「共感しづらい」天気の子 namma-さんの映画レビュー(感想・評価)
共感しづらい
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映像 ★★★★
人物 ★
展開 0
家出と銃、人との出会いはそれぞれ全部とってつけたような雑な配置のされ方、使われ方だと感じた。登場人物が話の展開のために行動してるというか。時間が経つと強制展開させる方向に力が働くような感じ。観客にキャラの行動を許容させる伏線があまり張られていないとも感じた。展開に関しては手抜き感がある。
天空の世界の描写は浅く、なんで戻ってこれたのかもよくわからない。あの辺りはもっと設定がありそうだが、、、前作では現象に力を与えるために結構な尺と労力を使い、丁寧に現象に実在感を与えていた。今作では人柱を巡る世界、特に召されてからの世界描写が浅い。穂高が陽菜が人柱になったことを知る切っ掛けの表現がありながら、どうして陽菜を連れ出せたのかもよくわからない。とにかく没入を妨げる要素が多すぎた。
敢えて説明を省いて視聴者の想像に任せているんだ的な強弁も可能かもしれない。その場合は視聴者が遊べる空白がストーリー間の僅かな隙間だけ、例えば須賀の涙とか。だけで余白の紹介がやっぱ全然足りない感じがする。
なんだろう、これをまた次回以降の他の作品に絡めたりするつもりなんだろうか。そういう事なら少しわかる気もするが一作品の密度はやっぱり薄いとしか感じられない。
映像、音楽が素晴らしかっただけに残念。作品を作り続けている名のあるアニメーション映画の監督として貴重な方だと思うので次回作に期待。
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