「大人の自分が情けなくて泣いた」天気の子 ぺんぱーるさんの映画レビュー(感想・評価)
大人の自分が情けなくて泣いた
思いっきりネタバレ。
最後の15分、帆高の叫び。
「何も知らないくせに!」
奇しくも観に行った日が選挙日だった。
興味なんて微塵も湧いておらず、自分の日常生活を脅かさなければ誰でも良かった。
そんな甘えた自分に叩きつけられた16歳の帆高少年の魂の叫び。大切な人を犠牲にして安穏と生きていくくらいならと、ボロボロになりながら、世間から爪弾き者になるリスクを背負いながら、指をさされて笑われながらも走り続ける少年の姿に、涙が止まらなかった。
私達は知らず知らずの間に沢山の誰かの不幸を犠牲にして生きているはず。それでも自分の生活を守るために、見ないふりをしている。社会的に何の力もない16歳の子供があれほど大人に立ち向かっているのに、最近の自分は何と戦っただろうか。世界は私が動いたところで何も変わらないのに、何に遠慮して諦めたように生きていたのだろう。自分の絶対譲れないもののために世界を犠牲にするくらいの強い覚悟はいつからなくなってしまったのだろう。
最後の須賀圭介は迎合した大人の代表のようで、自分を見ているようで、彼の涙と共に情けなくて泣いた。小栗旬の演技が素晴らしく殊更に涙を誘った。
何よりも高校生の真っ直ぐさが心に突き刺さる大変良い作品だったと思う。しかしこれからも絶対に自分は帆高少年のようには生きられない。それでもほんの少しは、世界を変えてやろうと思うのである。
10人が見たら8人は首を傾げるストーリーかもしれない。だがどこか世間に窮屈さを感じている人、青少年の真っ直ぐな言葉に触れることで心を揺さぶられる人には素晴らしい映画として記憶に残るはずである。
ストーリーは良かったですよ。
ただ人物の背景が訳わからないってのとゴチャゴチャしすぎって感じですね。そこが問題かと。色々メッセージを詰め込みすぎてなにが言いたいのかが分かりにくいって感じでした。
ほだかくんが世界に刃向かったのは良かったですね。子供の頃は全く世界に囚われていなくて自分の世界を好きなように生きていたのにいつから世界が狭くなったんでしょうかね笑。色々考えさせられる映画でしたね。