劇場公開日 2019年6月7日

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「魅力色褪せないディズニー印アラビアンナイトの“魔法”」アラジン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0魅力色褪せないディズニー印アラビアンナイトの“魔法”

2019年6月13日
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鑑賞方法:映画館

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今年、3本も公開されるディズニー・アニメの実写化作品。(アメリカではプラスもう一本、『マレフィセント』の続編も公開される)
3月の『ダンボ』がイマイチだっただけに、今回はコケられない。

オリジナルはディズニー・アニメの中でも屈指の人気作の一本。
その人気の高さ故、ハードルとプレッシャーは相当なものだが、
ディズニー・アニメの実写化作品では『シンデレラ』や『美女と野獣』がお気に入りだが、本作もそれらに加えたい。

冒険、アクション、ヴィランと陰謀…スリルいっぱい。
ロマンス、ユーモア、魔法に歌にミュージカル…楽しさいっぱい。
ディズニー印のアラビアンナイトの世界には、アニメだろうと実写だろうとワクワク魅了される。

話については説明不要。
実写化ならではの見所を。
まず、アクション。アラジンが狭い路地を屋根の上を、追っ手を振り切るシーンにはパルクールが用いられ、躍動感UP!
名シーン中の名シーン、アラジンとジャスミンが魔法の絨毯に乗ってのランデブーは、よくぞ再現した!
魔法の絨毯や各キャラのパートナーの動物たち…。
現代の魔法と言うべきVFXが、作品を楽しく、ファンタスティックに効果を上げている。
そして、実写化の際の見物の一つ、美術や衣装。アラビアンナイトの世界の美術や衣装は、お伽噺の世界とは違う魅力。
ガイ・リッチーの演出もエンタメに徹している。

『美女と野獣』と同じく、アニメで音楽を手掛けたアラン・メンケンが実写版でも再び音楽を担当というのが、嬉しく心強い。
言わずと知れた名曲“ホール・ニュー・ワールド”が流れると、自然に感動。
やはり、音楽の力って強い。
新曲もアリ。手掛けたのは、『ラ・ラ・ランド』のベンジ・パセックとジャスティン・ポールのコンビ。終盤のジャスミンが歌う新曲は、パワフル。
それにしても、アラン・メンケンと『ラ・ラ・ランド』コンビの音楽タッグは、スゲー豪華贅沢!

キャスティングも頑張った!
昨今ハリウッドでは非白人キャラに白人を起用して度々バッシングを浴びていただけにキャスティングが気になっていたが、ちゃんと非白人俳優を起用。
とりわけ、アラジンとジャスミン、オーディションで選ばれた新星メナ・マスードと『パワーレンジャー』のナオミ・スコットはフレッシュ!
違和感も無く、安心してキャラと物語に入っていけた。
いい感じに濃いマスードもいいが、やはりナオミが魅力的!
ジャファー役のマーワン・ケンザリは最初はインパクトに欠けたが(だって、あの名ヴィランだよ!)、段々と様になってきた。

見所色々述べたが、それら以上の最たる話題が。
ウィル・“ジーニー”・スミス!
かつて、今は亡きロビン・ウィリアムズが声だけながら命を吹き込み、最高の当たり役の一つである魔法のランプの精、ジーニー。
幾ら大人気スターのウィルとは言え…。本作の実写化と同じくらいのハードルとプレッシャー…。比較は避けられない…。
予告編で初めて見た印象は、半裸の青いウィル・スミスじゃん!
しかし…
映画というのは本当に、実際に見てみないと分からない。
あのロビン・ウィリアムズの当たり役を、ウィルならではの魅力で見事、自分のものにしていた!
明るく、ひょうきんで、ユーモアの塊。
マシンガン・トークが出来て、歌も歌えて踊れて、演技力があって、キャラの魅力も人間味もたっぷり…。
何で当初不安視したのかと思うくらい、ウィルがハマった!
特にアニメでもお馴染みのジーニーの自己紹介シーンは、ウィルの個性と魅力×あのテーマ音楽×VFXで、アニメにも劣らない愉快さ!
ウィルのコロコロコロコロ変わる顔芸や演技を見てるだけでも楽しい。
吹替で鑑賞。アニメと同じくジーニー役の山寺宏一の声の名演も言うまでもなく。

『アラジン』が時を経ても、実写になっても人気なのは、アラビアンナイトの不思議な世界観の魅力やディズニー作品ならではの面白さ楽しさもあるが、やはりその、変わらぬメッセージ性だろう。
アラジンはジャスミンの気を引こうと、ジーニーの力で王子にして貰う。が、どうも様にならない。
ジャスミンが惹かれたのは、最下層のドブネズミでクズだろうと、アラジンそのものなのだ。
嘘偽りの無い自分。本当の自分。
自ら運命を切り開く。
そんな姿に、恋をし、奇跡が起き、欠けがえのない最高の友が出来る。
それこそ、素晴らしい本当の魔法だ!

近大