「男の子視点の新海節、女性視点では…」天気の子 Dポッターさんの映画レビュー(感想・評価)
男の子視点の新海節、女性視点では…
新海節とも言える男の子の視点、心の描き方は流石という仕上がりです。
地方の島出身の家出少年が新宿・歌舞伎町で100%晴れ女とボーイミーツガールという作品。
作中にはそろそろ毎回お馴染みになってきたスターシステムで「君の名は」の登場人物たちがちらほら出てきましたので、前作も観ている方はそんな所も楽しめるかと。
映像の美しさに関しては元々定評がありましたが、ジブリ解散の時期と前作の製作時期が重なったことから元ジブリスタッフをかなり抱えての今作への着手は作中の至る所に伺えます。
背景の描写やヒロインの弟とかはもろジブリ少年だし、警察官とか中年の描き方も素晴らしい。
ポスト宮崎駿ではなく、ここからは新海誠としての作品に期待したいですね。
最大の懸念というか疑問はヒロインはいつ主人公のこと好きになったのかという点。
最近の新海作品はそこがいつもご都合主義というか、主人公好き→ヒロインも好き→何かトラブルが起きて、解決して両想いでめでたしめでたし、このパターン。
女性キャラの視点が欠けている気がする。「秒速五センチメートル」の時はヒロイン視点で語られているのだが…。
女性はその辺りどう思っているのかなー。
私はこの作品をビル4階分の巨大スクリーンが名物のグランドシネマサンシャイン(池袋)で観ましたが、大正解でした。
4Kで高精細なだけでなく、巨大スクリーンで登場人物の景色を見上げるシーンでは自分もまるで景色を見上げているような錯覚を覚えました。音響設備もさることながらこの没入感は通常のスクリーンでは想像さえできないでしょう。
これからは作品に合わせて劇場選びも作品を楽しむ上で重要なポイントになるでしょうね。