ある少年の告白のレビュー・感想・評価
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こちらの映画館でも暗闇に嗚咽が響きました
母は、その息子を信じて、周囲が、あるいは全世界がその子を否定しようとも直感で子を信じ肯定する。
子を否定するいかなる力があろうともその虚偽を見抜く。闘う。
母親が立ち上がる。
第三者である女医も光っている。この少年の個を尊重する対話がいい。
俺は罪なのか?
内面から湧き上がるもので自己実現を果たすことは、難しい世界だ。
一方、今と違う自分になるために「フリ」をして、形だけでもそう振舞うことで、やがて内面も変わっていく。この方法論は大なり小なり、良い面悪い面あれど、決して珍しいものではなく、むしろこれで世の中が成り立っていると言っても良いだろう。本作はその中に紛れている「矯正」の恐ろしさを描いている。何を矯正するか?あろうことか「人格」だ。
映画の作りとして、時系列の組み替えを行うことで物語の本質であろう矯正施設の部分がブレずに描かれていると思う。役者陣の演技の素晴らしさもストレートに物語を飲み込める要因だろう。終盤、自分らしさと、家族愛が前向きになり、油断したときにラストの「数字」とある事実には驚愕し、やはり突き落とされる。
個人的には「孫を見ることが出来ないことでお前を恨んだ」という父の言葉にドキッとした。あと、主人公はもちろんだがニコールキッドマンの覚醒は思わずあがってしまった笑
責任を取れよ。
キリスト教的宗教観がゲイ・レズ=悪だとする社会的抑圧、風潮を作り出したので、自殺者が出ればその責任は布教を広めた人達にある。つまり彼等は間接的には殺人者であるにも関わらず無責任にも聖人面して説教を垂れている。神の存在を科学的に証明できない者が布教をする資格はないししていたとすればそれは詐欺師だ。悔い改めよアーメン。
別の意味でのアメリカの闇
宗教の力ってすごいですね。
生活のすべてを宗教に委ねるところが、国民性の違いでしょうか。
そして、宗教的には許されない同性愛がテーマです。
アメリカに数多くある「矯正施設」というものの実態が描かれています。
盲信的に施設を信じる姿は、宗教への熱に通じるものがあります。
けれども、そんななかで子どもを救うのは母親です。父にノーを突きつけるのは母なんですね。
子どもは親の価値観を刷り込まれて成長する。それが正しいかどうか、確かめることもできないまま。
それでも、何が正しいのかを自分の物差しで育むことができていれば、親を超えていけるんでしょうね。
最後に実話だとわかり、さらに理解が深まりました。
最後のテロップが、意味深です。
やっぱり‥と思ってしまう、テロップでした。見逃さないで〜
某女性政治家の雑誌寄稿について
近年、ある女性政治家が、LGBTについて「生産性がない」と発し、問題視されたが、
私はそれより、「女子高には、女の子同士で交際(?)する子がいたが、一時的なもので大人になると、男性と交際、結婚した」旨の記述があり、
あたかも同性愛自体が、若気の至り、というか子供時代の気の迷い、といった認識なのかと愕然とした。
また、映画「イミテーションゲーム」でも、アラン・チューリングは、同性愛の「治療」として、「ホルモン投与」を受けていた。
あの炎上から1年もたたないうちにこの映画。
某女性政治家も、チューリングも、この映画も実話なんだよね。
本作と「イミテーション~」では「治療できる病気」として認識され、
某女性政治家は「若気の至り、気の迷い」と認識していた。
日本のTVでは同性愛が「おネエ系」でジャンル分けされているかもしれないが、映画では(主に洋画かな?)、「普通のヒト」と扱われている現代において、某女性政治家のような認識のヒトがいるコト自体が驚きであるが、そうであるからこそ、本作のような作品は必要なんだろうな、と思う。
diversityとfreedomを認めないアメリカ(USA)の一面
アメリカ(USA)が多様性と個人の自由を尊重する国だという幻想。中心人物を演じる3人の俳優の見事な演技で見応えのある作品になっている。ニコール・キッドマンの演技に初めて感心した。
同性愛者 矯正施設の驚くべき実態
これは観ていて苦しくなる作品だった
アメリカに実在する同性愛者の矯正施設について、驚くべき実態を描いた作品
まず、なぜ彼らは、同性愛者を矯正すべきと考えるのか
それは、神は男と女をこの世に作ったが、同性愛者は作っておらず
「同性愛者は悪魔によって異質な者にさせられた」と考えるからだ
