天気の子のレビュー・感想・評価
全1965件中、1361~1380件目を表示
この監督は大衆映画を作るのに向いていない
この監督は大衆映画を作るのに向いていない
その一言に尽きると思います。
初見の感想としては、主人公のホダカに全く好感を持てませんでした。自分勝手な行動に他者を巻き込み、自分が幸せになれるのであれば他者はどうなろうともかまわない。
ホダカがこんな行動をするのには何か理由があるに違いないと、彼をフォローする情報を探そうとするのですが、ホダカの過去の描写がほぼ描かれないので、なぜ頑なに故郷に戻りたくないのか、なぜ東京にこだわるのか、なぜ自分本位な行動ばかり取るのか、それはわかりません。
色々考えたのですが、たぶん監督はホダカを観客に好きになってもらおうというつもりは全くないんだろうな、と思いました。
今回監督がこの映画でやりたかったことは、大衆映画という媒体を使い、「他者の幸せを犠牲にして、自分は何も失わずに自分が幸せになるという選択をしてもいいんだ」というメッセージを発することなんでしょう。
(また、これは余談ですが、今作には監督の前作『君の名は。』のキャラクターが出てきます。つまり、前作と同じ、地続きの世界が描かれているということです。前作の主人公たちは未曾有の大災害から多くの人たちを救うという選択をしますが、今作の主人公のホダカとヒナは真逆の選択をしています。私はこれは、「前作は自分の本当にやりたかったことではないから全否定したい」という監督のメッセージなのかなと思ったのですが、『君の名は。』を称賛しタキやミツハが好きだと言っている人たちが、今作に彼らが出てくることを喜んでいるのが不思議でなりません。全否定されているのに……と思うのですが……)
賛否両論出る映画になるだろう、と監督はおっしゃってますが、恐らくそれは、この選択の結果をいいと思うか悪いと思うか、で分かれるということかと。こういう前提で作られている作品なので、ホダカに好感を持ってもらうことは重視していないと感じました。最後の選択を見せたかっただけなので、ホダカもある意味被害者です。
私は、ホダカがその選択のどちらを取ろうと別にどちらでもいいと思います。作品は自由です。こういうエンディングにしなくてはいけないという決まりはありません。「自分の幸せのために他者を犠牲にしてもいい」というメッセージが肯定されてもいいと思います。道徳的である必要も、教育的である必要もありません。
ただ、それを『大衆映画』でやったことが、悪だと強く感じます。
大衆映画で、このメッセージを発したことが新しい、という意見を見ました。それはそうでしょう。
大衆映画でこのメッセージを見せ、作中で誰にも批判させず肯定することの危険性を、これまで他の大衆映画を作ってきた映画監督はわかっていたからです。
これが大衆映画でも夏休みのアニメ映画でもなければ、私はこんなに怒りを覚えなかったと思います。インタビューで監督は、思春期を過ぎた大人に見てほしい映画なのだとおっしゃっていました。でもこの時期に、あんなに大々的に宣伝をしているということは、(監督の意思は関係なく)子供をターゲットにしているでしょう。予告で大人に見て欲しい作品だとも言わず、年齢制限もつけてもいません。前作の『君の名は。』を面白いと思った多くの大人や子どもたちが見に来ることは容易に想像できたはずです。
にも関わらず、いいこと、わるいことの判断がまだはっきりとわからない子どもたちがこれを見て、そのメッセージを正義だと受け取ってしまうことの危険性について、監督は考えなかったのでしょうか?
