天気の子のレビュー・感想・評価
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過去の名作へのオマージュ満載、玄人向け作品
あえて、今回ののレビューでは、内容ではなく、新海監督が盛り込みたかった事について考察したいと思います。
まずは、映像美。
これは、新海誠名物とも言えるでしょう。素晴らしい再現度、そして聖地巡礼をしたくなるクオリティの高い背景。新宿が普段の活動拠点なので、自分が日頃通っている場所がそのままロケーションとして使われている事で、没入感を得られました。
JR大ガード脇の側道の落書きまで再現…すごい。
続いて、キャスティング。
これは本当に唸る配役だったと思います。
普段は声優ではない俳優さん、純粋に今をときめく声優さん、そして、ジブリに関わった重要な方々を起用した事!
とにかく、各方面の方を満遍なく散らしているので、思わずニヤリとさせられる声が出てくる。本田翼ちゃんだけがやはりちょっと浮いてましたが、予告ほどではないですw
次に、過去の名作へのオマージュ。
何よりも、ラピュタでしょう!
二人が手を繋いで落下するシーンのカット、巨大な雲の中には他の何かがいる…などなど。
良い意味で真似ている!
最高ですよ。
新海監督自身の前作とも時間軸を合わせてあって、ちょくちょく関わってくる。これもいい。
そして、主人公が歩む道筋とは別のIF設定として大人になってしまった男、須賀。
彼には物凄く思い入れを込めて作ってますね。
物語最終盤で発するセリフ「世界は元々…〇〇〇」
これは、生きる事に疲れた現代人(大人)に突き刺さります。それでも生きなあかんな、と思わされました。
キャラ達のセリフもよく練られていて、聞いてて心地いい。あんまりこんなセリフあったとか言っちゃうとネタバレなるのでやめときます。個人個人で伝わる思いも変わると思いますし。
追記。物語には関わってこないが、主人公が上京してきてからずっと持ち歩いて読んでいる本「ライ麦畑でつかまえて」。これ、読んでるって事は島で生活していて、鬱屈してたんだろうな、と想起させる。結構この部分だけでも空想で帆高のサイドストーリーを膨らませられると思います。
とにかく、おれの中では「君の名は」よりもはるかに身近で起き、そして現実に起きてもおかしくないこの映画の事件、お天道様のいたずら。
すごい入り込めたし、いちいち刺さりました。
面白い、深い。
最後にマイナス点。
多分、もっと詰め込みたかったと思います。やむなく切り捨てた設定や展開の早さで気になる所がありました。
映画って、仕方ないってのもわかるんですがね…
そして、新宿がメインロケーションなので、風俗や拳銃など、ちょっとアングラな設定です。子供に、見せたいか、と言われると、見せないかなー。大好きな街ですけどね、大人になった自分としてはw
総評。
「君の名は」で取り込んだ若い層への訴求力のみならず、大人達へのメッセージ性、コアなアニメファンまで取り込もうとする貪欲さ、そして舞台をまさに生きている現在の大都会にしておきつつも、ファンタジー色を壊さない。素直に拍手。
内容を完全に理解させるために全てのピースを提示するという方法ではなく、断片的に欠片を散りばめることで、観ている側が想像し、補完して欲しいというメッセージもある気がします。
これは、賛否あると思いますが、非常にうまい。
鑑賞後に観た人と語れる要素が多くなるので、チャレンジとは思いますが、自分は賛成派です。
好きな映画です。
(設定がアニメ作家として無自覚にすぎるのでは?)登場人物が中高生なのに、中高生にオススメしにくいという矛盾。
◆
素晴らしい映像美と音楽のハーモニーに酔いしれながら、
この映画が現実世界にもたらすマイナスの影響が想起され、憂鬱になってしまった。一大人としてそんな感想です。
前作でこれだけ一世を風靡した監督の新作の舞台が、
なぜ、敢えて、新宿歌舞伎町?池袋のラブホテル街?ネットカフェ?マク○ナルド?
