「セカイ系への新しい回答」天気の子 reiさんの映画レビュー(感想・評価)
セカイ系への新しい回答
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「セカイ系」にどっぷりとつかった世代として、映画の中盤にかけてはオチもそのような(ヒロインの喪失と世界の修復)結末を予想していました。
しかし、そこから「取り返す」方へと物語は一気に舵を切った。
「この世界はそもその狂っているのだから」と答え、壊れていく世界よりヒロインへの恋心を選択した。
これは、大人が見れば素直に納得できない結論だと思います。事実、沈没した東京では被害もたくさん出ていることでしょう。
ですが、それは主人公が悪いのでもヒロインが悪いのでもない。
そして何より主人公は大人になろうとあがいている「子ども」でした。だからこそこの決断ができたし、私も受け入れることができたのだと思います。
前作「君の名は」は大作でしたが、それすらも助走だったと感じます。前作では時間を振り切ってヒロインを救うためにひた走りました。
そして今作では「セカイ」そのものへ、ヒロインを救い出すために挑戦状をたたきつけた。
結末に賛否両論があると監督は述べましたし、実際そうなのかもしれません。
が、この物語にこれ以上の結末を用意しようとすることは無粋でしょう。
ひたむきに走り抜け、勝ち取った「ヒロインのいる世界」こそが主人公にとってのトゥルーエンドだと。そう感じ、いっぱいいっぱいになりました。
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