「ニュースタンダード」ミュウツーの逆襲 EVOLUTION はてんこさんの映画レビュー(感想・評価)
ニュースタンダード
1998年公開の湯山邦彦監督作品「ミュウツーの逆襲」のリメイク版。
全編フルCGで作り直されているが、ストーリーリーラインはほとんど変更なし。
(ミュウツーが嵐を呼び起こす際にタクトを振るような手の動きをする場面、また、ミュウが風車で遊ぶ場面など、カットとしては微妙な変更点がある)
意外だったのは、今作のフルCG版より、アニメ版の方が背景や世界の広がりをより感じることができるという点だ。
これは、フルCG版の背景が丁寧すぎるという点にも関わってくるのかもしれない。
1998年公開の前作では(と言うよりあの頃のアニメは)背景が雑な場合が多々ある。
ただ色を塗ってるだけであったり、なんとなくボケてたり、縮尺がおかしかったり。
ところが、これがかえって、カメラで言うところの背景ぼかし(写真で言えばポートレート)的な要素を生んでいて、画面内に描ききらないことで画面外への広がりを感じさせる。
今作は背景にもピントが合っている場合も多く(最初の森のシーンなんかは良かった)、良くも悪くも、収まりのいい画面となっていた。
結果から言えば
「ミュウツーの逆襲」という物語を見るならアニメ版を見た方が良い。
しかし、今の子供達のスタンダードは、もうCGアニメだったりする。
過去の我々がそうだったように、古い映像というのはある程度大人になってから受け入れられるような気がする。(ドラえもんの第1話やサザエさんの第1話などは、子供の頃に見ても多分なにこれ状態だったと思う)
そういう意味で、今の子供達にミュウツーの逆襲を届けられたという功績は大きいだろう。
個人的に、だが、ピジョットのフォルムの丸さが非常に気になった。あんまりかっこよくないというか、、、猫用おもちゃ感満載で、画面に映るたびに違和感があり映画から心が離れた。
※レビューでたまに目にする「アイ・ツー」の物語は、確かコンプリート版で追加されたもので、当時もオリジナル版では組み込まれていなかったと思う。
もちろん、私もそこの内容ありきで今回の映画が作られたとばかり思っていたが、もしかしたら今後作られるのかもしれない。期待しよう。