登場人物と同世代くらいの多感な少年少女が、
いかに映画に自分を重ねたり、登場人物の真似をしてみたり、あるいは聖地巡礼をしてみたり、思考や行動に大きな影響を受けるのかについて、
アニメ作家として無自覚にすぎるのではないでしょうか。。
大人であればある程度理解をして危険な場所として近づかない新宿歌舞伎町やラブホテル街、それらに風俗やら何やらを知らずに、映画を見て聖地巡礼をという理由だけで、今後中高生や外国人観光客が訪れるのかと思うと、正直監督の罪深さが思われてなりません。
「稼ぎのいい仕事につきたかった」そんな陽菜の台詞に誘われて、その先に行ってしまう人もいるかもしれません。
これだけの映像美、映画を作る力を持ちながら、全年齢に安心して観せられるような設定にしなかったのが本当に残念で勿体無い。
大人であれば作品を批判的に見れますが、判断力のまだ十分でない中高生以下には積極的にオススメはできないかなあ、、と思います。
登場人物が中高生でありながら、風俗街に行ったり拳銃を持ってみたりと、実際の中高生が感情移入しにくい、というかしてはいけないような人物設定という矛盾が作品として惜しすぎる。
◆
監督が描きたかったのは、大人になりきれていない少年VS大人たち、という構図ではないかと思います。
最後の方の、穂高が陽菜を助けにいきたいばかりに、自分の就職先を世話してくれた恩人にまで銃口を向けるシーンにそれが如実に表れています。
穂高の目には、目に映る大人は皆、自分の行く先を邪魔する存在にしか見えていないのでしょう、ただひたすらに青く未成熟な願望ばかりを振りかざす。
そんな思春期の一途さ、そして危うさ、が監督の表現したかったことなのかと感じました。
また一方で物足りなかったのが陽菜の心情描写。
「天気の子」としての人に褒められ稼ぐ経験を重ねるうちに、自信を持って
「わたし、自分の役割みたいなものが分かった気がするの」と話します。
何者でもなかった15歳の少女が、天気の子という役割を与えられ、自らのアイディンティティを獲得する。
彼女が人柱として消える役割を比較的あっさりと受け入れ、天に消えて行ったのは、彼女自身が、人柱になることも含めて、天気の子であることを自分の役割と認識していたから、とも読み取れます。
けれどその過程で、葛藤や辛い気持ちがなかったはずがない。
結果として避けられなかったとしても、「世界を救うために、自分が今ここで犠牲にならなければならないのかー」そんな命題がよぎらなかったはずがないのです。そこを描き出せれば、より深く切なく共感ができたのになぁと個人的に思います。
(それは、のちの穂高の行動で、少女を救い世界を救わなかったという展開で逆説的に表現されるので、それが監督の主張と思われますが)
◆
とはいえ、見事な映像美は相変わらず。
特に、ドローン空撮のような華やかな花火は綺麗で、屋内花火大会のようでした。かつて中高生だった方向けの、大人向け映画かなと思います。
感情移入できるか否か
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頑張って事前情報を入れないよう努力したのだが...難しかった...。SNS時代...。
ともあれ、事前評判どおりの紛うことなき「セカイ系」を押し出してきたのが「天気の子」。ありとあらゆる要素を詰め込みつつも「僕たちは世界を変えてしまった」に全て集約されるという。そのためには細かい整合性は気にしない。気にしてはいけない。
私は歳を重ねた上にかなり冷めているため、家出少年があのように割とさっくり疑似家族を形成し、「晴れ女」たる運命の女の子に没頭していく様がよくわからない。なぜにあそこまで圧倒的に彼女を求めるのか。それは彼が「異界」東京で「運命の少女」に出会ってしまうからであり、すべてはシチュエーションの魔力だ。そして若さだ。若くないとあの感情についていけない...。
そもそもなぜ彼は家出したのだろうか?あんなにも帰りたくない家出...?分からない。その時点で既に主人公にビタ一文共感できず、展開もラストまではほぼ予想どおりに進んだため、ひたすらに苦悶であった...。
しかしラストは白眉というか、私だったら最後の最後は入れないなと思ったが、終わり方自体は腑に落ちた。変えてしまったものは元には戻せないのである...。
それにしてもどれだけのスポンサーを得たのかと思うほどの東京の描写であり、ある種豪華なCMを見ているのに近い感じを覚えた。歌舞伎町...家出少年が最初に行くのは歌舞伎町なのは全力で止めたいが...歌舞伎町だった。
描写はアニメを存分に活かした精緻さと美しさであり、これは大きなスクリーンで存分に堪能していただきたいところである。
あと前述のように、細かい描写がすっ飛ばし過ぎとは思う。詳細は省くが、いい大人が観るとあんなにうまくいくわけないだろみたいな場面が頻出でいちいち突っ込んでしまいたくなる。だが大きな物語の前ではそれを論うのも野暮というものだろう...。
感情移入の難しさを感じる映画体験であった。そういえば「君の名は。」もずっと突っ込んでばかりいたから私はそういう嫌なやつなのだろう。
「君の名は。」を劇場で観れなかったのを悔やみ、朝イチで観に行きまし...
いやー面白かった!
全く違う意味で面白かった!
陽菜に会うため警察から逃亡し鳥居へと向かうシーンなんかは腹抱えて笑ってしまいました!
