劇場公開日 2019年7月19日

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「商業主義に走りすぎて未完成品みたい」天気の子 ロールメーカーズバックさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0商業主義に走りすぎて未完成品みたい

2019年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

上映前に突然ソフトバンクの犬を探せとか宣伝が入って
見る前に少し映画館で見るための雰囲気が壊された。
その後も、当初のシナリオにはなかったけど実在の商品を
見せつけるために変更したんじゃないのか、と
疑いたくなるような商品名を見せつけるようなカットが満載。

飲み物系はまだいい。
お菓子とかも少し無理やりだったけどまだ許せる。
でも「生徒」と呼ぶべき年齢のヒロインが風俗で働く
決意をするような内容で、ガチの風俗の宣伝
(バニラバニラうるさいアレ)を流すのはどうなの?
天気の子は子供の風俗就業を応援でもしてるの?
なんかそこで一気に一回映画の世界から追い出された気分。

物語も、最初主人公が顔に怪我をしていた理由が一切明かされなくて、露骨な宣伝カットや、リピーターを誘うためなのか
前作(君の名は)のキャラが出てくるようなシーン、とかに
時間を割いたせいで説明のシーンがカットされたんじゃないかって
思えてきたら、なんか未完成品を見せられた気分になった。

でも、映像そのものはやはり圧倒的に綺麗。
曲も、主題歌を何回も聞かせられた前回の構成からすると
きっちりと世界観に浸らせようとしてくれる。
それだけに、シナリオに粗悪な広告を投入してちょいちょい
映画の世界から追い出されてしまったのは残念この上ない。

正直、今作は少し商業的に失敗して欲しいとすら思う。
あまりに商業主義に汚された物語のように思うから。
その上で、次回作は映画館の外では幾らでも商業に塗れてもいい。
でも映画の、映画館の中では世界観を大事にして欲しい。

ロールメーカーズバック