「他の人の批判レビューに納得して、星を少し下げた。」AI崩壊 川柳児さんの映画レビュー(感想・評価)
他の人の批判レビューに納得して、星を少し下げた。
日曜邦画劇場の、大沢たかお特集で観た。
故に彼のインタビューの言葉が非常に印象的。
「この映画では、ずっと走ってた記憶しかない。
例えば一つのシーンでも、角を曲がったら違うロケ地の道だったり....」
「最後のシーンのセリフは4パターンあって、その4パターン全部撮って、どれにするかは監督に任せた。僕はどれにしたのかを、劇場に行って初めて知りました」
このインタビューは面白かった。DVDに落として残すつもり。
さて、この「AI崩壊」は2030年が舞台。
名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を観た時、いつかこんな未来になっているのか?と思ったが、結局2015年になっても、まだあの映画で描かれている世界は広がっていなかった。
一方、この「AI崩壊」の2030年の世界は、本当に実現する、という期待感、そして同時に危機感を感じる。(もちろん「BTTF]に比べたら、「未来」へのスパンが短いのは当然として)
例えば、今回の映画とは直接関係はないが、最新の2足歩行のロボットの動きなんかを見ていると、現実世界のテクノロジーの進化には驚かされる。
ならば、AIプログラムの進化も同様に、いやそれ以上に速いはずだろう。
それを感じさせるリアリティが、この「AI崩壊」には描かれている。
ちょっと、怖かった。(昔、こういう怖さを、サンドラ・ブロックの「インターネット」で感じたのを思い出した)
ただ、終盤。賀来賢人が殺されたくらいから、もうラスボスは分かってしまった。
実は自分は、賀来賢人が真犯人と思っていた。姉の死を逆恨みして。でも、殺された時点で、消去法で犯人が分かってしまう。ここは、もちっと迷わすように工夫してほしかった。
それともう1点。娘があと10分もしないうちに死にかけてるのに、あんなに「ゆっくり冷静に」ラスボスを追い詰めるなんて、あまりにもリアリティに欠けるよ。
そこらへんが残念。
それから、今回の映画で気になった俳優が二人。
一人は漁師役の蛍雪次郎。 この人はいい味出してる。
驚くのは、この人、90年代の「ゼイラム」や「ガメラ」の時から、全然歳をとってない、てか、当時からムっちゃ老けてたんやな笑
それから残念なのは芦名星。
この美人誰や? と、調べたら、「仮面ライダー響鬼」の悪役、姫役の彼女だった。
彼女はこの映画公開の数か月後に自死している。
まだまだ活躍できたやろうに、こういうAIの世界を観る前に自ら旅立つなんて、本当に残念。
次回放送があったら、大沢たかおが逃げるシーンばっかりなのは分かってるけど、また観るね。