劇場公開日 2019年7月19日

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「こんなものに感動してはいけない。精巧な「だまし絵」。」天気の子 ベーコンえっぐさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5こんなものに感動してはいけない。精巧な「だまし絵」。

2020年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

冒頭10分で「あざとさ」と欺瞞に気持ち悪くなります。
美しい画とは裏腹に主人公以外はみんな薄汚い大人ばかり・・これでもかと強調され、主人公以下誰一人にも感情移入出来ないです。
それでも「晴れ女」の悲しい定めに切ない気持ちでエンディングを迎え、「なんとか最後で帳尻合わせたかな」と安堵したのもつかのま、「え?」という乱暴で自分勝手な真のエンディングに開いた口が塞がらない思いです。
この監督は「君の名は。」でも人間の内面が全く描けていなかった。いくら丁寧に正確に顔カタチの画を描いても、心がなければ何も伝わってこない。
一番重要な「ふたりが惹かれあう」くだりすらやっぱり描けない。
マーケティングと商売上手な映画会社のお陰で売れましたが、この賛否両論の作品を「エンタテインメントだったら叫べるわけです。僕はそういうことがやりたかった」なんてのたまって・・どういう神経なのか、監督自身も騙されていないかと心配になります。
監督は作家として自身の力量不足と、こんな作品に感動してしまう若いひとたちへの責任感の欠如をちゃんと認めるべき。
いい映画ぶって、洗脳するつもりなのか・・・汚い大人たちがお金儲けのために計算ずくで作った、美しく彩られた精巧な「だまし絵」です。とても「罪深い作品」です。
若いひとたちには絶対見せたくない。見て欲しくない。
それだけは言えます。

ベーコンえっぐ