「文化へのリスペクトなし、エンディングはまさかの「ウィルスミス!」ラップ」アラジン HBさんの映画レビュー(感想・評価)
文化へのリスペクトなし、エンディングはまさかの「ウィルスミス!」ラップ
吹き替え版鑑賞。
アニメ版から山寺宏一さんがジーニー役続投というところのみ評価できる映画で、楽しみにしていただけにガッカリしました。
ジャスミンとアラジンの吹き替えキャストは大失敗…。
歌唱力の及ばなさ、また、口の開け閉めまで合わせてくると評判のディズニーの吹き替えのクオリティを信頼していたものの、今回はその通りではなく、
終始違和感の残る出来栄えとなっていました。
歌が…上手くないんですよね…。キャストと声も合っていません。もしかしたら本人たちの声に似ているかもしれないので、また確かめてみたいです。
とにかくアナ雪のクオリティを期待していてはダメです。
タイトルの「文化へのリスペクトなし」ですが、
「リメンバーミー」はメキシコの「死者の日」の文化を本当に丁寧に掬いあげ、エンタメに昇華しきった傑作だと思っているのですが、今回はアラビアンの「イメージ」をなぞっただけ、衣装はそれっぽいですがパレードシーンはリオのカーニバルに…。
ダンスもベリーと言うよりベリーっぽいヒップホップに…。
リサーチしたのかよ…ってくらい「イメージのアラビアン」に溢れています。
外国映画が描く間違った日本像に近い感じといえば伝わるかと。
「ロックストック〜」や「スナッチ」は良かったんだけどなあ…。
ガイリッチー、マドンナと結婚して以降は(今は離婚していますが)パッとしないと言われていますが、今回もやらかしています。
原作の良さと元歌の良さに救われているだけで、
新曲は全体的に映画のイメージを壊す酷いものになっていました。
きわめつけはエンディングのウィルスミスのラップ…。
「ヘイ!ウィルスミス!ジーニー!ウィルスミス!」とかラップ歌われて興醒めです。
誰か止めなかったのかよ!って唖然としました。
ラップに振り切って映画もそれっぽくなっていたら、
ともすれば…と思わなくもないのですが、
映画はまあ、教科書通りに近いので、ウィルスミスのラップ推し(アドリブなのか、セリフにも出てきます)が浮いてます。
どんな映画でもラップ歌うけれど、いい加減空気読んで感。
ディズニーでもウィルのラップ欲は止められなかったかー…って思っちゃいました。
ハッピーなストーリーアレンジが1つあるのですが、
そこは個人的には喜ばしかったです。
自分内評価がダダ下がりだったガイリッチーの輝ける日々の良かった影をチラリと見かけたような気持ちになりました。
「やばーい、チョー歌うまかったよねーホールなんちゃらー」とか言いながら出て行っている女子中学生を白目で眺めながら劇場を後にしました。
kenjiさん→コメントありがとうございます。
ラップが…わたしは一番引っかかってしもったのかもしれません…。ジャスミンのアレンジも矛盾が多く(王様になって国を良くしたいと理想を掲げるが、お金を払うことを知らないなど)、全体的に違和感を覚える実写版となってしまいました。
評価が高くて驚いています。