(子どもだけに限りませんが)
自分の幸せのために、欲望のために、他者を犠牲にしていいと思った人間が起こした事件のことを、私はどうしても考えてしまいます。だからどうしても、大勢の人間が観るとわかっている作品でこのメッセージを肯定することを、私は称賛することができません。
新海監督は、大衆映画を作ることに付随する責任を無視し、放棄し、自分のエゴを優先させているという点で、大衆映画を作るのに向いていないと思います。
他者を犠牲にして自分の幸せを第一に考え、それを誰にも否定されず、最終的に自分の選択は間違っていなかった、「大丈夫だ」と罪悪感を持たずに肯定してしまったこの主人公ホダカは、どんな大人になるのでしょうか。
せめて、この映画を見て監督のメッセージに賛同した人たちの周りには、このメッセージの危険性を理解し、そういう選択もあるけど、こういう別の選択もあるんだよと教えてくれる優しい人がいてくれることを願うばかりです。
映像・音楽◎ ストーリー△
新海さんの作品は「秒速五センチメートル」「言の葉の庭」「君の名は」を視聴済み。
ハッピーエンドが好きなので公開前から期待してました。
映像と音楽はこれぞ新海誠というような圧倒的な美しさと迫力でとても良かったです。
声優の声もそんなには気になりませんでした。むしろ味があって良かったなと。
ただ、ストーリーだけはもう少し何かできたんじゃないかと思いました。
他の方が既に述べていますが、帆高が東京に来る理由、陽菜のお母さんが死んでしまった理由、最後に警察に保護された後に陽菜達がどうやって暮らしたのかなど物語を進めていく上で大事な箇所が説明されておらず、観ている途中で?となることがありました。
また、前作「君の名は」のキャラクターを出演させるのはいいのですが、あまりに出演させすぎでは?
てしがわらやさやかみたいに後ろ姿って気づく人には気づくレベルで出演させればいいのに、滝や三葉みたいに物語中に分かるレベルで出演させられると観ていてくどく感じてしまいました。
ストーリーについては△ですが、それを補って余りあるような映像と音楽なので、トータルでは観に行くことをお勧めします!!
とても感動したしとても面白かった
2回見に行って
1回目は、ただただ映像美と素晴らしい音楽に圧倒されてしまって、はあ~なんか……綺麗…で終わってしまった…。
登場人物たちの感情がうまく読み取れず、また映画のラストにも、モヤモヤしたものが残った。
これはもう1回行かねば!と思い立ち鑑賞。
……感動。
なぜ登場人物達が、あの場面であの行動をしたのか、セリフ一つ一つに耳を傾けると、
はぁ~…うんうん…と、納得出来た。
また、劇中の曲も、1回目は、
うーんなんか泣かせにきてるわーくらいでしたが、よく聞くとキャラの気持ちともすごくリンクしてる歌詞で素晴らしい!
主人公達が感じる生きづらさだとか、会えない人にもう一度会いたい思いとか……。
言葉では伝えられないけど、とにかくリアルで鳥肌だった。
ラスト、最後の主人公のあの気付きのセリフに、全てが詰まってた気がする。
深い映画だった。
余裕を持って鑑賞できる2回目だからこそ
その良さに気がつけた。
一人ひとりの為の映画
まず、よくわからなかったという人には是非小説を読むことをオススメします。感情描写が細かく、内容理解が桁違いにできます。須賀、夏美が取った行動、陽菜の想い、最後の『大丈夫』の意味が全て理解できた時、この映画は完成するのです。生きていく上で選択ってのは絶対必要で、それに対して必ず代償ってのはあるけど、それで世界が変わってしまったとしても、信じる人がいれば、愛する人がいれば“大丈夫”だ。そういう強い想いを感じました。令和元年を代表する傑作と言って良いでしょう。
ギャーギャー言われてるけど面白いじゃん
いまいち
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
瀧ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
三葉ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
元気そうで良かったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
新海誠監督も粋なことするなぁ
え?終わり?
びっくりしました。
家出した理由に何の説明もない…?
