ある少年の告白のレビュー・感想・評価
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同性愛も人格か
実話を元にしたストーリー。
アメリカ人の考えそうな矯正施設の話です。
アメリカ人にかぎらないでしょうが、他人からどう見えるか を気にするあまり、LGBT問題を 矯正できると考え、人格破壊のようなことを平気でするところが、古今東西問わず今でもある、それだけの話です。こう言い切ってしまうと身も蓋もない感じですが、テーマはやはり重いので、それに自分はどう向き合っていくか、頑なに否定するのか、両手を挙げて肯定するのか、仕方がないと渋々受け入れるのか、問われます。
自分はクリスチャンなのですが、聖書を読むとその時代から同性愛ははっきりとあり、そしてそれは恥ずべきこととされている、しかし、他の多く罪と同様に、人間の罪の性質の一つであるとも思える。肯定するのではないが、どう向き合うかは答えは一つではないような気がする。
「人」が「人」として心地よく生きていくために
冒頭からしばらくは観ていて苦しいやら辛いやらだったけれど、だんだん腹が立ってきて、
「ばっかやろーーー!!!
ただでさえ、これからどう生きていこう?何していこう?ってそれだけでも頭が一杯になる年代の年若い子どもたちに、それ以上の苦しみを与えるんじゃない!!!
な~にが選択の結果だ!社会性の動物である人間がわざわざ自分が苦しむような選択するかよ!?ばっかやろーーー!!!」
と、怒り心頭になりましたよね。
「人」が「人」として心地よく生きていきたいだけじゃないか。人が自分じゃない人に心惹かれる、ただそういう素敵な気持ちを、どうして否定されて、偽って生きていかねばならないのか?
この映画は、実話に忠実に描かれているそうで、それ故にサプライズもスーパーマンも出てこない。それがとてもリアルで、この話が今も続くリアルなんだと感じさせてくれた。
自分を偽るよりも受け入れるほうが幾分もマシ。主人公の父親は今までの自分の信念を覆すとても大きい決断をして、その決断を自分の中に染み込ませるには相当の時間がかかるんだろうけれど、それよりも息子への愛を選んだ、子への愛情を高く寿ぎたいなと思った。
今や”LGBTQ”を取り上げてる作品はそんなに居るのか⁈と訴えたくなる程…
[コレは日本人だけの目線になるだろうが] 一寸,個人的な話から入っちゃうが、お気に入りの作品に“レ・ミゼラブル”という作品の中で素晴らしい歌唱力の持ち主でもある(意味があるのかは知らないが,かなり肥えちゃったが)ラッセル・クロウは難しい親父の役を演じ切り、またえぇ叔母ちゃんになっちゃってた二コール・キッドマンは、複雑な心境の母親をやってくれた。
がしかし、すみません,いかんせん私には映画作品自体は好きだが、正直”LGBTQ”の心?気持ち?想いは解らないし、知ろうとも想わないし、知りたいとも想えないのが,正直な感想…
神はそれぞれの中にいる
前半は正直、淡々と進みすぎて、結構しんどい
途中から、話が展開を見せ始めると、そこからは目が離せなくなった
付き合っている彼女に対して、性的な気持ちが起きないジャレッド
大学に入り、あることをきっかけに、自分が同性愛者であることを自覚する
父は牧師であり、もちろん敬虔なクリスチャン
ジャレッドの告白に治療という対策をとる
LGBTQは罪であり病気であり、更生し治すものである
その見方で愛する家族や自分の同性愛をとらえてしまうと、それはつらく、苦しい道のりしかないように思える
なぜなら、それは罪でも病気でもなく、更正出来るものでも治せるものでもないのだから
始めは治せるものと信じ、施設に入るジャレッド
それはどこかに、親の期待に応える自分でありたいという気持ちが見える
だから、入所直前に主治医から言われた、あなたは間違っていない、間違っているのはご両親の方だという言葉も耳には入らなかった
日々の課程や課題にも取り組む
けれど、どこからか感じ始める違和感
その違和感の正体は少しずつ姿を見せ始める
違和感の正体がほぼ見え、確信になった時、それを見逃さずに立ち上がるった
そして、彼の言葉を強く信じた母、勇気を出して手をさしのべた人、ジャレッドは壊れる前に逃げ出すことに成功した
その時の母の強さ
戸惑い、ショックを受け、父や地域の長老的な人たちの言葉に従い、息子を施設に入れる
感じた違和感と直感と息子を信じ、立ち上がることを決意した母
その母の強さ
この母なくしては、彼は施設から逃げられず、ダメになってしまったかもしれない
息子の同性愛を受け入れられるかどうか、ではなく、あるがままを受け入れると決めた母の強さ
言葉で言うほど簡単なことではないはず
それにしても施設の怖さ
これが、犯罪や病気だった過去の話ではなく、まだまだ実際に行われているという事実にも驚く
そして、最後の字幕に出てくる実際のサイクスのその後にもびっくりするけれど
宗教の闇とアメリカの闇
