劇場公開日 2020年1月31日

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「AIと人間の幸福」AI崩壊 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0AIと人間の幸福

2023年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

コンピュータの暴走というテーマは、『2001年宇宙の旅』など、多くの作品で取り上げられてきたが、本作ほど緊迫感を感じた作品はない。それは、現代において、自動車の自動運転化など、AI(人工知能)の進化は目覚ましく、本作を近未来の絵空事として冷静に観ることはできないからである。

本作の舞台は2030年のAI化が浸透した日本。本作の主人公は、AI化の生みの親である天才科学者・桐生(大沢たかお)。彼は海外生活をしていたが、彼の功績が評価され総理大臣賞を受賞することになり、長女とともに帰国する。彼の帰国直後から、突如AIが暴走を始める。容疑者となった桐生は、逃亡しながら徐々に事件の核心に迫っていく・・・・。

本作は、SFサスペンスであるが、無味乾燥、殺伐としていないのは人間ドラマの要素をしっかり織り込んでいるからである。大沢たかお、三浦友和、広瀬アリスの3人が効いている。彼らが人間ドラマ部門を担っていると言っても過言ではない。

AI暴走の真相を追う桜庭(岩田剛典)のようなハイテク刑事たちと桐生の攻防戦はスリリングで見応えがあるが、彼らとは真逆の合田(三浦友和)の存在感が光っている。彼は、典型的なアナログ人間であり刑事の勘を大切にする。相棒の奥瀬(広瀬アリス)とのやり取りが絶妙。昭和の香りがする人間臭い刑事ドラマの雰囲気があり、作品に潤いを持たせている。

主人公を演じる大沢たかおのキャラと逃亡者という設定が噛み合っていて違和感が全くない。オドオドした不安そうな表情をみせながらも、懸命に事件の真相に迫っていく姿は誇張がなく自然体である。また、AI生みの親という経歴とは真逆の人間臭い言動、風貌が本作を心温まるものにしている。

本作のテーマは、AIで人間は幸せになれますか?である。人間が幸せになるには、人間同士の相互理解、相互信頼が不可欠である。AIが、その手助けをして人間に寄り添う技術になってくれることを信じたい。

みかずき
りかさんのコメント
2023年5月7日

こんにちは😃
共感していただきましてありがとうございました😊
本作は観ただけでレビューしていませんので、どうかお気遣いなく❣️
本当にこんな世界になると‥‥。
返信もお気遣いなく❣️

りか