「期待してなかったから楽しめた…」天気の子 KOMIOさんの映画レビュー(感想・評価)
期待してなかったから楽しめた…
映像 ★★★★
音楽 ★★★★
音響 ★★★
物語 ★★
キャラクター ★★★
アニメーション ★★★★★
演技 ★★★
まずは映像については雨の描写とビルなどの背景はよかったと思うし、すごく力をかけたのだろうと思います。
しかしながら最初に出てきた病室の窓の外の滴などが、たぶん光の当てかたのミスで、窓の中に雨が滴っているのか、結露なのかが分からないような中途半端な感じが見えたり、草や植物の描写がコンクリートと同じ色彩で塗ったためちょっとリアル感が無いように見えた部分があったのが残念だったです。
ただその他は物凄くいいので、ほぼ文句無しだろうと思います。
音楽はイメージ通りにちゃんとアーティストが作ってるなと思いました。最後まで音楽に時間かけてる理由がわかりました。
音響に関しては、可もなく不可もなくそつなくこなしてる感あったので普通です。
物語に関しては正直な話盛り上がりもなく、いわゆるありきたりな誰でも見ながら予想できるストーリーで、ときどき「こんなご都合主義な」と思えるような展開で、せっかくキャラがいいのに、物語が邪魔してるのが非常にもったいないと思いました。
あとは伏線の張り方があまりにも露骨すぎて、(形見のブレスレットのカット等)ただでさえストーリーに幅がないのに「伏線立てたからみんな分かるよね」とやられしまったら、ちょっと気持ちが冷めてしまう部分がありました。
キャラクターに関しては、とてもキャラクターがイキイキしていて、無駄なキャラクターが誰一人いないと思いました。
ヒール役のリーゼントの警官も最後はすごくいいキャラ終わってよかったです。
裏を返せば、キャラクターをイキイキと動かすために、物語のご都合主義が生まれた感じが否めません。
ただ物語の為にキャラクターに演技をさせるのとの天秤にかけた場合、自分は新海作品ならどちらかというと後者の方がいいと思いますし、なんならば新海誠ならもっといいバランスを取れるのでは無いかと思います。
アニメーションに関してはやっぱり綺麗すぎる背景とアニメッチクなキャラクターを入れると、普通ならどうしてもキャラクターが浮いて見えるのですが、ただ雨の描写が多く、暗い画面が多いのでいい感じに同化させてるのは、考えたなと思いました。
また晴れの日の動くシーンは背景をぼやかす事と光をリアルに書く事によって、綺麗に同化させてて凄いと思いました。
そこは前作から進化した所だと思います。
要するにリアルな背景とキャラクターのアニメッチクな絵を同化させるのは難しい思っていましたが、それをほぼ同化さてて凄いと思いました。
最後に演技についてですが、ほぼ俳優を起用しいるのですが、一番懸念されていた本田翼の演技もうまいとは思いませんが、ほぼ違和感なくこなしてたので、物語の邪魔にはならなかったので良かったですね。
他の俳優の方々も普段の声優ではない演技なのに、よくあそこまで演技出来るなとちょっと驚きました。
小栗旬良かったです。
ただ別に声優がやっても同じやと思う部分もあったので、評価は3です。
ただ新海さんがドラマをアニメーションでやってみたいかと思う節はあります。カット割等…
総評として、自分は綺麗な背景描写とキャラクターを見る映画で、物語はおまけとして楽しむ映画だと思いました。
君の名は。から上がったハードルを期待して見たファンはとてもつまらないと思うかもしれません。
ただ普通のアニメ映画に比べれば全然及第点だと思います。