出来たとしても、
「ジンバブエの農夫は幸せになれない。(それって何なの?はっ?みたいな)」。
株取引の本質から言って、労働者の幸せを一緒くたに語るのはそもそも位相が違うのであるが、それにしても主人公たちの志のベクトルに対する違和感は見る人みんな最初から抱くはず。
ところが途中からはまさかの展開です。やっぱり、この志を苦難を乗り越えてやり遂げてハッピー!みたいなエンドはなかった。良かった。当たり前か。
アントンの聡明な娘さんの将来の職業選択に期待します。
主人公、「ソーシャルネットワーク」でザッカーバーグ演じた人ですよね。いいなあ、彼のマシンガントーク。これだけでも見る価値あり?
今この瞬間も、「今だけ金だけ自分だけ」のために何かを「掘ってる」人、いるんだろうなあ。それがアメリカ!あるいは中国??
0.1msってどのくらい??
最後の人生が0.1msだったらとか。
宇宙の一生に比べたら、人の寿命なんて0.1msだとかの言葉はなくて。(笑)
なぜかチェーンソーを振り回していたり。
なんかビジネスにはまってしまっている、ひとのあがき映画なのかどうなのか。
いい感じではマッテいて。
穴掘りしていて。
この設定だけだと無理だろって。いうような。
でも、そこからの相似則なのか。どうなのか。
LANケーブルも無駄があると、遅くなるのよだとか。
でも無駄や余りがないと、タイトすぎるだとか。
どうなのか。
マザーボードの違いだとか。
コネクタの違いだとか。
そんなことは出てこない。出てこなかったようなどうなのか。
銅の密度だとか。
そんなことも出てこない。
なんかばかばかしさが中途半端でどうしようもない。
うーーーんとこれは。うーーーーん。あり??!!!
なぜか捕まってみたり。
セクシーとか出てきてて。あーーーーーとか。
まあ、ギャグというか、アンニョイギャグ!!!
いやーーー。よくわからない。なんか、穴掘り映画。(笑)
すこし、逆転的な発想に期待して。
拝見。
結果、期待外れ。(笑)
でも、なんかわかる。
pingとか。
なんか伝送速度とかそんなに関係なくないかだとか。
もう十分でしょだとか。
デフォルメ感がいい。だとか。
この馬鹿馬鹿しい設定が苦笑でいいとか
いろいろな声が聞こえてくるような。
聴こえてきそうなのか。
聴こえてはこないのか。
なんかよくわからないけれど。
俳優が頑張っている。
現代のブラック企業戦士なのか。
よくわからない、思い込みとお金とビジネスに奮闘する。
ばかばかしい設定と皮肉感が満載に感じた人もいるのかどうなのか。
穴をほって。直線で最短距離というつっこみどころ満載の設定で。
トレード業界の傘となりえるのかどうなのか。
日よけとなりうるのかどうなのか。
軒先となりえるのかどうなのか。
まあわかりません。(笑)
もっとバカバカしく、ヘリコプターを墜落させてみたり。
油田にぶち当たってしまったり。
水脈にぶちあたって噴き出てしまったり。
なんかアクションで遊んで欲しかった。(笑)
まあ、そんな声はなかったような。
まあ、とりあえず。おすすめは難しいです。(笑)
羽ばたき
高頻度株取引の通信速度を上げるべくニューヨークとカンザスを直線で結ぶケーブルを設置すると共に通信コードの開発に当たった従兄弟の話。
実際の出来事は知らないし、通信の方法や速度の変遷等の知識も皆無で鑑賞。
金も時間も相当掛かるだろうに見切り発進するプロジェクトとか。恐さや無謀さも感じるけれど、出遅れたら先を越される一攫千金スピード勝負というヤツね。
トラブルとか妨害とか、全然事業の凄さが理解出来なくてもわかりやすくみせているし、キャラクターも良いしなかなか面白い。
ありがちだけど…何て思っていたら終盤の変動が結構意外で持って行かれた感じ。
ゴリアテを倒せ。
多額の損失を残しただけのプロジェクトと言えばコンコルド。採算割れが分かっていたのに止められなかったけれど、あれはゴリアテ。米電気自動車大手のテスラの2018年3月末の累積赤字は54億ドル。おそらく、まだ膨らむが、彼らもゴリアテだと思う。
ヴィンセントは自ら計画し、出資者を見つけ、従兄弟のアントンを巻き込んで、カンザスからNYまで、一直線のケーブルを通す為のトンネルを掘るプロジェクトを立ち上げる。ゴリアテに戦いを挑むダビデだと、自らを鼓舞しながら。
