劇場公開日 2019年7月19日

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「晴れやかな気持が広がる作品」天気の子 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5晴れやかな気持が広がる作品

2019年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

ここ最近の新海作品は毎度驚かされるので、本作もとても楽しみにしていました。
「言の葉」ではこれまでより一歩先に、「君の名は」ではさらにその先に踏み込んだ作品を描いてきました。
そして「天気の子」もまた、さらにその一歩先が描かれていたのです。本当にすごかった。
まずその映像美にはただただ魅せられます。本当に美しい。
私はどうしてもIMAXで観ると決めていたのですが、そうして本当に良かったです。
映像の奥行きとか一体感とか色々ありますが、空の広がりが本当素晴らしかったんですよ。観に行ける環境でしたらIMAXを強くお勧めします。
今回も映像と音楽の絡め方がうまく、曲数はいつもより多く使用。
RADだけでなく三浦透子が歌う楽曲もあって、それがまたうまくメリハリを効かせています。各シーンと共にとても心に残りました。
楽曲は歌詞が実に物語とあっていて、鑑賞前にいくつか曲を聴くか歌詞を読むかすると、より物語に入りこめると思いますよ。特に「グランドエスケープ」と言う曲がかかるシーンはものすごいものがありました。
また制作側の遊び心も感じられ、随所に色々カメオ出演が見られますよ。
それといくつかのパーツからか、何処か「雲の向こう」を感じました。私だけかもしれませんが。
他、設定とか細かいところで少し気になるところもあるのですが、演出と音楽と映像で全部振り抜いてます。でも雰囲気だけでハナからそこを描くつもりも無かったのでしょう。
シンプルな男の子と女の子のお話。様々な事に苦しみながら少年が選択する姿を描いた物語でした。
そうした末に迎えたラストシーン、それは実に心地良かったです。
鑑賞後劇場を後にする時は、良い天気の日のようにとても晴れやかな気持ちになってました。
そんなとても素敵な作品でした。

あとこれはレビューと違うのですが、キーとなる屋上に鳥居のある古びたビル。
あれは「代々木会館」がおそらくモデルです。
東京の九龍城と愛されてきましたが、とうとう8/1(2019年)から解体工事が始まります。
すでに入る事はできませんが、気になる方は早めに訪れるのが良いと思いますよ。

白波