主人公のジャレッドは牧師の家庭に育ち、彼がゲイだと知った牧師の父は、彼を矯正施設に送り込む
ジャレッドも、そんな自分に戸惑い、父に言われるままに施設に行くが、やがて本当の自分に気付いていく
そこから施設の実態が描かれるのだけど、もうあまりの酷さに驚かされるばかり
イジメでもあるし、拷問でもある、その施設の行き過ぎた指導に、子供たちも追い詰められていく
そして、そこで悲劇が起き、それを目の当たりにしたジャレッドはある行動を起こす
その中で、すごく驚かされたのは、ジャレッドの父も、施設の指導者たちも、ゲイを「依存症の一種」のように考えていることだった
普通に考えてみれば、そんなはずはないのに、どうしてそんな風に考えるのか
「人に恋をする」ということは、本来、とても素晴らしいことだ
それなのに、それを「依存症」のように考えることに悲しくなってしまった。
人を愛する気持ちは、親にも、牧師にも、神にも止める権利はない
「他人を許し、受け入れること」がキリスト教なら、人と違うことを受け入れる宗教であって欲しいと思った
主人公のジャレッドを演じるルーカス・ヘッジズがとても素晴らしいので、彼の演技にも注目して欲しい作品だった
実話…
これも実話なんですね。同性愛に悩む息子と家族の話ですね。面白いと言ったらいけないのかもしれませんが、なかなか引き込まれる作品でした。ある意味ドキュメンタリー映画みたいな感じだったかな。あの施設…一昔前の日本でもありそうな感じ。引きこもりの子供を入れる施設とかあったけど、そんなイメージで見てた。きちんとした知識のない人たちが、精神論だけ説いてる感じ。今は、良い時代になったな…なんて思ったりもした。LGBTQ に限らず、今は、いろいろ認められてる。人と違っていいんだよって世の中になった。まだまだ認められずに、イジメとかあるのも事実だけど、世の中は変わりつつあるのかな…なんて。それにしても、両親役が、ラッセル・クロウとニコール・キッドマンって、すごい。主役の青年は無名の子だけど、キャストに力が入ってるなぁ…なんて思ってたら、全然、無名の子じゃない。私、彼の作品、結構、見てる。毎回、彼を見るたび、マット・デイモンに似てると思うのよ。しかも、若手実力派って言われてるらしい。今後が楽しみな俳優さんですね。
簡単に言えばアメリカの性差別の映画❗
星🌟🌟🌟🌟性については先進国と思っていたアメリカでもLGBTを認めない、尚且つ矯正施設があることに凄く驚きました❗内容は正直中盤までまったりした展開でちょっと退屈だったのですが母親役のニコール・キッドマンが息子を施設から守ろうとするあたりから俄然面白くなって、ラスト父親役のラッセル・クロウとの本心をぶつけ合うシーンちょっと感動しました❗救いのある映画で良かったです❗主人公の性のギャップに悩むジャレッド役のルーカスヘッジズも役に合っていて彼も良かったです❗彼の次回作ジュリア・ロバーツとのベンイズバックも楽しみです❗
以外に知られてない事実。
最近はLGBT…Qまで入るんですね。
キャストが良い事と、単純にカムアウトの話しなのかな?くらの知識で観に来ましたが…
そこから一歩踏み込んだ、同性愛が許されぬ宗教家の子供達を洗脳施設に入れると言う実話がベース。
今の時代宗教って、人と人との壁を作るだけで本当に必要なの?とか、人間の尊厳について色々と考えさせられました。
『カッコウの巣の上で』や『時計仕掛けのオレンジ』と共通する洗脳暴力的な作品。
施設費用無駄金すぎる
アメリカの地方の街で、牧師の息子が同性愛者であることから矯正施設に入れられる話。
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この施設では同性愛は生まれた時からのものではなくて、その人の選択のせいってことになってる。だから罪を認めて改心させようとする。
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この施設でやってること変な宗教の洗脳と同じだし、こんな施設にお金払ってる親って。そのお金あるなら息子ともっと話してあげて。
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何より驚くのは、今現在もこういう施設が現実にあること。こういうのって一昔前の話かと思ってたけどまだあるんだな。
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同性愛者より若い子大好きセクハラじじいとかすぐ浮気するヤツとかを矯正施設入れろよって思うけどな!!!.