花崗岩の壁に行く手を阻まれ手間取ったり、土地買収に応じないナチュラリスト団体と揉めたり、目標速度を出せるコードが出来なかったり、元会社の妨害と嫌がらせでアントンが逮捕されたり。結局、2年の月日を掛けているうちに、元会社が電磁通信によりヴィンセント達を越える速度を実現し、ハミングバードはコンコルドと同じ運命を辿る事になりますが、ヴィンセントはダビデ。全てを失う事になりますが、プロジェクトの仲間は残る。完成したケーブルで目標を越える速度を実現しますが、金を産み出せない虚しさ。
人生がハミングバードの羽根の一羽ばたき、16msecだったとしたら。それでも、その世界で見るものを見て、感じる事を感じ、生きて死ぬだろう。
時間に掛けたヴィンセントの野望は叶わなかった。そこに人生を掛ける価値はあったのかの問いへの答を求めた二人に、少なくとも、後悔は無かった。
ジェシー・アイゼンバーグ、快演でした。良かった。物凄く良かった!もうね、ゾンビランドへの期待、膨らみまくりですからw
案外楽しめた
お金に目が眩んだ人達の話かと思ったが(実際そうかもしれないが)、案外ハラハラしたり、笑ったりして楽しめた。
これが実話に基づいているというのだから、すごい。
病気にならなかったら…また展開が違ったのだろうか?
アントンがいい味出していたなぁ。中継器を減らすことを思いついたシーンがツボだった。
1sec ÷ 60 wings ≒ The Hummingbird Project?
映画を見る前に思ったことは、人よりも頭のいい人間が、小ずるい事を考えた計画を実行する映画と思っていた。しかし、この計画をよく考えたら、カンザス州からニューヨーク証券取引所までは、優に1600キロの距離を山越え・谷越え・川を超え、光ファイバーを通すパイプ敷設工事をするっていう事は、日本で言えば下関から青森まで、すなわち本州縦断?え~ッ! そして個人的に”小ずるい”という考えを改めなければならない彼らの輝いた台詞が.....。 すみませんでした。そしたら書くなってか?
You know, I have to say you guys might be crazy,
but I am very excited. It's a really interesting project.
-Yeah, just think of it
-as David walking onto the floor the stock exchange,
-taking out the biggest slingshot ever,
-and bringing Goliath down to his fucking knees.
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We're David?
光ファイバーを通すパイプ敷設工事。そんな距離的や地形における自然に対する物理的や時間的難しさだけでなく、むしろこちらのほうが大変と思われる、物欲や金銭欲や支配欲の塊の人間の壁や表現しがたい神の壁、また長いものには巻かれろ式な労働者の壁、人を陥れ、しかも人を脅すことで快感を持つのではないかと思える悪魔的人間の壁、その何重にもそびえ立つ壁にビンセントとアントンは、事業を始めてからその存在の大変さを悟ることとなる。そして自分自身の弱さの壁も.......!
このような事で挑戦者の最後の結末は、見る前から半分は予想できるが、その難しいイベントをどのように主人公たちが乗り越え、克服するのかを見ることのほうが、計画の成功不成功よりも映画の質を問われるていると個人的には思っている。
X-MANに登場するストームのような髪型で、悪魔的しつこさのある前職の超高頻度業者のボス、エバァの台詞
Someone can make your life hell if they decide to,
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I cared for you, and you betrayed me.
Now you have to pay,
and I'm gonna make it painful.
