「なんじゃこれは?」天気の子 ロープテクニシャンさんの映画レビュー(感想・評価)
なんじゃこれは?
「天気の子」観てきた。
寝そうになった!
は?これほんまに新海誠が作ったの?
が、正直な感想。
わざわざお金を払って、時間を作って、「新海誠」の映を見に行ったのに、なんじゃこれは!というのが正直な感想。
失望した理由下記
・登場人物の行動理由がないため、キャラクターに全く感情移入できない。
どうして男の子は島から出てきたのか?
生活基盤がある場所から「光に追いつきたい」だけで島を出るか?
たまたま拾った拳銃にはさぞかし曰く因縁があると思いきや、は?
ただ追わせる対象の警察をねじ込むためだけの無理な伏線。
女の子が、今にも死にそうなオフクロをほっといてわけのわからんビルの屋上に行くか?(星を追う子の親孝行な女の子が、いきなり日常生活を捨てて先生とアガルタに行くのと同じ! キャラクターに行動の理由がない!)
警察署から逃げ出す? 剣道柔道の有段者がゴロゴロしてる警察署を中学生が運よく逃げ出す? は?
男の子が警察署を出たら乳ボンねぇちゃんがたまたまバイクで走ってて乗せてくれる? は?
娘と暮らしたいオッサンと就職希望の乳ボンねぇちゃんが、警察に捕まってでも男の子を逃がそうとする動機がない! (もしあなたなら自分の生活を犠牲にしてそんなことするか?)
動機がない者の行動には全く感情移入できない!
与える課題に無理があるし、解決方法も即物的でむちゃくちゃ。
(曲がりなりにもSFやろ!嘘はひとつや!!)
・今まで流行ったアニメのシーンのオンパレード!!
(オマージュでっか?)
◎うさんくさいオッサンが廃墟で活躍→「化物語」の忍野メメ
◎消えてしまいそうな彼女を助けるために世界を滅ぼしてもかまわない→
「エヴァンゲリヲン破」のサードインパクト。
◎雲の上で彼氏彼女がイッチャイチャ→「天空の城ラピュタ」、
「長靴をはいた猫」。
◎三葉と四葉と瀧とテッシーとさやちんを出しとけばええと思ってるやろ!
・雨・雲がテーマやろ?この映画。
なんじゃこの雨粒、水面、雲の描写?
言の葉のクオリティーはどこへ行ったんじゃ?
遠近感のないのっぺりした雲背景だけ置いて、そこでスイミーみたいな竜が躍る?
手を抜くにもほどがあるぞ!
そんなもん見に行ったんちゃうわ!!
物語の根底にある、切ってはならない普遍性を切って、一般受けするように作った「君の名は」。
我々ファンはそれでもいいと思って許してきた。
ストーリーとしての作家性は犠牲にしても、新海誠の目を通した美術としての作家性が見れればいいと思ってきたから、「君の名は」は許した。
が、今回の「天気の子」?これは何だ?
今まで通底して描いてきた「想いあう男女がとんでもなく引き離されても、なお想いを残し、それでも日常をこなしつつ前に進む姿」にこそ感動も共感もした。
しかしそこから、映画を売るために、物語の普遍性を壊して万人受けするようなハッピーエンドをこじつけ、さらに残された作家性の背景美術まで地に落とすのか!
プリキュアのほうがマシ!
失望した。愛想が尽きた。