「ご都合主義がすぎる!」AI崩壊 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ご都合主義がすぎる!
国民生活に浸透しているAIシステムが暴走するってお話。
舞台が2030年なのでポイントは近未来の日本をどう描くか。全自動運転の車、ホログラム、カメラ内臓の小型ドローン、そしてAIシステムによる健康管理や認証システム。そんな近未来を堪能した。ただ、その程度かという感想を抱いたことも確か。10年だから仕方ないのか。
さて、本作は暴走したAIをいかに止めるか!ではなく、AI暴走を企てた犯人にされてしまった主人公の逃亡劇。逃亡者(ハリソン・フォード主演)やジェイソン・ボーンシリーズ(マット・デイモン主演)を連想するシーンが満載だった。
ただ(この手の逃走映画はご都合主義なのだが)、それらの映画よりもご都合主義がまかり通っていた。ネタバレ設定にしてるから思いつくまま列挙すると、あんなに監視カメラで追いつめられながらうまいこと逃げ切ったり、仙台に向かってる船から海に飛び込んで漁師に助けられたり(飛び込む選択肢がすでにバカ)、漁師が車も用意してくれたり、閉校となった大学に電気が通ってたり、閉校となったのに当時のPCやデータがまだ残ってたり、結構な短時間にいろんな仕掛けを施してたり、AIの研究者が警視庁のシステムにハッキングできたり、そして首謀者がそこまで追い詰められたわけじゃないのに自らの犯行を独白したり。色々となんだそりゃ?って気持ちになってしまった。
あと、コンピュータが動いてます!的な演出として画面に英字のコンピュータ言語を流すのはいい加減やめてもいいんじゃないかなと思った。あのロックされたサーバールームで修正プログラムがアップロードされてる感じを出すのに周りのスクリーンに言語がスクロールされて表示されるのは冷めてしまう。そんな演出いらない!
もっと面白くなってもいい気がするだけにもったいない。原作から全く変えずに映画にしてるのか、それともかなりの修正が入っているのか気になってしまった。