「君の名は。が苦手な人にはキツイかも」天気の子 MOTTOさんの映画レビュー(感想・評価)
君の名は。が苦手な人にはキツイかも
決してつまらないとは言い切れない。日本人が好きそうな色んな要素が詰め込まれてて、この映画がヒットしてることに何も不思議には思わない。ただ僕はものすごい量食べたのに空腹みたいな感覚になった。
演出面では「なるほどなぁ」ってなる所はあった。雪降る中に「つめた〜い」しかない自販機とか、「あなた、泣いてますよ」の所とかそういう演出は面白かった。
ストーリーが、「君の名は。」の枠だけもらって違う物はめ込みましたみたいで、またこのパターンかぁってなってしまった。しかも物事が起きるまでペース遅いなぁって思ってしまった。人物描写もまあよくある感じだし、何が次に起こるかも大体予想できる所謂テンプレ的な展開だからちょっと退屈だった。
田舎の男の子が上京してギャップに苦しむ、そして女の子と出会い〜…そんな筋書きは腐る程存在しているのに、そこを今更描いてしかもそのパートが意外と長い。全てが既視感で映画前半は何か付け焼き刃感。ただ後半、起承転結でいう「転」以降は割とスリリングだし、個人的に「君の名は。」よりかは楽しかったかも…
「映像は綺麗」と常套句の様に言われてるけど、普通の風景をカラフルにしただけに見えた。構図とかモチーフは普通すぎて、僕は綺麗とは思わなかった。「なんとも無い日常が良いんだ〜」みたいな歌聴く人には好きなんだと思う。けど僕は観た事ないものを観たかった。
音楽は「君の名は。」みたいな2時間のRADWIMPSのPV化は薄れてて、前回より物語に集中できたと思う。RADの歌が(僕の記憶だと)劇中でPVみたいな感じで二回入るけど二回ともテンションと始まり方の演出が一緒で笑ってしまった。しかも「君の名は。」でも同じ演出あったし、そろそろこのパターンから脱出してほしい。
猫に表情があるとか、ちょっとエロティックな演出とか、何かあったらとにかく叫ぶ登場人物とか、中学生が描く漫画みたいなベタな描写と展開多くて、こっちが恥ずかしくなって思わずスクリーンから目を逸らしてしまった。けどこういうのがウケるんだろうな…と。
週末パンケーキ食べ行って、フィルムカメラ首からぶら下げて、インスタに“花火をバックにそれを見てる友達数人の後ろ姿”みたいの載っけて、#忘れられない夏 #かけがいのない友 とかいうハッシュタグ付けてる人が多分好きな映画なんじゃないかな。