「薄命の天才の物語に惹きつけられるアホ→俺」マックイーン モードの反逆児 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
薄命の天才の物語に惹きつけられるアホ→俺
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マクイーンと言えば、ケイト・モスの3Dホログラムだと思い込んでいる、勘違い野郎な俺。服より斬新なショーの印象な訳で。そもそもファションの事なんか、サッパリ分からない。
ドキュメンタリーは極めて丹念に、古典的とも言えるスタイルで、インタビューを時系列に沿って並べて行きます。
街の洋服屋から始まったキャリアは、出会いと向こう見ずな性格で才能を開花させるまで。ブランドに認められ、自らもブランドを立ち上げビジネスに囲い込まれて行く様。苦悩と喪失感から自らの命を絶つまで。
ショーの素晴らしい映像、即ちリーの作品の変遷を交えながら、近しかった人々のインタビューで紹介される物語には、かなり引き込まれてしまった。何よりも、テーマを定めて創り込んだショーが予想を遥かに超えてて素晴らしいから。
成功を求めていた訳じゃないんだと思う。欲するがままに創り、演出し、見せる。成功は、降りるに降りられない場所に自らの身を置く事と同意。創作の重圧以上に自分を苦しめる何かから逃れる様に、年14回のショーをこなすリーは、身も心もズタズタ。
イザベラ・ブロウと母親を立て続けに喪い、後を追う様に自殺。
生き急ぎ、死に急いだ天才のドキュメンタリー。って言うと安っぽく聞こえてしまうけど。年12回、14回のショーとか、俺なんかの10年分を1年で生きてる気はする。彼もゲイでHIVと言う所が悲し過ぎて辛いが、生き急ぐ天才はゲイに走る法則、なんてのがあるのか?てなアホな事を思いつつ。ショーは素晴らしかった。破裂するガラスケースも3Dホログラムも大好きですわ。
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