「良くも悪くも大きく変わらない」ミュウツーの逆襲 EVOLUTION zhiyangさんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くも大きく変わらない
二十年近く前に作られた初代ポケモン映画「ミュウツーの逆襲」のリメイク……というか、ストーリーはほとんど変わっていないのではないか。例えば、赤緑で出ないポケモンはカスミのトゲピーと、最初に出てくるドンファン以外は一切出てこない。細かい点はわからないが、基本的に「ミュウツーの逆襲」をまんまCGで作り直したと言っていいだろう。
なので、唯一の大きな変更は手書きアニメーションからCGアニメーションになったことだろう。ついこの前「名探偵ピカチュウ」という滅茶苦茶気合の入ったポケモンのCGを見てしまったので少し不安だったが、これはこれで悪くない。アニメのポケモンの雰囲気を残したまま、水や土埃の質感がリアルになっている。イメージとしては、ミニチュアの世界がそのまま動き出したような印象。ギャロップの背中が煌々と輝いていてちょっと面白かった。
最初に書いた通りストーリーは変わらない。変わるとしたら見ている私だろうか。初代作品が作られたときは小学校に入ったか入ってなかったかというくらいだが、多少は年をとって昔考えなかったことを考えるようになった。ポケモン同士が現実離れした技ではなく肉弾戦をしているなか、ジョーイさんが「生き物は自分の縄張りを譲らない」と"ポケモン"ではなく"生き物"を主語として語ったことと、「まだ生まれてすらいない、存在しているだけだ」という言葉とともに物語をはじめたミュウツーが、「私もお前ももはや存在している」という言葉で幕を下ろしたのが印象に残っている。
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