「雑だなぁ。とキャストの一部が・・・」AI崩壊 背中にエンジンさんの映画レビュー(感想・評価)
雑だなぁ。とキャストの一部が・・・
入江監督の作品は「22年目の告白」「ビジランテ」「太陽」とレンタルで見た。(同じ人の作品とは意識せず。キャストは良いかなと言う理由)
共通しているのは、雑と言うか、「分かるでしょ」と説明不足で丸投げされる事が多いのと、それ故の展開が「へっ?」ってなる事が多すぎる事かな。
本作で言えば、医療AIが他の社会インフラと結び合うまでが雑過ぎだし、早急過ぎる。職を奪われた人たちの存在を出したかったのだろうけども、一民間企業ならAIを推進するのは自由だが、インフラ系までは政府の思惑も有るだろうに、それが失業者を出す事が予想されるのに、そんなにハイテンポで進めるだろうか、しかも、この日本で(皮肉を込めて)。
「のぞみ」によって職を奪われたのもどんな仕事をしていたのかが分からない。
帰国した桐生を迎えに来た車は近代的な車なのに、その横を二代目プリウスが走っているのが・・・2030年設定だよねぇ。走ってないとは言えないけど、他の車も普通に今の時代を走っている車ばかりで、近未来感0。警察はバンバンと銃を撃つし、総理が急死(真犯人による暗殺)して、総理代行になった黒幕の副総理がいつの間にかに首班指名をしたのか総理になって、パニック状態なのに組閣までしている。インフラは麻痺してるけど、マスコミは影響無いって言うのもご都合的かなぁ。
最初から、「あっ、こいつ怪しい」と思ったのが犯人で、何の引っ掛けも無いし(演技的にも・・・一人だけ学芸会)、桐生を犯人と断定するのが早すぎると言うか、最初から犯人に仕立てるのが分かってしまう展開の早さ。また「のぞみ」を暴走させた時、桐生が近くに居たら障害になるであろうに、桐生が帰国してからの即日決行。これで桐生を捕まえられれば障害を除けると思ったんだろうが、それならば共犯の証拠偽装して、ホープ社のメンバーも拘束しないかなぁ普通。
ホープ社のメンバーも桐生とは面識無いのに、何故か信用してサポートをする。まぁ、「のぞみ」の基礎を作った人だからと尊敬はしているんだろうけども。
犯人を捕まえてからの展開もグダグダ。
正直、社会インフラと化したコンピューターネットワークが暴走と言うのは古くから有る設定なのに、何も真新しい要素が無かった上に、上記の様な雑な作り。10年前の「サマーウォーズ」の方が余程新鮮だった。