「後半50分はドラマティック。前半がいろいろ惜しい。」おかあさんの被爆ピアノ ウェスタン村さんの映画レビュー(感想・評価)
後半50分はドラマティック。前半がいろいろ惜しい。
TVドキュメンタリーの制作が主軸の五藤監督の最新作。突如ハリウッド化粧品のプレスリリースでイオンシネマ広島西風新都と茨城県(過去作の舞台)守谷で2週間上映(セカンドラン?)との情報を目にして見逃してたので守谷で鑑賞。
作品が伝えたい思いは広島へ移動してからの後半50分に凝縮されており、戦火(原爆)を生き延びたピアノに引き込まれる感はあった。
その一方、前半部分は走る場面でのブレ、若手キャストの台詞のぎこちなさなど前作「美しすぎる議員」に続いて目立ち、かなりの場面で逆光などによる照明不足でキャストの表情がくすんで見えてしまった(そもそも顔アップの場面が少ない)ことは致命的で、テーマは良いが演出が惜しい。
主人公に友達や彼氏といった男性が皆無で(女性配役重点)ピアノを介したヒロシマへの情念と重い雰囲気が終始漂い、スタッフロールの文字が極小すぎたことはメジャー映画との隔たりを感じてしまった。
ピアノ輸送の休憩時に通りがかりの若者がジャズを弾いたら調律師役の佐野史郎がブチ切れて追い退けるシーン、先に「優しく弾いて」とか世代的に一言言わないと通じないでしょう(平和ボケが顕著なので)。
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