「まぁ、こんなもんでしょう。」天気の子 yoneさんの映画レビュー(感想・評価)
まぁ、こんなもんでしょう。
最初から期待値は上げずに観に行きました。
それが良かった気がする。
新海誠さんの作品は、基本は男女の恋愛しか扱っていない。「君の名は」も同じだったし。ただ、「君の名は」は、そこに謎解きの要素もあり、ストーリー展開も無理なくて、音楽含め感動できた。
今回の「天気の子」は、何かその前の新海作品に戻ったって感じ。
そこそこ面白いけど感動するほどではない。
やはり、「恋愛」だけでストーリーを考えるのは無理がある。
たとえば宮崎駿作品は、恋愛がテーマになることもあるけど、それ以外に別テーマが必ずある。
だから面白いし考えるキッカケにもなる。次も観たいと思う。
自分は押井守監督や神山健治監督、湯浅政明監督も好きだが、監督独自の視点から設定したテーマが興味深く、そのテーマを観終わった後で考えてみたりする。
その体験含めて、良い作品だと感じる。
今回の作品(「君の名は」以前の新海作品)は、「恋愛」だけで押し切り、要するに「俺が彼女を好きなら世界なんかどうなっても良い」というセカイ系の作品。その登場人物の中だけの世界の話なので、観終わった後で他人が考えることが何もない。
これでは、次の作品を観たいと思えない。
「君の名は」を通して、監督は精神的に成長しなかったのだろうか・・。
同じ「恋愛」を描くなら、もっと深い落ちていくような恋なり愛なりを描くとか、違う毛色の作品を描かないと。単なる「Boy meets Girl」作品は同じ監督なら1本で良い。
さすがに、次世代の宮崎駿さんにはなれないよな・・それを期待するのは酷か。。。あの人ほんとに天才だもの。
正直、この路線を今まで通り貫くようでは、今後映画館まで行って作品を観たいと思わない。監督としての成長も止まるのでは・・と、余計なお世話かもしれないが、不安を覚える。
次のステップに進化した、新海誠監督の次回作に期待したいです。