人間には、必ず”不公平”が存在する。ロシアからの移民のビンセントの両親。株式を知る者知らない者。高速で大容量の処理機を有する者有さない者。それをビンセントの言葉が象徴をしているかもしれない。
My parents moved here in the '60s,
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He always told me the same thing.
He said: "Whatever you do, make sure you own your freedom."
-Own your freedom?
-Doesn't that kind of defeat the purpose of freedom?
最初、計画を進めるために意気揚々としていたビンセント。その彼が過酷とも言えるシナリオが進んでいくうちに彼の早口で話す姿が、ただの神経質な者が話し、空回りしかしていないものになり、彼自身が並走するように段々とやつれていく。その反面、最初、システムの構築に関しては天才であるけれども飛行機のシーンでは何かにこだわりの強い、神経質な人間のステレオタイプに見え、少し精神的に問題がありそうな従兄弟のアントン。しかし、金なんか最初から問題としてはいない彼は、この計画の達成感と、ただ単にビンセントの為に参加した人柄がとてもいい感じの人。そんなこんなで、この映画、端からフィクションと考えれば、とても見やすくなる代表的映画。
ウエイトレスが映画を見ている側の、株式なんか知らない、どうでもよいと考えている自分を含め、それを象徴するような典型的な蒙昧で無知な人間の代表として登場する。しかし?
In about 17milliseconds. Soon it'll be 16.
-But what's 16 milliseconds?
It's one single flap of a hummingbird's wing.
-OK, but then what happens?
Well, that's it. That's the whole thing.
ドイツ語を話していたのでアーミッシュと思われる人の台詞。
We live simple lives, Mr. Zaleski,
"at the service of God."
High speed is not our priority, and money can be a source of conflict.
.............................
We don't believe that making things faster
making things better.
現代の神は、法律には勝てないのか?
英国の英語の保守系高級紙タイムズの日曜版であるTimes (UK)の電子版(有料)
The Hummingbird Project review — they’re buying a superhighway
to heaven より
「 カナダの映画製作者で、この映画の脚本と監督を務めたキム・グエン(ベトナム出身)が手掛けた作品の中で代表的な映画であり、一貫してより多くのものを探っていた過程で、この映画が、すべての中で適切な分野に響くものに当たっている。」
シカゴのニューススタンドで発行部数の多い新聞紙、Chicago Sun-Timesの
電子版(今回は無料)
Financial thriller ‘The Hummingbird Project’ delivers hokum
at high frequency より
「アイゼンバーグが作家兼監督のキム・グエンが描く、洗練された野心的で一貫性のない不均一な金融テクノロジーのスリラー”ザハミングバードプロジェクト”での、アイゼンバーグが、やりすぎない範囲に戻ると、力強い仕事をすることは驚くことではないが、それだけでは十分に役者としての勝ちを収めるものではない。」
この映画の製作者が意図しているのか? それとも、映画.comのいつもの映画配給会社の受け売りをそのまま載せているせいか? この映画のことを実話をもとにしたと言わしめるものは何か? 訳が分からなくなる。個人的に言わせてもらうなら、正当で公平な証券取引業者に対して、毛沢東が生んだ言葉とされる”反面教師”の誇張版であり、個人的には、フェイク映画の何物でもない。言い過ぎですか........?
古代ギリシャの哲学者ディオゲネス。自分でも誤認があり、樽の中で一生?住み”樽のディオゲネス”または、”犬のディオゲネス”と呼ばれた古代ギリシャの哲学者で文明を全否定した哲学者として捉えていたがそうでもない。彼のことを考えると、この映画は、携帯をできるなら24時間肌身離さず、ハイテク=絶対神と無意識に考える人たちへのメタファーとして人の価値観の違いでどちらが正しくて、どちらが間違っていると決めつけることができないというテーマがあるのではないかと個人的には思っている。最後のビンセントの姿で.......。
余談として、アントン役のアレクサンダー・スカルスガルドには、先日観た映画「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019)」で体の一部を変形できる特技を持っている14才年下のビル・スカルスガルドがいる。
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