最初顔に怪我してたから、暴力とかあったのかな、という想像はしました。
けど描写がない…刑事さんが持ってた写真も気になったけど怪我もしてない普通の青年だし…。
拳銃を打ってまで逃げようとしたのなら描写が欲しかった。…空に向けてるんじゃない、人に向けてるんだから。それなりの覚悟があったんでしょう?(実際に打ってない、脅しだとしても人に向けてる事実は変わりない)
けどけど、青春というものはこういうものかな、何か論理的な理由があるわけではない衝動というものなのか…ひたすらに言い聞かせる。
東京水没に関しては…
そういう結末もありだとは思いました。
神主さんやおばあちゃんの言う通り。
今だって十分異常気象で、こんな未来だって十分あり得る話です。
そこを上手いこと生活していくのが、人類でしょう。脳みそもらったんだから。
そこで愛を選んだ彼を責めようとは全く思いませんでした。
裏設定を読み解いていらっしゃる方も見て、本当にすごいと思います!なるほど、それならストーリーが繋がる。
しかし裏設定がないと繋がらないストーリーって、ありなんでしょうか。
裏設定ってストーリーに深みとかクスッと笑える面白みを足してくれるスパイス的なものだと思っていました。
その考えも大人の凝り固まったものなのかなー。
自問自答が止まらない。笑
まぁ、スッキリしない映画でした。
私の足りない想像力には、もうちょっと説明が欲しかった笑。
観る時の気分によっても感想は変わりそう。
また別の機会に観たらもう少し面白さを感じられるかもしれません!
今回は正直、たまったポイントで観て正解だった、と感じてしまいました…
気持ちが晴れ晴れとする
新海誠監督は「君の名は。」の評判がよすぎて、次作のプレッシャーは並大抵ではなかったと思うが、本作品でも思春期の恋愛模様を上手に描いている。子どもたちのドラマに大人を絡ませるのが得意な監督で「君の名は。」でもアルバイト先の先輩だったり、飛騨の民宿の店主だったりと、「わかってくれる大人」がいい働きをしていたが、本作では小栗旬が声優を務めた須賀圭介がその役割を果たす。
兎に角映像がいい。海のような空は青が引き立っているし、雨のグレーな世界は気分をどこまでも沈ませる。公園や神社のグリーンは砂漠のオアシスのようだ。このあたりの映像は職人芸である。観客を引き付けて飽きさせることがない。
映画のプロットには地球の温暖化、ネグレクトの問題、銃汚染、養育問題、嫌煙問題、警察権力の横暴など、現代日本と世界が抱える問題をリンクさせていて、アニメのファンタジーにしてはとてもリアリティがあると思う。こんな世の中が来ないとも限らない。
終始16歳の男の子らしい元気と思い込みの強い一途さと悲壮感が一緒くたになった思春期の精神状態で物語が進むが、どの登場人物にも悪意がないから平穏に観ていられる。ストーリー展開は早くて意外にスリリングでもある。ディズニー映画ならワクワクするようなファンタジックなシーンも、本作品では何故かヒリヒリする。そこがいい。敵か味方か善か悪かみたいな単純でノーテンキなディズニー映画とは一線を画す。
主役二人の声優は初めて聞く名前だが、物語の雰囲気によく似合う声だったし、落ち着いたいい演技だった。倍賞千恵子は素晴らしい。この人の声を聴くとホッとするし、懐かしさも覚える。
深刻な問題を内包するファンタジーではあるが、新海監督らしくプラトニックでシャイな思春期の恋愛模様を清々しく描いた作品でもある。それは「君の名は。」にも通じるところで、新海映画の真骨頂だ。雨のシーンばかりの映画だが、観終わると不思議に気持ちが晴れ晴れとする。いい作品だと思う。
少年
須賀さんと同じ年齢(42歳)で、5歳と2歳の娘もいる立場で鑑賞。
「君に貰った勇気だから、君のために使いたいんだ、君の大丈夫になりたい」 という真っ直ぐな少年の物語。
