「アニメータが可哀想」天気の子 khrts1223さんの映画レビュー(感想・評価)
アニメータが可哀想
ただひとつ言えるのは映像と音楽は素晴らしいということです。それだけに、ストーリー構成に勝手ながら憤りを感じました。
また、前置きしておきたいのは、私は君の名。はから新海誠さんの作品を見たわけではなく、秒速5センチメートルに感銘をうけて、それ以降の作品は前作観ているということです。(アンチなわけではないと声を大にしていいたい)
本作は、ストーリーが死んでいます。登場人物に感情がない。感情移入できないです。
登場人物は、綺麗な絵をみせるためだけに動いている。
登場人物は、スポンサー企業と関わる絵を移すためだけに動いている。
登場人物は、大人気俳優、女優、声優を喋らせるために動いている。
こんなことになるなら、ストーリーなんてないほうが、、、
綺麗な映像を無音で流していただいたほうが、、、
よっぽど思いが伝わります。
それほど、映像は素晴らしいのに、、、という思いで、作ってもいないのに、勝手ながらイライラしました。
主人公は、なにか事情があって、東京に出てきているはずなのにそれが最後までわからない。
ヒロインも複雑な家庭環境で、きっといろいろなストーリがあるはずなのに、それもわからない。
誰かわからない人たちがなんだかわーわーやっている。
そんな映画でした。なんかもう、最後のほうは逆に笑けました。
勝手に登場人物が盛り上がってたので。
音楽も映像も素晴らしいのにそれが逆に滑ってました。ストーリーのせいで。
前作が売れたことで、関係者や予算が増えたことが裏目に出て過ぎています。大きくなりすぎた制作を関係者をハンドリングできていない感じが映像を通じて伝わるという、、、なんの映画をみせられているんだ感がすごかったです。
あとは、東京の描写ですかね。
君の名は。では言葉にはしていないですが、田舎と東京の対比というものが非常によく描かれていました。
映像でここまで、描けるのかと感銘を受けていました。
本作は、それに泥を塗られた気分です。
わざわざ、直接的な言葉で伝えなくても映像で十分伝わるのに、
人を選ぶといいつつ、登場人物のセリフを借りて、万人に伝えようとしている。
中途半端にメッセージを入れてくるのが余計に腹が立つ。
君の名は。と対比して、というよりは、過去の新海誠作品と比較しても、悲しい出来です。せめて、監督の自己満足の作品なら気持ちよく観られたのですが、そうではない感じがして、ただただイライラしましたし、残念な気持ちが強いです。
規模が大きくなると、しっかりハンドリングできる人がすごく重要なのだと、映像外で学びがありました。
次回作は、純度の高い新海誠監督の作品であればよいなと切に願います。