「大切な存在が教えてくれる、「記憶」が持つ真の重み。」記憶屋 あなたを忘れない 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
大切な存在が教えてくれる、「記憶」が持つ真の重み。
【賛否両論チェック】
賛:「記憶」というものが、良くも悪くもその人の人生を大きく変えていくということを、実感させられるよう。「記憶屋」にまつわるあまりにも切ない真相にも、胸が熱くなる。
否:内容がかなり重いので、軽い気持ちでは観られない。展開もかなり都合よく進んでいく感が否めない。
本当に重たいテーマで、「記憶」という存在が、いかにその人のその後の人生に影響を与えていくのか、改めて痛感させられました。ましてやそれが死ぬほど辛い記憶だったとしたら、そんな記憶は消せるなら消してしまった方が、実は幸せなのかも知れません。田中泯さん演じる祖父が語る、
「何があっても・・・人はいつか忘れていくし、消えていく。」
っていう言葉が、胸に響きました。
でも同時に、大切な人との温かい記憶があるからこそ、辛い人生でも歩んでいくことが出来るということも、遼一を始めとする登場人物達が教えてくれているようです。
そんな登場人物達の心の葛藤に寄り添うかのように、物語の端々で姿を垣間見せる「記憶屋」という不思議な存在。そのあまりに切なすぎる真実にも、思わずウルっとさせられてしまいます。
ただ内容的にはすごく重いお話なので、あまり軽い気持ちでは観られないと思います。ストーリーもよくよく考えれば都合良すぎる展開だったりもしますが、沢山泣ける感動の人間ドラマを、是非ご覧になってみて下さい。
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