劇場公開日 2019年7月12日

  • 予告編を見る

「冴えない中年男たちのシンクロ奮闘記」シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0冴えない中年男たちのシンクロ奮闘記

2019年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

冴えない中年男性たちが、シンクロナイズド・スイミングをやるというアイデアだけでわりと勝利しているというか、興味は惹かれる。男のシンクロというと、日本の『ウォーターボーイズ』を思い出すが、あっちは青春映画だが、こちらは人生の落伍者たちの再起の物語にしている。中年男性には見栄もプライドもあるが、そんな彼らが「女っぽい」競技に挑んで、人生の輝きを取り戻す。「男らしさ」の呪縛から解き放たれ、男たちは自由になり、人生の素晴らしさを取り戻すのだ。
マチュー・アマルリックが冴えない中年男を演じるというのは、聞いた時は違和感があったが、実際に見てみたらさすがに上手い役者なので、見事に冴えない男を演じきっていた。メンバー全員のエピソードが描かれないのは残念だが(仏語をしゃべれない肌の黒い移民の男性はなぜシンクロをやろうと思ったの?)、生きづらさを抱える人の背中を押すような作品だ。

杉本穂高