「そこはかとなくポリコレ臭が漂うが…?」アラジン 武論尊さんの映画レビュー(感想・評価)
そこはかとなくポリコレ臭が漂うが…?
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自主自立・ありのままに生きることを賛美した、見る人が見れば典型的なポリコレ映画であるが、もともとの評価の高かった92年版アニメ映画とそもそも親和性が高く、無理のない設定変更でよりそれぞれのキャラクターをビビットに仕上げた素晴らしい映画だった
ウィル・スミスのジニー熱演も素晴らしくファンキーな姿から最後の自由を手に入れて喜びに溢れた姿はとても自然体で、それでいて見ているこちらも涙が出そうな最高の演技だった
ちょっとだけジャスミンの歌パートが長くメッセージ性が強いためくどいかな…と思わなくもないが気になったのはそれくらい
ジャファーを小狡いおじさんではなく、主人公の影のような存在にしたお陰で対立軸も緊張感が高まり成り上がりにも説得力があり、またジャスミンがあれだけアニメ版以上に強気になる設定にも説得力が増したのはとても良かった
真実の姿でハッピーエンドを迎えるアラジン、虚飾に塗れ嘘を重ねて成り上がり破滅するジャファー
アニメ版では「なんでこんなの国王は信頼するの?」と思わされたものだが、アニメ版のキャラのままだったらジャファーに真実味がなくただの陳腐な勧善懲悪モノとなっただろう
優れた映像美、音楽、演出とともに良作を更に現代的に昇華した内容だった
ていうか昨今のポリコレ映画はこの作品を見習えよ
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