「刺さる人には刺さる作品」天気の子 rebeccaさんの映画レビュー(感想・評価)
刺さる人には刺さる作品
大人になりきれない、でも自分では大人な考えだと思い行動するが、世間から見ると甘い考えで常識外れ、そんな高校生男子の心理描写をとても上手く表現をしている。
この映画、賛否両論と監督自身もコメントをしていると見たがその通りだと思う。
ここからは個人的な解釈も含まれます。
この映画を良いなと思う人は何パターンかあるかと思っていて、
単純に男女で何か問題を抱えているのを解決して最後に結ばれる作品が好きな方や、
中学〜高校生の頃、同じように親元にいたくない等の理由で家出をした経験があるなど、主人公に何かしら共感出来る人。単純に陽菜が可愛いなどなど。
内容についてちょっと考えていくと、
穂高の家出の理由は多分特に深い理由はないと思っている。
多分島暮らしで閉鎖的な考えに嫌気がさして、家族とも喧嘩が増え最終的に殴り合いくらいまでの大喧嘩で飛び出して来たのではないかなと。
なので穂高は基本は無計画で考えが甘い。(本人はなんとかやっていけるだろうと考えていて、自分の甘さを認識していないと思う。)
そんな穂高が運命的に出会った陽菜と一緒にいたいと思うが、世間一般から見るととても考えが甘く、こども特有の言動、行動が目立つ。
多分この子供っぽさを経験していて、受け入れられる人は映画を楽しめて、この子供っぽさが許せない人はあまり評価が出来ないだろうなと思っています。
また現実と非現実を上手く融合しているなとも思いました。ヴァニラトラックは流石に笑える。
ただ風俗的な内容にも触れており、視聴層としてどこを狙っているのかがわからない点も評価を下げてしまうなと思います。
子どもと見に来た家族(親)は複雑な心境で見ているのではないでしょうか……
またもう一つの批判ポイントは終盤、穂高をはしらせる為に圭佑が警察を殴るところでしょうか。
圭佑は昔は穂高と境遇が似ていて穂高を助けたいと思う反面、大人になり守るべき子どももいるのでそれと秤にかけるといった描写まではわかります。
しかしその大事な子どもを捨て置き警察を殴り犯罪者となるのは最後に残念な大人だなと、大人なのに幼稚すぎないかといった違和感も覚えました。
圭佑は葛藤しつつも動けないといった描写であれば、守るものが増えて直情的に動けなくなってしまった大人の社会の厳しさと、穂高の後先考えず行動する子ども特有の甘さとの対比になり、より深い作品になったかなと感じます。
批判ポイントもありますが、個人的な経験から穂高に感情移入できるそんな良作品だったなと思います。
一緒に見に行った相方はあまり興味を持てなかったようで…考察などしたいなと思っていたので、違う意見などもコメント戴けると嬉しいです。
とりあえずもう1回は見に行こうと思っています!