「前の作品とどこが違うねん?」天気の子 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
前の作品とどこが違うねん?
話の盛り上げ方もキャラクター設定も、そしてクソすぎる音楽の使い方も同じだ。
何を解決する話なのかもキャラクターのポテンシャルが何なのかも、主人公が何を抱え何に悩みどのようにそれと戦っているかも提示されておらず、二人の絆が深まっていくエピソードのひとつひとつも退屈でしかない。・・・と言うか絆が深くなるようなグッとくるエピソードが描かれていない。このくらいの接触で普通にカレカノ関係になっていくのが現実ではあるが映画の中ではそれをやっても誰も面白いと思ってはくれない。でっかくて斬新な問題が発生して、それを映画の外形にして解決のために悪戦苦闘。と、同時進行で、主人公の抱える何かとの内面的な衝突を描き、彼女がそれを理解していく・・・というレベルの内容を持たせなければいけない。
もうひとつのストーリーであるフリーライターの話もありきたりすぎる。そっちの話が主人公の話と絡んでおらず、お色気と尺稼ぎにしかなっていない。
1時間過ぎたあたりから、やってることが非常におかしくて無理があり、どうにもいけない。
更に言えば・・・前のと、これと、やってることが同じであり、2作を見ただけで作家として既に終わっているのは明らかだ。
でも大丈夫だ。失敗作は巨匠でもたくさん作る。この作家のいいところはストーリー組み立てのうまさだ。特に導入で失敗しない。ストーリーというのは最初の20分ぐらいが一番難しい。そこんトコロを書くのがうまい。その後、上述した理由により30分くらいのところでかなり飽きてくるのだが、そこに空に浮くシーンを入れたりしてうまく飽きさせないようにしている。そのような構成の巧みさで何とか最後まで持たせた・・・少しは才能があるので酷評されてもめげずに次もまた良い作品を作るべく頑張って欲しい。次からは原作を見つけるなり、脚本家と組むなりするのが良いだろう。