映画館での鑑賞中は、後半に須賀さんが泣いた意味が直ぐには理解できなかったが、「失った大切な君にただ会いたい、君の力になりたい」という少年の強い意志に過去又は今の自分を重ね、また「亡き大切な妻が柱に可愛い娘の成長を記してきたことを想い、自分が妻に対して力になりたかったこと」を重ねての涙なのだ と理解。
RADWIMPSのグランドエスケープのサビが流れる瞬間の爽快感はまさに鳥肌モノ。
最後に、陽菜の祈る姿を目にし自分たちの責任を認識しながらその重みを感じながらの「大丈夫」。本当に美しい映画でした。
タイトルなし(ネタバレ)
評価が意外に低いので確かめてきました
いやー、良かったですよ
映像美や場所がリアルですぐわかるし
前作と少しかぶったところも小憎らしいですw
場所が全て見たり行ったところだからなおさら
の人も多いでしょうね
ラストの東京水没は特に良かったです
東京一強や若者が古里を捨てて東京三昧への
監督のアンチテーゼでしょう
また、最後にどんな気象でも
二人の絆は消えないというところも
監督の強いメッセージでしょうか
気象的にはよく勉強されていると思います
たかだか100年の気候
江戸時代には真夏に降雪の記録や
南岸低気圧による品川2メートル積雪
1951年冬から春に千葉県で広範囲にメートル級の積雪が
実際に観測されていますから(気象庁の観測には無いが実証済
全てが良かった
この作品は映像や声も全てが良かったな〜
雨の絵や人物も良くその人の心情も捉えられていて何度も泣けた。
陽菜の運命に逆らおうとしている帆高の様子も上手く描かれていて帆高の一途な思いも伝わってもう3回も見た
今作は何度見ても泣ける
オススメな映画です
「君の名は。」と比較しないで!
晴れやかな気持が広がる作品
ここ最近の新海作品は毎度驚かされるので、本作もとても楽しみにしていました。
「言の葉」ではこれまでより一歩先に、「君の名は」ではさらにその先に踏み込んだ作品を描いてきました。
そして「天気の子」もまた、さらにその一歩先が描かれていたのです。本当にすごかった。
まずその映像美にはただただ魅せられます。本当に美しい。
私はどうしてもIMAXで観ると決めていたのですが、そうして本当に良かったです。
映像の奥行きとか一体感とか色々ありますが、空の広がりが本当素晴らしかったんですよ。観に行ける環境でしたらIMAXを強くお勧めします。
今回も映像と音楽の絡め方がうまく、曲数はいつもより多く使用。
RADだけでなく三浦透子が歌う楽曲もあって、それがまたうまくメリハリを効かせています。各シーンと共にとても心に残りました。
楽曲は歌詞が実に物語とあっていて、鑑賞前にいくつか曲を聴くか歌詞を読むかすると、より物語に入りこめると思いますよ。特に「グランドエスケープ」と言う曲がかかるシーンはものすごいものがありました。
また制作側の遊び心も感じられ、随所に色々カメオ出演が見られますよ。
それといくつかのパーツからか、何処か「雲の向こう」を感じました。私だけかもしれませんが。
他、設定とか細かいところで少し気になるところもあるのですが、演出と音楽と映像で全部振り抜いてます。でも雰囲気だけでハナからそこを描くつもりも無かったのでしょう。
シンプルな男の子と女の子のお話。様々な事に苦しみながら少年が選択する姿を描いた物語でした。
そうした末に迎えたラストシーン、それは実に心地良かったです。
鑑賞後劇場を後にする時は、良い天気の日のようにとても晴れやかな気持ちになってました。
そんなとても素敵な作品でした。
あとこれはレビューと違うのですが、キーとなる屋上に鳥居のある古びたビル。
あれは「代々木会館」がおそらくモデルです。
東京の九龍城と愛されてきましたが、とうとう8/1(2019年)から解体工事が始まります。
すでに入る事はできませんが、気になる方は早めに訪れるのが良いと思いますよ。
全1965件中、1361~1380件目を表示