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ラッセル・クロウが実際のお父さんと激似すぎた。
この現実を見よ
「同性愛の矯正施設が今も存在する」事にまず驚きを禁じ得ない。性的指向が病の類ではない、「治療」するものではないことは現代の常識だと思っていた。しかし、この映画で描かれる現実は、目を疑いたくなるものだ。矯正施設では行われることは何から何まで的外れ、というか害だ。受ける側はひたすらに傷つくだけ。恐れによる人格の変容。もしくは逃げ出す為に割り切って演じる者。演じる事もできず鞭打たれる者...あり得ない、と思うが、その現実がそこにはある。
ルーカス・ヘッジズは非常に生真面目な青年を生真面目に演じている。それ故に施設の異様さが際立つ。
そして両親。どうやっても変えることのできない息子の指向にどう向き合うか。父親にも父親の信仰があり、信念がある。その葛藤を含んだラストは心にくるものがあった。父親に従属的な母から、息子の様子を見て意思を固めるニコール・キッドマンは相変わらず強い。そして強そうだけど、揺れる父親ラッセル・クロウの存在感よ...
そして最後の字幕で驚いた。負の連鎖とそこからの脱却ということを思った。
ニコールとラッセル
ラッセル・クロウはすぐ分かったが、ニコール・キッドマンはエンドロールで「ああ、何か見たことあったが」という感じだった。内容は「アメリカでも10年前はこんなのだったの」という感じ。プロテスタントは今でもこうなのかな。
今年の一押し
主人公の父親がアメリカの典型的なプロテスタント教条主義。
子供のことより信仰があるからと子供を否定するくだり(本人にそのつもりはあまりない)などは原理主義の怖さを良く描けていると思う
是非見てください
☆☆☆☆ 『Mommy/マミー』『愛のむきだし』(ほんの1部)系?...
☆☆☆☆
『Mommy/マミー』『愛のむきだし』(ほんの1部)系?
感想が書きづらいので、ほんのちょっと…で(-_-;)
途中までは「普通かな?」…と思って観ていた。…が!
施設に居た彼女はどうなったのか?等。多少不明な点もあるものの、終盤は完全に感情移入させられていた。
元々、神を隠れ蓑にする輩達に【多少】の思いを感じていたからだろうか。
行き過ぎた宗教的な面を描いている事もある為に。何かと信心深い国や地域では受け入れ難く、評価は低くなり易い気がするが、なかなかの秀作だと思いました。内容的に、好き嫌いは出るでしょうが…。
2019年4月29日 TOHOシネマズ/シャンテシネ1
踏み外すことでの自由感
性の考え方は本来なら自由であるはずなのだが、道徳観念宗教的その他さまざまな縛りで
思い悩まされるのは間違いない。しかし縛りを外してしまうのも間違いなく危険であるのも頭ではわかっている。矛盾であり白黒でありグレーであり結局人は欲の生き物であることからは逃げれない欲ないとされてるお坊さんや神父も知的欲求があり人に説くということさえも欲だと考えたら、日常はまさに欲だらけに囲まれ生きる生活でしかないない。肉体と脳と心と言葉と他者との関係性を真面目にマジメに考え生きれば上手くいくことも上手くいかなくなるはずのは間違いないはず。ありとあらゆる人が地球と言う名の箱の中でさらにさらにさまざまな箱を作り箱の中にいる自分に気づかない中で人を箱に押し込め管理したがる感情も語ることも難しいなかでも時計の針は動き続けることに気がつかないふりして生きる毎日を繰り返すことでバランス
を取る感じを持たないとそれこそ身がもたないように思う。鈍感力の大切さだろう。そうこの作品主人公視点での一点で語るとしたら
繊細な鈍感力の大切さこそが自由な日々の近道ではないかなぁ〜と思い勇気を出して足を踏み外すことで自分の世界の中で自分の自由を感じることが出来るようになりました。こんな感じではないだろうかと思う。そしてシンプルな作品であればあるほど美しく醜く記憶に残り思考を繰り返すことが出来、何年も何年先に見てもまた考えることが出来る作品なように思える。必見映画であるこは間違いない。
同性愛の矯正という思想の不毛さ。
敬虔なクリスチャンの牧師家庭に生まれたゲイの青年が、その時代に受けた矯正教育の実態と、心の葛藤を描いた物語。これが実話だということに驚いた。
父親や母親、施設の人間、みなすべてがそれぞれの正義だという点が心苦しく逃げ場がない。
現代ではLGBTQに対する認知が広まってきているとはいえ、認知することと、それを受け入れることは別物。未だなお、見えない所で静かに苦しんでいる人間が山ほどいるんだろうと思う。
それにしても、最後のクレジットでのサイクスのその後が衝撃的すぎた。彼も上記のその一人だった。
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