「俺は罪なのか?」ある少年の告白 shinkatoさんの映画レビュー(感想・評価)
俺は罪なのか?
内面から湧き上がるもので自己実現を果たすことは、難しい世界だ。
一方、今と違う自分になるために「フリ」をして、形だけでもそう振舞うことで、やがて内面も変わっていく。この方法論は大なり小なり、良い面悪い面あれど、決して珍しいものではなく、むしろこれで世の中が成り立っていると言っても良いだろう。本作はその中に紛れている「矯正」の恐ろしさを描いている。何を矯正するか?あろうことか「人格」だ。
映画の作りとして、時系列の組み替えを行うことで物語の本質であろう矯正施設の部分がブレずに描かれていると思う。役者陣の演技の素晴らしさもストレートに物語を飲み込める要因だろう。終盤、自分らしさと、家族愛が前向きになり、油断したときにラストの「数字」とある事実には驚愕し、やはり突き落とされる。
個人的には「孫を見ることが出来ないことでお前を恨んだ」という父の言葉にドキッとした。あと、主人公はもちろんだがニコールキッドマンの覚醒は思わずあがってしまった笑
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