何してん!笑 の連続でした。
自分の感覚がズレてるのかもしれないけど、この映画、笑わない方が不思議です。
これで感動してる方は本当に研ぎ澄まされた方だと思う。
子供と大人
主人公は子供だとか考え無しすぎるっていうレビューをよく見る。本編でもそう指摘されてるし大人になれって諭されるシーンが存在しているためそもそもそういう存在として主人公は描かれているのだろう。
やたらと作品に登場する『若さ』を嫌う人がいるが、そういう人には向かない作品ではあるのだろう。
不評レビューを読んだが大体細かいことの由来を気にしすぎているケースが多い。
映画を見る上でそんな細かいこと気にしないほうがいいですよ。
SF映画だって突如なんか宇宙人来るけど理由は何だかんだ特にないことが多いですよ。
そこに『あった』。それでもいいじゃん。
勿体無いです
全体的にはそこそこ好きなんだけど謎が多すぎてもやる
まず結局拳銃にする意味は何だったの?最後まで拳銃を持ち歩かせて二発撃たせるだけの何かを表現してほしかった。
少年法犯すだけの理由がもっとほしい。
拳銃にしても警察が追ってる理由にしても何となく理由が薄く感じる。もっと解明されないと分からない。
次に気になったのはほだかが家出した理由、帰りたくないんだ‥って頑なに言ってたから何があったんだと思ったけど結局あの日見た日の光に導かれて?東京にきた?意味わからん。
神秘的な何かに引き付けられたにしてももっと例え方はあった筈。学校の帰り道に見た日の光に導かれて家出したとかただの奇行やん。誰も共感できない。
他にも沢山あるけど。
最後世界の形を変えてでも女を選んだオチは私は好きです。
それまでの謎が薄すぎるのが勿体無い
あとラブホで女だけガウン着せてたのは監督の趣味ですか?風呂上がってガウン着てんのにチョーカーだけ巻かせんなよ。そこは監督に対して本気で気持ち悪いと思った。
共感が全くできず
個人的にはみ終わった後に不快感が残ってしまいました。
主人公に全く共感が出来なかったからです。
生い立・家出してきた理由が不明、
感情が高ぶると周囲を気にしない激情型、
世話になった人に銃をぶっ放すところや、
警察にどうせわからないとしっかり説明をしようとしない部分も、見ていて不愉快になってしまいました。
最近の周囲を顧みない様々な事件を彷彿してしまいました。
色々な人が書かれてますが、晴れ女になった理由や、なぜあそこに鳥居があるのか等、沢山のところにハテナが置き去りにされて終わっていった感があります。
君の名はと比べないようにして鑑賞しようとしても、RADの曲の入り方も似ていれば、キャラクターまで出て来て、ちょっと前作を意識しすぎかなぁとも思います。
秒速からファンになり作品を見てきましたが、今回は残念でした...
ただ映像美は本当に素晴らしく、
雨の描写や光が差す描写は眼を見張るものがありました。
2回目で泣けた
賛否両論あるでしょうが、とても良かった。
普段レビューなんて書くことはないのですが、書きたくて仕方なかったので読んで見て欲しい
まず、1回目見たあとは君の名は。の方が上だなという印象だったが、2回目見たあとでは天気の子も負けず劣らずの出来という感想。
まあ各キャラの掘り下げについては映画の時間内に収まりきらないという観点では仕方のないことだと思う、小説を是非読んで欲しい。
映像は特に言うこともないだろう、晴れるシーンはすべて鳥肌ものだった。
さて、個人的泣けたポイントとしてはやはり陽菜と帆高の空でのワンシーン「天気なんて狂ったままでいいんだ!」というところ。
なぜホテルでこれを言わなかったのかの葛藤が私には見えた気がした
そしてなんと言ってもラストシーン陽菜が祈っているところなのだが、この子はこの3年間ずっと空が晴れることをこの場所で祈っているのかと思うと涙を抑えきれなかった。
楽曲「大丈夫」と相まってとてもグッときた。
もしかしたら帆高に会えるように願っていたのかもしれない。なんて一途で健気なんだろうと感じた。
まあ銃と警察に関しては正直いらんだろうと思ったが、警察がいなけりゃこんなストーリーにならなかったわけで。。
須賀さんは刑事とのやり取り、警察から逃げ出してまでも会いたい人がいるというところで自分が奥さんに会いたい心と帆高を重ねて涙したのだろうが、じゃあなぜあの場面で帆高を止めるような真似をしたのかと言いたい。(もしかしたら警察と何かあったのではないかと思うが。。)
以上、長文失礼した。
最後に、髪下ろした陽菜ちゃん可愛すぎな
浅いようで深い
見終わって、悪ガキのラブストーリーだと思って見た人はご愁傷様な映画。
話はもっと深いところにある。
須賀になるのか帆高になるのか。
世界なんて変わっても良い勇気が主人公にあるのは良いと思う。
でも銃強過ぎ。
タックルも強過ぎるけど。
最近、警察から逃げる事件多いから、なんかそれも思い出してしまう。
警察さん、もう逃げられないで。
周りに合わせなくても良い!
久しぶりの新海監督
あともう一度だけ、観てほしい。
おもしろかった、つまらなかった、よくわからなかった、すきだった、
何かしら思っただろう1回目を終えた方にこそ、願わくばあともう一度だけ、観てほしい作品です。
このお話は必要なもの以外は潔く切り捨てられています。
何も足さず、何も引かれていない、「僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語」。
それを知っているあなただからこそ、もう一度観た時に気付くもの、気付けるもの、気付いてしまうものがそっと息をひそめているんじゃないか、
なんて誰彼構わずに嘯きたくなっている「3度目を観た人間」からの、ちょっと大それたお願いです。
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