「抹殺・虐殺という言葉が似合う映画。」15ミニッツ・ウォー Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
抹殺・虐殺という言葉が似合う映画。
WELCOME TO 1976 IN DJIBOUTI....FRANCE'S LAST REMAINING COLONY.というテロップが、オープニングクレジットに流れた後、ロシアに支配された中に孤立したようにフランスの国旗がジブチに置かれている。
朝、小学校の女教師ジェーンが黒板に今日の日付を書く。それは、1976年2月3日。日付を書き終わるや否や、別の場所では、小学生21人?を乗せたスクールバスが4人のジブチ人分離主義者によって、ハイジァックされてしまう。すぐさまジブチ警察の2台のジープがバスを追いかけてくるが、バスのリアガラスごとジープにめがけて、高性能自動小銃AK-47(通称:カラシニコフ銃)がうなりを上げる。その後、バスは、日本の警察も使っているスパイクでパンクさせられ、停車させられてしまう。その場所は、”Nomansland”(軍事対立の中間の、いずれの勢力によっても統治されていない領域又は、緩衝地帯)。
暗転して、次の恐ろしい言葉が..."inspired by true events" この言葉を見て、残りの1時間半をどのように過ごそうかと悩むこととなる。個人的には、禁句。デタラメ映画の象徴。
シナリオは、フランスとしては、テロリストの要求は一切飲まない。人質の中に3人のアメリカ人がいるので、今回アメリカ人対過激派要員として1名同行することが必須条件となる。パリからジブチに向かう空港でしらけさせられる言葉。
Look, the problem is, my plane is full. 機長...は拒否?拒否って?
-What do you mean? GIGNの隊長ジェルヴァル大尉は、激怒か?
Full with passengers. There are no extra space.
"Prick! if you don't want your legs broken,.........understood?"
この話は、作られすぎ!どっかの古いアメリカ映画の台詞。こんな搭乗便の変更なんて、乗客を全て降ろしてでもメンバーを乗せなければ、21人の小さな命を守るという大前提があるのに政府が根回しをしていない意味の分からない映画となってしまう。このヘンテコで大げさな場面のおかげで、失望することとなる予見が確実となった。
その空港内でメンバーの1人ジャンに同じメンバーのロルカが婚約指輪を見せながら、嘘でもいいから誉めてもらいたいのに、聞いた言葉が、 " Friend is not my job." GIGNのメンバーが仲間に言う言葉、何これ? と思っているとジャンのスナイパーとしてのポリシーが感じられる場面となっている。
この映画.comが映画配給会社からの受け売りだけを載せるサイトとわかる部分。映画の解説部分で”正式に組織化される前夜に行われた伝説的” この言葉は次の言葉より誤認を呼んでいる。
Simultaneous shot.
-What?
Five synchronized guns, a single shot.
Everyone goes down, no return fire.
他のサイトの説明では、すでに2年前より組織されていて、そうでないと5人のスナイパーが、息を合わせて、敵5人に動きを一瞬たりとも許さない致命傷、つまり一撃で頭部にスナイパーライフルFR F1に込められたフラットノーズ弾をぶち込まなければ、囚われた子供たちが犯人の反撃による流れ弾に当たってしまう可能性があるためだと思うのだが......
彼らGIGNはすごい。嫌みです。そんな事なら書くなってか? 分離主義者を援護する形で大勢のソマリアの兵士が、戦闘を仕掛けてくる。それがあたかも、シューティング・ゲーム?夜店の鉄砲ゲーム? ソマリア兵の頭部にフラットノーズ弾が面白いように100発100中って、なんですかこれは、頭がウニになりました。
’80年代を思い出させるような音楽に加え、画面を2分割・3分割・4分割と昔の探偵ものテレビシリーズのような描き方をした、何かをはき違えている。
Gentlemen, honestly, that was a success.
-A success? Are you kidding? You call this a success?
-Is that what you'll tell her parents?...................................
-Have you seen enemies?
-Do you think we're butchers?
-Where were you, General?
We were waiting for orders.
Imagine what would've happened if we started firing.
It wouldn't be one girl we'd be putting in a coffin.
It'd be the whole class.
結果として、犠牲者が出てそれに苦しむジェルヴァル大尉なのだけれども...
エンドロール前にこの様なテロップが映し出される。
THE HOSTAGES AND THEIR FAMILIES
WERE NEVER OFFICIALLY recognized
AS "VICTIMS OF TERRORISM" AND TO THIS DAY,
しかし、AFVTというフランスのテロ犠牲者協会 という組織の見解では、2015~2016年にかけて、このテロ行為の当時の生徒さんたちが本を出版しています。
とにかく、脚色すればいいものではないことを思い知らされた1作であることは、間違いがないのは事実となった。
参考にできる意見として.......
Variety
エンターテインメントビジネスニュース取り上げる週刊誌とウェブサイト。
Film Review: ’15 Minutes of War’ 2019.8.2 1:50AM PT(太平洋標準時)
「この映画における論争を無視することは、切り離すことのできない真実があり、軍事手順と鋭い戦術だけに焦点を合わせることは、不快な歴史的背景を大画面の興奮と引き換えにすることである。」
Hollywood Reporter
映画、テレビなどのエンターテインメント業界の情報を扱う週刊誌、隔月の特集誌、季刊のグラビア誌、ウェブサイト、PDFの新聞、iPadアプリケーション、およびイベントなど。
'15 Minutes of War': ('L'Intervention') 2019.5.20 11:33 AM PDT
「まるで21世紀の映画製作の魔法が、ひどく保守的で絶望的で視野の狭い1980年代の台本にそのままになってしまっている。」
最後に
The ring is ugly.
But you'll make a good husband.
Gメン’75を思い出す横並び。
女性教師の存在はないばかりか、実際には、21人ではなく、31人の生徒さんが拉致されたのですが、全員が軍関係者の子息で、その内2人の生徒さんが、亡くなっています。この映画は、GIGNの活躍を描いた、はっきり言ってプロパガンダ映画と言えるものです。