かなり失礼な言い方かもしれないが、宗教の闇を見た気がした。
そしてそんなちょっと理解し難い差別感がアメリカの闇でもあるのではないか、と…
ゲイが治せるとか、子どもよりも神を優先するとか。
なのにフォードに乗り、トヨタにも乗り、スマホを使って、教会にも行く。
最先端と数百年前の魔女狩り的感覚が同居する生活の危うさ。
都合の悪い(?)ことは神の所為にして、問題に向き合わない。
家庭の闇もそこにはあった。
そしてこんな事がまだ現代にまかり通る恐ろしさ。
色々な闇を観た作品でした。
だけど、母の愛は果てしなく深くて強い。
それだけでも少し救われた気がした。
Σ(-᷅_-᷄๑)キリスト教の不寛容さを感じる
宗教と人の多様性を考えさせられました。
キリスト教っていうのはなんて不寛容なんだろうと改めて感じました。救ってくれるのが神なのにLGBTQが悪魔の行いかのように責め立てるとは神の子もたまったもんじゃないよなぁと思います。
人間が口にしたり想像したりするもんは大概存在するもんで、ましてやLGBTQであるという人がごまんといるのにその存在を認めないのは傲慢にもほどがあると思います。アメリカにはそうゆう人がごまんといるのには寒気がしますし、未だにダーウィンを否定する人がごまんといる国アメリカ、キリスト教原理主義の国であることを知っている人は少ないんだろうと思います。
神がLGBTQを許さない?神っているの?
神の言葉を聞いたものキリストさん。キリストさんの言葉をお勉強した人達がこの宗教を広めているんだけど、、、、大元のキリストさんが嘘ついていたり、神の言葉を聞いたと勘違いしていたり、ある種の精神的な病気だったり、間違っていたら、どうすんでしょうか?
キリストさんの言葉をお勉強した人達の中に大きな間違いを犯した人がいたらどうすんでしょうか?
世界の戦争を含めた大きな争いはこの誤った教えの解釈でありましょう。LGBTQもしかり。誰かの誤った解釈が原因なのですよ。
存在するものは認めるべきでしょう。そこに神は関係ないと思います。
日本の政治家でLGBTQを生産性がないと切りつけた者がいましたが、オツムが悪いなーと思いました。だいたい子孫を残すことを生産とのたまっている自体下劣すぎます。大脳が一番大きく生物の中で唯一創造力を持つ人がそんな単純なオスとメスの構造のはずがないんですよ。集団を存続させるのにもっと複雑な仕組みの中に我々はいるのだと考えます。人が存続する上でLGBTQの人たちも組み込まれているんだと思います。
人はそんなに単純じゃないんだ。
映画の話に戻るとLGBTQの人たちを矯正するなんざあ、人の自殺行為に等しいんですよ。
お母さんはほんと偉いよ。
古典文学を読んでいるような気分
実話だというけれど、今の感覚とはかけ離れていて学生時代に古典文学を読んだときに感じた違和感を思い出しました。
でも昔より改善されたとはいえ、まだまだ差別はありますよね。
父親の言動は納得行かないけど、父親なりの愛情なんだよね、とは最後に思えました。
それにしても父親役のラッセル・クロウのお腹にビックリしました。
いつの間にあんなに太ったんだろ。
人間にはやはり想像力が大事
私の宗教観が教義をもたないなんとなく八百万の神に漠然とした恐れを抱くだけの典型的日本人だからだろうけど、生身の息子より(実際に誰が言ったかも定かじゃない)教義ってそんなに大事?という気持ちで矯正施設のシーンは本当にいたましかった。
息子は施設で苦しんだ しかし親も苦しんだと思います 相手を受け入れ...
息子は施設で苦しんだ
しかし親も苦しんだと思います
相手を受け入れるには時間がかかることってあるもんな〜
最後のクリスマスに父親も招待するところなどは、息子の誠意があって、すごく好感が持てます
気持ち悪い現実
作品の面白さとか考えるより、オウムの修行場みたいな洗脳が、気持ち悪くて怖くて、それ以外の感情が湧きませんでした。
たしかに昔、第二次世界大戦直後くらいまで、欧米では同性愛を病気や犯罪扱いしていたが、これはまだ現代アメリカでの「現在進行形」とのこと。
要は、アメリカのキリスト教原理主義 福音派の、人権侵害告発映画。
福音派は、同性愛ダメ、LGBTQを認めない、中絶禁止からはじまり、愛国心強要、裕福な白人とアメリカファースト思想に染まった、アメリカのキリスト教徒の中で約25%と多数を占めるカルト色の強い教え。
カルト宗教の信者って、恐いですね。
あなたも導いてくださるわ
僕は、こういう音楽で始まる映画が好きで、冒頭5分ですでに中身に対する信頼が出来上がっている。それは単に思い込みかも知れないが、結果として、その思い込みは間違いでなかったと思えた。
価値観の強制と、虚栄に満ちた嘘っぱちの現実にうんざりの少年。彼が押し込められた矯正施設では、彼の中の良心や良識を次から次へとぶち壊しにかかってくる。まるで、一番初めから人格の構成を作り直すかのように。
それほど、同性愛嗜好を心に宿すことは悪なのか?
