「犬鳴村を題材とした良作」犬鳴村 ようさんの映画レビュー(感想・評価)
犬鳴村を題材とした良作
普段ホラー映画は劇場では観ませんが、有名な都市伝説「犬鳴村」を題材にしている事や、あの有名なホラー映画「呪怨」の監督、清水崇監督の最新作と聞いて観賞しました。
内容としては、あるカップルが犬鳴村へ足を踏み入れたことをきっかけに、犬鳴村を取り巻く呪いの連鎖が主人公達を襲う話で、ホラー要素だけでなく、主人公の血筋やその家族の因縁が明かされていくサスペンス要素もあり、ホラーとしての恐怖も描きつつも、一つの物語としても楽しめる点は素晴らしいと思いました。
もちもん呪怨特有の過剰な幽霊描写も健在で、恐怖を通り越して逆に面白いとさえ思えてしまう部分もあります(特に主人公の母親の演出はどうかと思いましたが…)。
ですが、ホラー映画で有りがちなビックリ演出も少なく、Jホラー特有のじわりじわりとにじり寄ってくる恐怖演出が多いのも好印象でした。
不満点としては、
肝心の犬鳴村自体の要素が序盤と後半にしかなかったのは少し勿体ないと思いました。いっそゲーム「サイレン」みたいな変な風習のある村から脱出しつつ謎を解き明かす的な話のほうがよかったのでは?
また、主人公の霊感設定(シャイニングかな?)もストーリー上のご都合設定でしかなくて、少ししか活躍する場面がなかったのは残念でした。
あと、一種のラスボス的なのがいるのですが、登場が中盤からなので存在感が薄いなと思いました。
まとめると、ホラー映画としては普通に良作だと感じています。ですが、ホラー映画としての恐怖体験を期待して観に行くと肩透かしをくらう映画かなと思いました。