「鳥肌が立つ感動と深いメッセージ」天気の子 kunisanさんの映画レビュー(感想・評価)
鳥肌が立つ感動と深いメッセージ
映像、音楽は、これまでに増して、素晴らしいと思いました!
太陽の光と地球の自然界が、織りなす天気の美しさ!!!
そして、それと呼応する天気の子たち。それが、音楽の美しさとハーモニーして、鳥肌が立つような感動がありました。
映画館から外に出た時に、天気、空気の観え方が、違って観えました。
一方で、ストーリーの結末とキャラクターが、中途半端、という声がたくさんあるのは、よく理解できます。
私も、結末は、すごく期待して、エンディングクレジットの後に、さらなる展開があるのかと、待ち望んだくらいでした。
でも、それは、ありませんでした。
しかしながら、新海誠監督の意図を推し量ると、私見ですが、
今回は(今回から?)、
「僕は、夢物語を描いているのではなく、現実の物語を描きたい。それを、結びつける物語を描き、メッセージを伝えたい」
という心の声が、聴こえる気がします。
そもそも、全体のテーマが、昨今の現実の問題を扱っており、これは、誰が見ても明らかです。
でも、あまりにリアルだと、見ている人が恐くなるので、少し、誇張して描いています。
でも、昨今の状況からすると、本当は、誇張でも、なんでもないように思います。
そして、結末が中途半端なのは、
今、我々が、その問題に対して、この現実世界で、今、実際に、答えを見つけていないから、だと思います。
ストーリーや主人公のキャラクターが、中途半端なのは、残念ながら、今の私たちが、中途半端だからだと思います。それを、反映しているのだと思います。
この映画を、机上の夢物語にするなら、まあ、もっと素敵な結末が描けたのではないかと思います。
しかし、そうすると、それは、私たちへの、現実に突きつけられたメッセージにならない。
なので、
ストーリーにがっかりする人が多いのは、この現実問題の解決策を、教えてもらえなかったから、
というのが、無意識にあるのではないでしょうか。
その虚しさや恐れから生まれる苛立ちなのかもしれません。
でも、答えというのは、誰に教えてもらうこともできない。
だから、監督は、
『愛にできることは?』
と問うて、
『一緒に、探しましょう』
と言っている気がします。
そういう意味で、この一見、ぶっ飛んだ内容を、
雨のように冷めたこの私たちの世界に、
敢えて、突きつけてくださった、新海誠監督の愛と勇気を受けて、
高評価を、つけさせていただきました。
長文を最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。