「最悪の日に最善を尽くせ」ゼイカム 到来 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
最悪の日に最善を尽くせ
死ぬほどイライラするのに嫌いになれない、その苛つきすらもなんだか楽しく思えてしまうのは、オチが大好きだから。
とにかくストレス溜めたい時と最悪の日に最善を尽くすための学びとしてよく効く映画。
プライド馬鹿暴走親父、自我無し現実逃避賛美歌ママ、頭カラッポヒステリー妊婦、思考停止役立たず筋肉バカ夫、差別主義虐待下品ジジイ、詰めは甘いがまともなカップル。
登場人物の半数以上がバカでクソという、どうしようもないが密室スリラーにはもってこいのキャラ立ち設定。
妊婦が登場した時点で最悪な予感ビンビン。
お母さんは案外理性的な部分もあってわりと好き。
インド系の彼女アンジに対するジジイと妊婦の言い様にまず気分が悪くなる。
一夜明けた後の悲劇、何かに家を囲まれた恐怖。
そして始まるレベルの低い支配と、誰かが何かするたびに起こる最悪なこと。
テレビの指示はグループを刺激して殺し合わせるためか。回りくどいったらありゃしない。
I see you.このために頑張って英語勉強したんだなと思うと笑えてしまう。
ワクチンや洗浄は人間に寄生する際の消毒かな。
注文の多い料理店みたいだな。
ジジイが死んだのは高齢でワクチンに耐性が無かったからか。
不信感と溜まる鬱憤の爆発によって家族が家族に殺意を向けるシーンは相当キツかった。
親父ほんと勘弁して…頭が悪いにも程がある。
嫌な奴すぎてもう少しで私がスクリーンに飛びかかって殴り込むところだった。いやそんなことしないけど。
そして現れる奴らの姿!出た!触手大好き!
でも造形もっとやる気出してくれ!これじゃ電気コードにしか見えないよ!
変な液体とかグロテスクなビジュアルを期待していたのに…でもなんだか愛しい。
死してなおニックとアンジに詰め寄る親父、崇めるテレビ様と合体出来て良かったじゃない。
オチは色々な意味で救いようが無くてヒドイ。
泣き声一つあげない新生児ルビーちゃんはこれから「奴ら」の養分、繁殖源となるのかな。
あんな産まれたての赤ん坊に英語の文章見せても何も理解できないと思うのだけど。
そもそもの産まれ方の強制感好き。そんなこと出来たんだ、っていう。気持ち悪いなあ。
何かに閉ざされた家で何も分からない状態で起こる悲劇を描いた作品としてイライラしつつ面白かった。
あまりにも的外れな行動がもはやギャグ。
そして、この場合の最善の策がいまだに分からない。指示に従ってなければどうなっていたんだろう。
訳の分からないことも多いけど深く考えるのも馬鹿らしくなってくるので、絡まった電気コードの逆襲、くらいに捉えておく。