「若さがひた走る面白さ」天気の子 へのへのもへさんの映画レビュー(感想・評価)
若さがひた走る面白さ
おそらく他にもこう書いている方は多いと思いますが、主人公とヒロインに共感できるかどうかで評価は大きく分かれる気がします。
最高な点
・映像美
・音楽との調和
上記2点だけでも映画館でもう1度観たいと思うものがありました。
それほどまでに一瞬一瞬の描写が非常に美しく、どこを切り取っても素晴らしいです。
ぜひともDVD化を待たず、今観て欲しい。観たい。と思います。
また「君の名は」の登場人物がところどころ出てくるのも嬉しい演出です。
その上でどうしても気になってしまった部分は、後半で起きた暴力行為や破壊行為(直接間接関わらず)に対する2人の反応です。
前半での主人公に対する叱責はなんだったのかと思わずにはいられません。
物語だから、そういうものだから、ということを差し引いても被害のことが頭に残ります。
その1番の要因は舞台が東京であることではないでしょうか。
誰もが行ったことのある場所が出てきますので「ここで何か起こったらこうなるかも」の予想が巡ってしまい、街並みの描写が緻密であればあるほど主人公達の気持ちがリアルでないように感じてしまいました。
飛騨の山奥で発電所ぶっとばすのとは感じ方が違います。
2人が最後に導き出した結論に文句はありませんし、大人からのフォローもあります。
むしろ、その後も生活が続いていく力強さはとても爽やかです。
それでもそこに至る気付きや葛藤を描いて欲しかったなぁと思いました。
天気の子コラボのソフトバンクのCMで白戸家父が2人を見て「若いっていいな〜」と言っていますが、そんな気持ちで受け入れられる方や夏休み中の学生さんカップルには間違いなくオススメです。
動機に説明を求めたり、物語には整合性が必要と感じる方には少々違和感があるかと思います。