「神は細部に宿る?」天気の子 zakdomさんの映画レビュー(感想・評価)
神は細部に宿る?
クリックして本文を読む
物語自体は、男女の関係性が大問題に直結する、いわゆる「セカイ系」です。私は、観賞後明るい気持ちで映画館を後にすることが出来ました。(公共の秩序と個人の尊重のどちらに共鳴するかで意見が分かれると思います。主人公は個人の尊重(愛情)を貫いたことにより東京の低地は水没しますが、人々はお構いなく逞しく生きているのですな。)
前半、日本では家族や組織に属さない人間が生きていくのは大変(就職、宿泊、食事等)だなと改めて感じました。このあたり「蛍の墓」を少し思い出しました。主人公と姉弟が一般のホテルに宿泊を断られ続けているシーンでは「俺ならラブホテルにトライするがなー」と思っていたら、主人公もその手を使ったのには笑いました。大きなお風呂・ベッドやカラオケのシーンに懐かしい思い出が蘇りました。
主人公が拾ったマカロフは、暴力団からの押収が多いロシア製拳銃ですね。良く調べているなと思いました。
ファンタジーと日常のリアルが上手く融合している所は、「君の名は。」と同レベルにあると思います。
ただリアル部分でよくわからなかったのが、3年雨が降り続く間に東京が徐々に水没した、という所です。(江戸時代より埋め立てで陸地が増えたものなので、海面上昇か、陸地沈降又は地盤沈下しないと水没しないでしょう?)
ファンタジーとリアルの融合においてリアル部分に?が生じるとその分作品の勢いが削がれると感じました。
風景や物の描写における光の使い方、構図、色彩は最早「新海ブランド」と呼べるもので、その美しい画を観るだけでも感動を覚えます。
コメントする