「設定崩壊」AI崩壊 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
設定崩壊
映画としてはけっこう頑張っていました。
三浦友和の役が良かったってのと。
現実にあった相模原の障害者施設殺人事件や、国会議員の発言にあった「生産性のない国民は選別すべき、生きている価値がない」って、ナチス並の選民思想の怖さを表しているあたりは評価できます。
けどね。
・2030年代に、1つのサーバーにて管理するシステムって、この前のソフトバンクシステム障害や官公庁のサバ落ち事件を経験してない未来なのか?複数かつ遠隔地のサーバーは必要だろ?
・バックアップシステムへの切り替えなどは、手動でできる設計してないのか!?
・「想定外」ってやたら使うけど、テロ等への備えなどの想定が甘すぎだろ!
ってあたりは、デフレスパイラルで、ケチケチやってる日本企業ならある意味リアリティあるんですが…
・医療ネットワークなのに、信号や電車網まで繋がってシャットダウンするの変じゃない?
・『ターミネーター』のスカイネットと、『サマーウォーズ』のOZが合体したような、過去作のネットワークビジョンへの既視感で、新鮮味がない……
ことに加え。
・放棄された大学の研究室に、通電してんのおかしくない?
・大沢たかおの役は「AIプログラマー」であって、ハッカーでもなきゃ、画像解析のプロでもないよね?PC関連スキルが万能って、どれだけ無敵?
・逮捕は現行犯以外、裁判所の逮捕状をもらわないとできないよね?
などなど、どうしても「前提の【設定が崩壊】してるのがおかしくないか?」「物語を整理させるために、設定を後付けしてないか?」というあたりへのツッコミが自分を支配して、物語に没入できませんでした。