彼らをあれほど追い詰めることが善なのか?
「自分が間違っていた」「アーメンと言え」と迫る矯正施設の実態のなか、「フリをしろ」と乗り切り方を伝授してくるクラスメートの助言は、まさしく、痛みの共有者からの助け舟だ。最後の最後、どうしようもなく逃げ出した彼に対して、「こんな苦痛は間違いだと気づいたわ」と母が遅ればせながら言ってくれたことがせめてもの救いだった。
ルーカス・ヘッジスは、『マンチェスターバイザシー』の時と同じく、繊細なハートの持ち主の役を見事にこなしていた。
親は何もしなくていい、知っていてくれたらいい。
「これまで生きてきた中で、そういう人たちと出会ったことがない。」
こういうことをよく聞くのですが、それはあなたがこれまで、人とそういう付き合いしかしてこなかったからなんだよ。
人は鏡。
話したいと思える人には話しています。
自分にも関わることなので見に行きました。
18歳の頃を思い出します。
こんな自分はおかしい、変わらなければならない。
同性愛思考を、最初から自分自身で受け入れられた人って、ほとんどいないのではないでしょうか。
悩み、苦しみ、本当の自分に蓋をしてしまう生活がありました。
その辺の心情をとても丁寧に描いていました。
家族について望むことですが、私は1つだけ。
知っておいてくれたらいい。
それだけで充分。
もう一つ贅沢が叶うならば、受け入れてもらえたら御の字。
「支えてもらいたい」なんて、一切思いません。
こうやって生まれて生きていく こらからの難関には、私自身で立ち向かいます。
家族に何かしてもらいたいなんて思いません。
そういう描写もちゃんと表わされていました。
同じ立場として、しっかり共感できる映画でした。
前の席の年配の女性が、声を出して泣いていました。
勝手な想像なのですが、お子さんがそういう立場の方なのかなと思いました。
そうすると、自分自身のことではなくて、初めて家族の心境を想像することができました。
母の愛に涙
LGBT擁護の作品ではなく、矯正施設に送られる少年と牧師の父と母の家族のストーリーと思いました
父は父なりに息子を愛してるし、この現代でも認めることが難しい人も多いのでしょう
治ったフリをして自分を守らないといけないという現実、本当はありのままの自分で良いのに
「正しい事」と信じる行動が行きすぎるこわさがあり、観るのが辛いシーンもありました
最初の方の女医さんの「あなたは健康」と言い切った時の笑顔、母の息子への深く強い愛、これに救われました
dogとGOD
いや、綴りの間違いじゃなくてわざとでしょ!と言いたくなるようなネタを提供していただきありがとうございます。『アクアマン』では若返りメイクorCGかと思わせる女性を演じていたニコール・キッドマンですが、本作では年相応の母親役でした。もう皺の数とかを凝視してしまうくらいスクリーンにくぎ付けにされてしまいます。
LGBTの問題を扱った作品が多くなってきましたが、本作も同様、矯正施設に送りまれた大学生くらいの男女の苦悩を描いていました。ただ、実話を基にしてあるだけあって、それほど残酷な描写などはあまりない。、どちらかというと、いかにして施設を卒業するか、自分を偽ってまで生きるべきかどうかという、若者特有の悩みを表現していたと思います。
アメリカにはこんな更生プログラムまであるんだと驚きもあり、何でも商売にするんだと多様性に批判的に目を向けてしまいます。しかも12日間のプログラムで3000ドルとは詐欺まがいの暴利としか言いようがない(宿泊費別途)。
『バイス』の時にも感じましたが、一族からゲイを出すことは恥だと思ってるアメリカ人。まぁ、日本ではもっと酷い扱いで、政治家の方々からは「子供を産めないから生産性がない」とまで罵られるほど性的マイノリティは肩身の狭い思いをしている。この映画ではそうした問題を再確認できて、マイノリティをまさしく人格否定までしてしまう世の中への一石を投じた作品と言えるのでしょう。
主演のルーカス・ヘッジズの演技はもちろんのこと、シンガーソングライターでもあるトロイ・シヴァンも注目に値する。要youtube確認。
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