「ウィル・スミスが強烈!」アラジン おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
ウィル・スミスが強烈!
世界的に有名な「アラジン」を実写化した本作ですが、実はアニメ版を見たことがないので比較はできません。でも、それがかえって良かったのかもしれません。なんの先入観もなく、思いっきり楽しむことができました。控えめにいって最高のエンターテインメント作品です!
ストーリーは、貧乏な泥棒アラジンが魔法のランプを手に入れて王女ジャスミンと結ばれるというわかりやすいものですが、とにかくテンポがいいです。序盤から中東の雰囲気がにおい立つ市場や路地裏でのアクションシーンを通して、アラジンと相棒アブーの絶妙なコンビネーションを描き、王女ジャスミンとの恋を予感させ、一気に作品世界に誘われます。そこに国王や大臣ジャファーが登場したところで、満を持してウィル・スミス演じるジーニーが現れ、物語はさらに加速します。
とにかくウィル・スミスのジーニーが強烈過ぎます。見た目のインパクトもさることながら、CGを駆使した魔人としての演出も楽しかったし、会話の内容とテンポが抜群におもしろかったです。彼の登場により物語の雰囲気が一変し、もはや主役はジーニーとしか思えないほどでした。
そんなジーニーもランプの中では一人ぼっちで、同じく家族のいない孤独なアラジンとしだいに友情を育んでいく様子が描かれ、ラストは涙がにじみました。他にも、ジャスミンの王女としての強い思い、アラジンの弱い心に打ち勝つ誠実さ等、多くの思いや願いを詰め込む一方、冒頭の親子のシーン、2番を毛嫌いするジャファー等の伏線もきっちり回収した脚本は実にお見事です。
そして、ここに歌とダンスと圧倒的な映像美で彩りを加え、大人から子どもまで誰でも楽しめる、本当にすばらしい作品に仕上がっています。できれば、自分もそうでしたが、没入感の得られるIMAXでの鑑賞がおすすめです。